01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Bell, J., Waters, S., & Johnson, H. (2024). Doing Your Research Project: A Guide for First-Time Researchers (8th ed.). Open University Press / McGraw Hill.
章の要約
2024年7月に刊行された第8版は14章から成り、小規模な研究プロジェクトの順序に沿って並んでいる。準備と原則、文献の読解と文献研究、証拠を集める方法、そして分析と執筆である。マグロウヒルの紹介によれば、各章には、助言を読者自身の研究に当てはめるための省察の問いが含まれている。特徴としては、自己省察の演習、テキストボックス、キーターム、用語集が挙げられている。出版社によれば、この版ではデジタルな研究手法の扱いを更新し、研究の性質と研究者が担う役割を検討し、研究方法の議論を拡充している。
第1章:The Researcher and the Research Journey(研究者と研究の旅)
最初の章は本書全体の枠組みを示す。研究を一つの旅として、そしてそれを行う人として捉える。章題は研究者とプロセスを並べており、この版が研究の性質と研究者の役割を検討しているという出版社の説明と合致している。
第2章:Approaches to Research(研究のアプローチ)
初めて研究する人が選びうる大まかなアプローチを扱う。出版社によれば、本書はさまざまな分野と方法論を取り上げ、読者が自分のプロジェクトに何が合うかを十分な情報に基づいて選べるようにしている。
第3章:Ethics and Integrity in Research(研究における倫理と誠実性)
倫理はデータ収集よりも前の早い段階に置かれ、最後の形式的な手続きではなく、プロジェクトを計画する際の前提条件として扱われる。
第4〜6章:Reading, Referencing and the Management of Information; Literature Searching; The Review of the Literature(読解、引用文献の管理と情報管理/文献検索/文献レビュー)
文献に関する三つの章が論理的な順序で並ぶ。読んだものを管理し引用情報を記録すること、関連する資料を検索すること、そして文献レビューそのものを書くことである。
第7章:The Analysis of Documentary Evidence(文書資料の分析)
文書をそれ自体として証拠の源と見なす章で、新しいデータを生み出す方法の前に置かれている。
第8章:Using Social Media in Research(研究におけるソーシャルメディアの活用)
研究の道具であり場でもあるソーシャルメディアについての章で、出版社がこの版で更新したとするデジタルな研究手法の一部である。
第9〜12章:Designing and Administering Questionnaires; Planning and Conducting Interviews; Diaries, Logs, Critical Incidents and Blogs; Observation(質問紙の設計と実施/インタビューの計画と実施/日記、記録、クリティカル・インシデント、ブログ/観察)
方法に関する中核の四章である。質問紙とインタビューにそれぞれ一章が充てられ、日記、記録(ログ)、クリティカル・インシデントの記述、ブログといった参加者自身の記録が別の一章にまとめられ、観察がこのまとまりを締めくくる。
第13章:Interpreting the Evidence and Reporting the Findings(証拠の解釈と結果の報告)
集めた証拠をどう理解し、得られた結果をどう示すかを扱う。
第14章:Writing the Report(報告書の執筆)
最後の段階、すなわちプロジェクトを報告書としてまとめることを扱う。
主要概念
第1〜3章
- 研究の旅:最初の着想から完成した報告書までの一連の段階としてプロジェクトを捉えること。
- 研究のアプローチ:方法を選ぶ前に研究者が選択する大まかな戦略。
- 倫理と誠実性:研究の計画と実施を律する原則。
第4〜8章
- 情報管理と引用文献の記録:最初から資料の出所を記録しておくこと。
- 文献検索と文献レビュー:関連する研究を見つけ、それを批判的に論じること。
- 文書資料:データとして分析される文書。
- 研究におけるソーシャルメディア:データの源であり、データ収集の手段でもあるオンラインのプラットフォーム。
