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Inquiry as Stance: Practitioner Research for the Next Generation(スタンスとしての探究:次世代の実践者研究) cover

教育学

教育学

Inquiry as Stance: Practitioner Research for the Next Generation(スタンスとしての探究:次世代の実践者研究)

Marilyn Cochran-Smith; Susan L. Lytle

英語原題: Inquiry as Stance: Practitioner Research for the Next Generation

実践者研究についての学術的論考で、コクラン=スミスとライトルによる論考、8人の実践者による章、朗読劇の脚本の3部からなる。著者らは、探究を期間限定のプロジェクトではなく、専門職としてのキャリア全体にわたる知り方と行動の仕方、すなわち「スタンス」であるべきだと論じ、教師自身の研究を知識、アカウンタビリティ、社会正義の問題と結びつける。

前提知識: 省察的実践または教師の成長に関する授業を履修し、できれば教職経験とアクション・リサーチについての知識があること。

難易度レベル
上級
学術レベル
大学院
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Cochran-Smith, M., & Lytle, S. L. (2009). Inquiry as Stance: Practitioner Research for the Next Generation. Teachers College Press.

章の要約

本書は、著者らの1993年の著作 Inside/Outside: Teacher Research and Knowledge の続編で、約400ページ、3つの部に分かれ、各部は異なる文体をとる。著者による5編の論考、実践者が書いた8つの章、そして朗読劇(リーダーズ・シアター)の台本である。出版社の紹介は本書の主張を述べている。探究は一つの立場、すなわち学校の現行の仕組みと成果への挑戦として理解されるべきであり、各地の実践者研究者は自らの仕事をより大きな社会変革と社会正義の運動と結びつけるべきだというものである。

第1部:実践者研究を理論化し、文脈の中に位置づける

第1部は、Cochran-Smith と Lytle による5編の論考で、探究を一つの立場として、また実践者の集合的な知的能力を位置づけ直す変革的な行動理論として概念化する。書評者の説明では、著者らは実践者研究を、教師、管理職、大学教員、地域の教育者、親を含む広い意味で定義する。過去10年の5つのテーマとして、公平・関与・主体性、新しい概念的枠組み、探究共同体の成長と再創造、学校改革と政策を形づくるための実践者研究の活用、大学における研究と実践の関係を変えようとする努力を挙げる。教師研究の5つの型を区別し、「落ちこぼれを出さない法(No Child Left Behind)」の時代における教師と教師の知識のイメージを批判し、研究大学における探究と実践の「弁証法を働かせる」ことを論じ、次世代への呼びかけで終わる。

第2部:教えること、学ぶこと、学校のリーダーシップについての実践者の声

第2部は、著者らが依頼した8つの章で、K-12の学校や教師教育で働く、立場の異なる8人の実践者が執筆している。書評者が挙げているのは次のような章である。Gary McPhail は「悪い子」と作文カリキュラム、男の子が書く課題にどう反応するかの違い。Gillian Maimon は教室の一人の子どもを細かく記述した日誌。Kelly A. Harper は人種と不正義の問いを呼び起こすよう選ばれた本から裕福な白人の子どもが何を学んだか。Delvin Dinkins はアフリカ系アメリカ人の学校管理職としての自身の立場と、人種・階級・達成についての議論。Rob Simon は教職課程の学生との取り組みにおける透明性。Swati Mehta は文化的ハイブリッド性。Diane Waff は探究グループを通じて活動家的な教育者へと成長した過程。Gerald Campano は教師研究を人間化のための集合的な闘いとみる見方である。

第3部:実践者の声

最後の部は、K-12の学校と大学で働く20人の実践者の声を、上演の形で集めた朗読劇の台本である。書評者によれば、関連し合うと同時に対照的な視点を示し、実践者が直面する個人的・職業的・政治的な判断を可視化している。その初期の版は、1993年の Inside/Outside の刊行に合わせて上演された。

