01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
McCabe, W. L., Smith, J. C., & Harriott, P. (2005). Unit Operations of Chemical Engineering (7th ed.). McGraw-Hill.
章の要約
第7版は5つの節に分かれた29章と、換算係数、無次元数、機器データ、物性表を収めた19の付録からなる。序文は、本書を学部の3〜4年生向けの入門的な教科書とし、主要な単位操作ごとに独立した章を設けると述べる。数学、化学、物理の通常の科目、化学工学入門、物質収支とエネルギー収支の初歩的な知識を前提とする。
第1節、第1章:Definitions and Principles(定義と原理)
唯一の導入章で、定義と原理を扱う。序文によれば、ほぼすべての式はSI単位で書かれているが、古いcgs単位とfps単位も完全には取り除かれていない。
第2節、第2〜4章:Fluid Statics and Its Applications(流体静力学とその応用);Fluid Flow Phenomena(流体の流れの現象);Basic Equations of Fluid Flow(流体流れの基礎式)
流体力学の節は流体静力学から始まり、流れの現象、流れの基礎式へと進む。出版社の変更点一覧によると、第3章の粘度の節に気体と液体の簡単な理論が加わった。熱伝導率や拡散係数についても同様の理論が後の章で扱われ、三者を比較できるようになっている。
第2節、第5〜9章:Incompressible Flow in Pipes and Channels(管路・水路の非圧縮性流れ);Flow of Compressible Fluids(圧縮性流体の流れ);Flow past Immersed Objects(物体まわりの流れ);Transportation and Metering of Fluids(流体の輸送と計量);Agitation and Mixing of Liquids(液体の撹拌と混合)
これらの章は基礎式を、管路と水路、圧縮性流体、物体まわりの流れに適用し、続いてポンプ輸送と流量測定、液体の撹拌と混合を扱う。
第3節、第10〜13章:Heat Transfer by Conduction(熱伝導);Principles of Heat Flow in Fluids(流体中の熱流の原理);Heat Transfer to Fluids without Phase Change(相変化を伴わない流体への伝熱);Heat Transfer to Fluids with Phase Change(相変化を伴う流体への伝熱)
伝熱の節は熱伝導から始まり、流体中の熱の流れ、そして相変化を伴わない場合と伴う場合の流体への伝熱へと進む。
第3節、第14〜16章:Radiation Heat Transfer(放射伝熱);Heat-Exchange Equipment(熱交換機器);Evaporation(蒸発)
放射、熱を交換する機器、蒸発を扱う。この版では機器の章にヒートパイプとプレート式熱交換器が加わった。
第4節、第17〜20章:Principles of Diffusion and Mass Transfer between Phases(拡散と相間物質移動の原理);Gas Absorption(ガス吸収);Humidification Operations(増湿操作);Equilibrium-Stage Operations(平衡段操作)
物質移動の節は拡散と相間の移動から始まり、それをガス吸収と増湿に応用し、平衡段操作を導入する。非定常拡散の節は拡充され、徐放性薬物送達の例が含まれる。
第4節、第21〜23章:Distillation(蒸留);Introduction to Multicomponent Distillation(多成分蒸留入門);Leaching and Extraction(浸出と抽出)
蒸留の章、多成分蒸留の入門、浸出と抽出の章からなる。蒸留の章では、フラッシュ蒸留、フラッディング限界、段効率の節が改訂された。
第4節、第24〜27章:Drying of Solids(固体の乾燥);Fixed-Bed Separations(固定層分離);Membrane Separation Processes(膜分離プロセス);Crystallization(晶析)
この版では乾燥速度の相関式と乾燥機の熱効率の扱いが加わった。固定層の章には、タンク内で水系廃液を粉末活性炭で処理する方法と、発酵液の精製に使える膨張層吸着に関する内容が追加された。膜プロセスと晶析で物質移動の節が終わる。
第5節、第28〜29章:Properties and Handling of Particulate Solids(粒状固体の性質と取扱い);Mechanical Separations(機械的分離)
