01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Ugural, A. C., & Fenster, S. K. (2020). Advanced Mechanics of Materials and Applied Elasticity (6th ed.). Pearson.
章の要約
本書は13章と5つの付録からなり、本文は約720ページである。各章の終わりには参考文献と問題があり、いくつかの章は英字で区切られた部に分かれている。序文によれば、各章はほぼ独立しているため、授業に合わせて順序を変えられる。
第1章:Analysis of Stress(応力の解析)
材料力学と弾性論の関係、本書の範囲、設計における解析の役割から始め、応力成分、つり合い、傾斜断面上の応力、平面応力の変換を展開する。続いて主応力、二次元と三次元のモールの円、八面体応力、境界条件を扱い、指標記法で終わる。
第2章:Strain and Material Properties(ひずみと材料特性)
ひずみ、適合条件、ひずみの変換を扱い、続いて工学材料と応力–ひずみ線図を扱う。一般化されたフックの法則と直交異方性の場合を導き、ひずみゲージとロゼットを論じ、ひずみエネルギーとサン・ヴナンの原理を導入する。
第3章:Problems in Elasticity(弾性論の問題)
三つの部に分かれる。A部は平面ひずみと平面応力の問題、エアリーの応力関数、多項式解、熱応力、極座標を定式化する。B部は集中荷重による応力と応力集中係数を扱う。C部はヘルツの理論や球・円柱の接触を含む、接触応力とたわみを扱う。
第4章:Failure Criteria(破損基準)
A部は静荷重を扱う。降伏による破損と破断による破損、最大せん断応力説、せん断ひずみエネルギー説、八面体せん断応力説、最大主応力説、モールの説とクーロン–モールの説、応力拡大係数と破壊靱性を含む破壊力学入門である。B部は繰返し荷重と動的荷重を扱う。疲労、疲労寿命、衝撃、延性–脆性遷移である。
第5章:Bending of Beams(はりの曲げ)
A部は純曲げと、幅の狭い片持ちばりおよび単純支持ばりの厳密解を示す。B部は近似解を示す。初等理論、垂直応力とせん断応力、合成ばり、せん断中心、不静定系である。C部は曲がりばりを弾性論と曲がりばりの式で扱い、理論どうしを比較する。
第6章:Torsion of Prismatic Bars(角柱棒のねじり)
円形棒から出発し、一般のねじり問題、プラントルの応力関数と膜のアナロジー、幅の狭い長方形断面と薄肉断面、拘束された薄肉部材、ねじり棒ばね、曲がった円形棒へ進む。
第7章:Numerical Methods(数値解法)
A部は曲線境界と境界条件を含む有限差分解析を扱う。B部は棒要素、トラス、はり要素、二次元要素を通じて有限要素解析を導入し、一般的な定式化、三角形要素、平面応力の事例研究、計算ツールを扱う。
第8–9章:Thick-Walled Cylinders and Rotating Disks;Beams on Elastic Foundations(厚肉円筒と回転円板;弾性基礎上のはり)
第8章は内圧を受ける円筒、複合円筒と焼きばめ、等厚および変厚の回転円板、熱応力、有限要素解を扱う。第9章は弾性基礎上のはりの一般理論、無限長・半無限長・有限長のはり、有限差分による解法を扱う。
第10–11章:Applications of Energy Methods;Stability of Columns(エネルギー法の応用;柱の安定)
第10章はエネルギー原理(カスティリアーノの定理、単位荷重法、不静定系)と変分法(仮想仕事、最小ポテンシャルエネルギー、三角級数、レイリー・リッツ法)を示す。第11章は座屈荷重、両端ピン支持その他の柱、設計式、不完全性、エネルギー法、有限差分解を扱う。
第12–13章:Plastic Behavior of Materials;Stresses in Plates and Shells(材料の塑性挙動;板とシェルの応力)
第12章は理想化された応力–ひずみ線図、はりの塑性たわみ、限界設計、塑性ねじり、塑性の応力–ひずみ関係を扱う。第13章は薄板の曲げ(単純支持の長方形板、円板、有限要素解を含む)と、回転シェルなど薄いシェルの膜応力を扱う。
付録
付録は、問題の定式化と解法、応力の三次方程式の解法、合成断面の断面二次モーメント、応力集中係数の図を含む表とグラフ、MATLAB入門からなる。巻末に一部の問題の解答が付く。
