01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Hibbeler, R. C. (2024). Structural Analysis (11th ed.). Pearson.
章の要約
第11版は17章と、構造解析のための行列代数の付録、予備問題と基本問題の解答、一部の問題の解答からなる。Pearsonは本書を、トラス、はり、ラーメンに関する構造解析の理論と応用の提示とし、専門的な実務に向けて構造をモデル化し解析する力を養うように構成されていると説明している。章は四つのまとまりに分かれる。静定構造、たわみ、不静定構造の古典的な解析、そして行列法とコンピュータ解析である。出版社の掲載には章題しかないため、以下の項目は章題の範囲にとどめる。
静定構造:Types of Structures and Loads(構造と荷重の種類);Analysis of Statically Determinate Structures(静定構造の解析);Analysis of Statically Determinate Trusses(静定トラスの解析);Internal Loadings Developed in Structural Members(構造部材に生じる内力)
本書は構造の種類とそれが受ける荷重から始まり、続いて静定構造、トラス、部材の内力を解析する。
静定構造(続き):Cables and Arches(ケーブルとアーチ);Influence Lines for Statically Determinate Structures(静定構造の影響線)
静定構造のさらに二つの主題で、ケーブルとアーチ、そして荷重が構造上を動くときに応答がどう変わるかを示す影響線である。
たわみ:Deflections(たわみ);Deflections Using Energy Methods(エネルギー法によるたわみ)
たわみに関する二つの章で、後者はエネルギー法を用いる。掲載順では、不静定構造の章より前に置かれている。
不静定構造の古典的な解析:Analysis of Statically Indeterminate Structures by the Force Method(力の方法による不静定構造の解析);Displacement Method of Analysis: Slope-Deflection Equations(変位法:たわみ角法);Displacement Method of Analysis: Moment Distribution(変位法:モーメント分配法)
力の方法と、二つの変位法であるたわみ角法とモーメント分配法は、不静定のはりとラーメンを手計算で解く方法である。
近似と特殊な場合:Approximate Analysis of Statically Indeterminate Structures(不静定構造の近似解析);Beams and Frames Having Nonprismatic Members(不等断面部材をもつはりとラーメン)
不静定構造の近似解析と、断面が変化する部材の扱い。
行列法:Truss Analysis Using the Stiffness Method(剛性法によるトラスの解析);Beam Analysis Using the Stiffness Method(剛性法によるはりの解析);Plane Frame Analysis Using the Stiffness Method(剛性法による平面ラーメンの解析);Structural Modeling and Computer Analysis(構造のモデル化とコンピュータ解析)
剛性法がトラス、はり、平面ラーメンに順に適用され、最後の章 Structural Modeling and Computer Analysis は、コンピュータによる解析のために構造をモデル化する問題を扱う。PearsonによるSI単位版の説明では、この版は構造のモデル化に関する内容が増えたとされている。
主要概念
静定構造とたわみ
- 構造と荷重の種類:解析を設定するために用いる分類。
- 内力:構造部材の内部に生じる力。
- 影響線:移動する荷重の影響を示す、静定構造の道具。
- たわみのエネルギー法:本書の二つのたわみの章の二番目。
不静定構造
- 力の方法:静的に不静定な構造に対して最初に挙げられている方法。
- たわみ角法とモーメント分配法:目次に挙げられた二つの変位法。
- 近似解析:独立した章で、変位法の後に置かれている。
行列法とコンピュータの方法
- 剛性法:トラス、はり、平面ラーメンについて別々の章で適用される。
- 構造のモデル化:コンピュータ解析とともに、最後の章の主題。
- 行列代数:付録で扱われる。
批判的分析
長所
- 静定からコンピュータ解析までの全体の道筋。 17章は静定構造の解析、たわみ、力の方法、二つの変位法、三種の構造に対する剛性法を扱い、一冊としては幅が広い。
- 手計算の方法と行列法の両方がある。 たわみ角法とモーメント分配法に加えて、トラス、はり、平面ラーメンの剛性法の章と、モデル化とコンピュータ解析の最終章があり、古典的な方法と行列的な方法の両方が提供される。
- 自習のための補助。 付録は行列代数を扱い、予備問題と基本問題の解答、一部の問題の解答が収められている。Pearsonは、SI単位版には、さまざまな工学分野の新しい問題が約30パーセント含まれると述べる。
- モデル化への強調。 Pearsonの概要は、専門的な実務のために構造をモデル化し解析する力を養うことを強調している。
短所
- 範囲。 章題には構造動力学や鋼・コンクリートの設計が含まれず、本書は解析を扱う。
- 前提となる力学。 目次は静定構造から始まり、静力学や材料力学を復習する章はないので、これらの科目は既習とされる。
- 版の細部。 Pearsonは2023年7月25日刊行、著作権表示2024年とし、ペーパーバックのレンタル版のISBNを2023年の更新と記している。
- 公開されている詳細が少ない。 Pearsonの公開掲載には章題と短い概要しかなく、節の見出しも見本ページもないため、個々の章の深さは本を開く前には判断しにくい。
コースにおける位置づけ
このリストの土木・構造工学の本の中で、Hibbeler の Structural Analysis は、トラス、はり、ラーメンを解析するための学部向けの主要な教科書である。Megson の Structural and Stress Analysis は、材料力学と構造解析を一つの課程用教科書にまとめた英国の教科書で、エネルギー法、不静定構造、行列法、塑性解析、構造の不安定性へと進む。両方の科目を一冊で済ませたい学生は Megson を選び、Hibbeler は材料力学の後の独立した構造解析の課程に向く。
やさしい入口としては、J. E. Gordon の Structures: Or Why Things Don't Fall Down と Ji、Bell、Ellis の Understanding and Using Structural Concepts が、構造がどう働くかを非技術的かつ視覚的に説明する。次の段階としては、McGuire、Gallagher、Ziemian の Matrix Structural Analysis が剛性法を深く展開してMASTAN2プログラムが付属し、Chopra の Dynamics of Structures は振動と地震解析へと続く。
本書の使い方
本書は土木、構造などの工学系の学生向けで、静力学と材料力学が自然な準備となる。実践的な進め方は次のとおり。
- 中心: 静定構造、たわみ、力の方法の各章を掲載順に読み、続いてたわみ角法とモーメント分配法。
- 選択: ケーブルとアーチ、影響線、近似解析は、課程の内容に応じて。
- 行列法: 三つの剛性法の章。必要なら先に行列代数の付録を読む。モデル化とコンピュータ解析の最終章は、構造解析ソフトを使う課程に向く。
- 演習: 出題された問題の前に、予備問題と基本問題の解答で方法を確かめる。