最後の節は粒状固体とその機械的分離を扱う。出版社は、第29章にダイアフィルトレーションの新しい節が加わり、限外ろ過と精密ろ過の扱いが拡充されたこと、ろ過ケーキの洗浄の議論が改訂されたことを挙げている。
主要概念
第1〜2節:原理と流体力学
- 単位操作:本書は、プロセスの主要な物理的操作をそれぞれ独自の章で扱う。
- 輸送のアナロジー:この版は、運動量移動、拡散、熱伝導のアナロジーをより強調し、粘度、熱伝導率、拡散係数を並行する簡単な理論で論じる。
- ポンプ輸送、計量、混合:第8章と第9章は流れの式を機器に適用する。
第3節:伝熱
- 伝導、対流、放射:熱伝導(第10章)、相変化を伴う場合と伴わない場合の流体中の熱流(第11〜13章)、放射(第14章)。
- 熱交換機器と蒸発:第15章と第16章。
第4節:物質移動
- 相間物質移動:第17章、拡散と相間の移動。
- 平衡段:第20章。蒸留と抽出の章の前に置かれている。
- 分離プロセス:吸収、増湿、蒸留、浸出と抽出、乾燥、固定層吸着、膜、晶析。
第5節:粒状固体
- 固体の取扱いと分離:第28章と第29章。ろ過ケーキの洗浄やダイアフィルトレーションなどのろ過の話題を含む。
批判的分析
長所
- 操作ごとの明快な構成。 主要な単位操作にそれぞれ章があり、節は流体、熱、物質、固体の順に並ぶ。序文によれば、半期の課程はこれらの節のどれか、またはその組合せで組み立てられる。
- 理論と実践。 出版社は理論と工学実践のバランス、多くの具体例を挙げる。序文は、伝熱、物質移動、機器設計の最新の相関式を含むので、実務の技術者にも役立つと述べる。
- 改訂の記録が明確な長寿の教科書。 初版は1956年に遡る。出版社はこの版の具体的な変更(粘度理論の拡充、吸着、ダイアフィルトレーション、乾燥の新内容、蒸留の節の改訂)を挙げ、章末問題の30パーセントが新規または改訂だと述べる。ほぼすべてが電卓で解け、一部はコンピュータが向いている。
- 生物関連の例がある。 序文は食品加工、バイオ分離、生体系での拡散の例に触れ、出版社はダイアフィルトレーション、吸着、膜操作を特色として挙げる。
短所
- 事前の学習を前提とする。 序文は、化学工学入門と物質収支・エネルギー収支の初歩があることを期待している。目次には収支を教える章がなく、導入章は第1章だけである。
- 範囲が限られる。 目次に反応工学、熱力学、プロセス制御、プラント設計の章はない。生物工学は独立した主題ではなく、例として登場するだけである。
- 単位。 式の多くはSI単位だが、cgsとfpsも残っており、学生はこれらの間を行き来できなければならない。
- 分量。 29章あるため、一つの課程に必要な量を超える。教員は節を選ぶ必要がある。
コースにおける位置づけ
化学プロセス工学のリストの中で、McCabe、Smith、Harriott は単位操作の教科書である。最も重なるのは Geankoplis の Transport Processes and Separation Process Principles で、本サイトは、運動量・熱・物質の移動を一つのまとまりとして示し、それを分離装置に応用する本として紹介している。McCabe は目次の節のとおり操作ごとに進む方式をとり、同じ主題についてこの二冊を並べて読むことができる。
その前には、収支を学ぶ入門課程がある。Felder、Rousseau、Bullard の Elementary Principles of Chemical Processes は McCabe が前提とする物質収支とエネルギー収支を教え、Denn の Chemical Engineering: An Introduction は短い入門向けの本である。Fogler の Elements of Chemical Reaction Engineering は本書にない反応器を扱い、Towler と Sinnott の Chemical Engineering Design は、基幹科目をプロセスとプラントの設計にまとめる上級生向けの本である。
本書の使い方
本書は、入門課程と収支計算を終えた化学工学の3〜4年生と、相関式の出典を求める実務の技術者に向く。実践的な進め方は次のとおり。
- 中心: 第1章、続いて流体力学、伝熱、物質移動の各節を順に。後の節が前の節に依拠するためである。序文も、1学期に一つの節またはその組合せを扱うことを想定している。
- 選択: 圧縮性流れ、物体まわりの流れ、混合の第6、7、9章、および多成分蒸留、乾燥、晶析の第22、24、27章は、課程に合わせて選べる。
- 粒状固体: 第28章と第29章は、輸送の章とは独立して読める。
章末問題は30パーセントが新規または改訂なので、ぜひ解くこと。その際、粘度、熱伝導率、無次元数などの付録の表を使う。各式の単位が、SI、cgs、fpsのどの慣習に従っているかを確認する。