主要概念
第1–3章:応力、ひずみ、弾性
- 応力の変換とモールの円:二次元・三次元での主応力と最大せん断応力の求め方。
- 一般化されたフックの法則:等方性材料と直交異方性材料の応力–ひずみ関係。
- エアリーの応力関数:平面問題に用いるポテンシャル。
- 接触応力:球と円柱に対するヘルツの理論。
第4–7章:破損、曲げ、ねじり、数値解析
- 破損基準:静荷重での降伏と破断の理論、繰返し荷重での疲労と破壊力学。
- はりの厳密理論と近似理論:弾性論の解と初等曲げ理論との比較。
- プラントルの応力関数と膜のアナロジー:ねじりへの弾性論的アプローチ。
- 有限差分法と有限要素法:閉じた形の解がない問題の数値解法。
第8–13章:特別な構造問題
- 厚肉円筒と回転円板:圧力、焼きばめ、遠心荷重。
- エネルギー法と変分法:カスティリアーノ、仮想仕事、レイリー・リッツ。
- 柱の座屈と塑性崩壊:安定と限界設計。
- 板とシェル:板の曲げと膜理論。
批判的分析
長所
- 弾性論と材料力学を並べて扱う。 序文は、弾性論が三つの役割を果たすと述べる。単純な形状の厳密解を与えること、材料力学の方法の限界を確かめること、数値解析の基礎になることである。はりの章は厳密解と近似解を並べることで、これを目に見える形にしている。
- 古典的方法と数値的方法のバランス。 著者は古典的解析をかなり十分に扱いつつ、解析的に解きにくい問題には数値的手法を重視するとしており、第7章は有限差分と有限要素に充てられている。
- 柔軟な構成。 大半の章はほぼ独立していて、英字の部に分かれており、授業の長さに応じて課題を選べる。
- 実用的な補助。 序文は、全体にわたる数値例題、SI単位の問題(SIと米国慣用単位の両方を定義)、解析と設計のケーススタディ、一部の問題の解答、出版社から提供される任意のMATLABの解を挙げている。本書自体はいかなるソフトウェアにも依存しない。
短所
- 最初の科目ではない。 序文は、本書を初等的な材料力学の後の科目向けとしているので、読者にはその基礎が必要である。
- 弾性論は二次元に重点。 序文は、第3章の二次元問題の扱いを、教員が比重を変えてよい部分として挙げている。三次元の解法を専門に扱う章はない。
- 一部の材料の扱いは限られる。 直交異方性材料は第2章と第3章のそれぞれ一節に現れるだけで、目次には複合材料、異方性弾性、波動伝播の章がない。これらが必要な読者は、より専門的な教科書が必要になる。
コースにおける位置づけ
このコースの書目の中で、UguralとFensterは初等的な材料力学から弾性論への橋渡しにあたる。Beer、Johnston、DeWolf、Mazurekの Mechanics of Materials とHibbelerの Mechanics of Materials は、本書が前提とする入門的な科目である。Gordonの The New Science of Strong Materials とBlockleyの Structural Engineering: A Very Short Introduction は一般読者向けの非技術的な本で、さらに先に読める。
Saddの Elasticity: Theory, Applications, and Numerics は大学院レベルの次の段階である。その目次は、数学的準備から二次元問題を経て、複素変数法、異方性弾性、熱弾性、不均質弾性、ミクロ力学へ進む。UguralとFensterはそこまでは行かず、弾性論をエネルギー法、座屈、塑性、板とシェルと組み合わせたい読者に向く。
本書の使い方
序文は、本書を学部上級生と大学院1年生の授業のための講義ノートから生まれたものとし、航空、土木、機械工学、工学力学の実務技術者にも役立つとしている。
実際的な進め方は次のとおり。
- 中核: 序文が最初に学ぶよう勧める第1章と第2章、続いて授業が必要とする範囲で第3章。
- 必要に応じて選ぶ: 破損には第4章、はりとねじりには第5–6章、有限要素には第7章。第8–13章は話題に応じて(圧力容器、円板、エネルギー法、座屈、塑性、板とシェル)。
- 演習: 付録Aの問題の定式化の方法で例題を解き、答えを一部の問題の解答と照合し、付録Eを使って数値問題をMATLABで繰り返す。
後の章が分かりにくくなったら、第1章に戻って記号と符号の規約を確認する。