主要概念

第1部:理論

  • 立場としての探究:期間と場所が限られた教室の研究プロジェクトや、問題解決の手順としての方法とは対照的に、職業人生を通じて続く世界観であり批判的な思考の習慣。著者ら自身による後の要約では、実践の問題に根ざした行動理論、実践者の集合的な知的能力を中心に置き直す反覇権的な位置づけ、そして教えることを変革するのに必要な知識は実践者自身の問いと方略の中にあるという主張、という3つの基本的な考えに支えられている。
  • 知識:4つの次元の最初のもの。外部の研究者がつくる形式知と、実践者がもつ実践知とに分ける見方を退け、実践者研究者が生み出す地域的な知識を教育の変革の鍵とみなす。
  • 実践:第2の次元。実践は単に実用的なものではなく、常に文脈的で、理論的で、解釈的である。
  • 共同体:第3の次元。実践者の集団が、立場としての探究を実行する主な仕組みであり、教えること、学ぶこと、学校教育についての自らの前提を問い直す。
  • 民主的な目的と社会正義:第4の次元。探究は体制の内側で、かつ体制に抗して働き、既存の教育の目的を問う。

第2・3部:実践

  • ポジショナリティ:研究する問いの中での実践者自身の位置。実践者の章で繰り返し現れる関心事。
  • 綿密な記述:教師が知覚できる範囲を広げるために教室の生活を観察し記述する習慣。Maimon の章に見られる。

批判的分析

長所

  • 明確な概念と理論的な裏づけ。 著者自身の説明は、立場としての探究の3つの基本的な考えと4つの次元を示しており、読者は方法のリストにとどまらず、実践者研究を構造的に考える手がかりを得られる。
  • 理論と並ぶ実践者の声。 第2部はこの概念が教室や学校でどう働くかを示し、書評者は各章が内容も調子も異なりながら、いずれも示唆に富むと評した。学校コーチの Elizabeth Radin Simmons は全米ライティング・プロジェクト(National Writing Project)のために本書を評したが、教授二人が書いた本に最初は懐疑的だった。その後、実践者の章の一つを自分が関わる教師たちにすぐ手渡し、実践者の文章を高く称賛した。
  • 社会正義への志向。 本書は教師の研究を、公平、アカウンタビリティ、教育政策の問題と結びつけており、Jen Scott Curwood は Networks の書評で、教職課程の学生にとって貴重な資料だとしている。
  • 形式の多様さ。 3つの文体が、議論、物語、上演という異なる入り口を読者に与える。

短所

  • 執筆者が大学に近い。 Simmons は、実践者の執筆者のほとんどが博士号をもつか大学で教えていると指摘し、当初はこのことが、そうした機会のない教師にとっての本書の意義を限るのではないかと考えた。
  • 特定の時代のアメリカの文脈が背景。 政策をめぐる議論の多くは「落ちこぼれを出さない法」の時期を背景にしている。
  • 手引き書ではない。 本書は一つの立場を論じ、例示する。教室研究の段階的な手順を求める読者は、方法論の本を併せて必要とする。

コースにおける位置づけ

教師の成長のコースの中で、本書は教師研究についての学術的な説明である。Brookfield の Becoming a Critically Reflective Teacher と Sellars の Reflective Practice for Teachers は読みやすい省察の手引き、Palmer の The Courage to Teach は教師の内面の生活を扱う。これらのほうがよい出発点である。Schön の The Reflective Practitioner は、専門職が行為の中で考えることについての古典的研究で、Cochran-Smith と Lytle の議論により近い。Hattie の Visible Learning for Teachers は、教師が証拠をもとに自分の実践の影響を評価することを求める。

Cochran-Smith と Lytle は省察より一歩先へ進む。実践者が知識を生み出し、それが政治的な帰結をもつと主張するのである。Schön と Brookfield のあとに読み、Hattie と並べて、教師が証拠をどう使うべきかについての二つの考え方を比べるとよい。

本書の使い方

本書は、実践者探究に関心のある大学院生、教師教育者、教師研究者、学校のリーダーに向く。特別な前提は示されていないが、学校で教えたり働いたりした経験があり、省察的実践について何か読んでいると役に立つ。

読み進め方の例:まず第1部を読む。議論と、残りの部分が依拠する歴史が述べられているからである。次に第2部のうち、自分の置かれた状況に近い章を、順番にこだわらず読む。最後に第3部を読む。これはグループで声に出して読むとよく機能し、ゼミでは議論の呼び水に使える。自分で探究を行うつもりなら、本書で立場をつかみ、データの収集と分析の技法については方法論の本を併せて使うとよい。