第9〜14章
- 質問紙、インタビュー、観察:新しい証拠を集めるための主な方法。
- 日記、記録、クリティカル・インシデント:参加者が記録するもの。
- 解釈と報告:証拠から結果へ、そして報告書へと進むこと。
批判的分析
長所
- 学生のプロジェクトに沿った構成。 章の順序は、初めて研究をする人が実際に行うことに沿っている。学生は卒業論文や課題の各段階で、該当する章を読むことができる。
- 省察的で実践的。 各章には助言を読者自身の研究に当てはめる省察の問いがあり、出版社は自己省察の演習、キーターム、用語集を挙げている。出版社のページにあるクリスティーナ・クーパー(ノーサンブリア大学)の推薦文は、本書が理論的知識と実践的な技能を事例、具体例、省察と組み合わせ、読みやすい一冊にまとめていると述べている。
- 新しい資料への目配り。 ソーシャルメディアに一章を充て、ブログを含む章を置いていることは、デジタルな研究手法を更新したという出版社の説明を反映している。同じく出版社に引用されたスティーブン・ガスコイン(ウォーリック大学)は、この版が以前の版の構成と語り口を保ちつつ、本文と例を最新のものにしていると述べている。
- 具体的な作業ごとの短い章。 文献に関する作業は三章に、データ収集は五章に分かれているので、それぞれを単独で課題にできる。
短所
- 分析の扱いが限られる。 解釈と報告は一つの章にまとめられている。統計分析や体系的な質的コーディングについての章はないので、それらに依拠するプロジェクトの学生は別の教科書が必要になる。
- 小規模な方法が中心。 方法の章は質問紙、インタビュー、参加者の記録、観察、文書を扱う。実験や準実験のデザイン、より大規模な混合研究法のデザインには独立した章がない。
- 方法論の教科書ではなく、最初の一冊。 書名と出版社の説明は、初めて研究をする人を対象としている。研究の哲学や詳細なデザインの選択が必要な読者は、より本格的な教科書に進むべきである。
コースにおける位置づけ
ベル、ウォーターズ、ジョンソンの本は、教育研究法のコースにある二冊の短い入門ガイドの一つである。もう一冊はゲアリー・トマスの How to Do Your Research Project で、これも教育学と社会科学の学部生や修士課程の学生向けに書かれ、実際のプロジェクトの段階に沿って構成されている。学生にはたいていどちらか一冊で足りる。どちらを先に読んでもよく、もう一冊は文献レビューのような難しい段階について別の視点を得るのに使える。
コースの他の本は、それぞれ特定の方向にさらに踏み込んでいる。クレスウェルとゲターマンの Educational Research は、量的、質的、混合研究法のデザインを一つの枠組みで扱い、注釈付きの既発表研究を用いる段階的な教科書である。より充実したデザインと分析を必要とする学生にとって自然な次の一歩となる。コーエン、マニオン、モリソンの Research Methods in Education は、研究の哲学、デザイン、調査道具、分析を扱う大部の参考書である。ティスデル、メリアム、スタッキー=ペイロットの Qualitative Research は、質的研究のデザインについての大学院レベルのガイドである。マーネインとウィレットの Methods Matter は、因果に関する問いと実験・準実験デザインを扱う大学院レベルの教科書で、本書が扱わない領域をカバーしている。
本書の使い方
本書は、小規模な研究プロジェクトに初めて取り組むすべての人を想定している。卒業論文を書く学部生、修士課程の学生、職場での調査を行う教師やその他の専門職である。研究方法についての予備知識は前提とされていない。
- 始める前に: 第1〜3章を順に読む。データ収集を計画する前に、研究課題の草案を作り、その倫理的な側面を検討する。
- 文献の段階: 初日から第4章に基づいて引用文献の管理方法を整える。その後、文献を検索し文献レビューを書く間、第5〜6章を使う。
- 方法の選択: 方法の章と並行して第2章を読み直す。ただし、プロジェクトで使う一つか二つの方法(第7〜12章)だけをじっくり学び、残りは選択が十分な情報に基づくものになるよう、ざっと目を通す。
- 仕上げ: データ収集が終わる前に第13〜14章を読み、分析と執筆を場当たり的にではなく計画的に進める。
省察の問いは読み飛ばさず、自分のプロジェクトについて答えること。これが本書の主な演習である。質問紙やインタビューの項目は、使う前に予備調査で試すこと。所属機関の倫理審査の手続きを第3章と照らし合わせること。プロジェクトに統計や本格的な質的コーディングが含まれる場合は、コースの中のより本格的な教科書から該当する章を加えるとよい。
