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Stem Cells: A Very Short Introduction(幹細胞:超短篇入門) cover

生体医工学

生体医工学

Stem Cells: A Very Short Introduction(幹細胞:超短篇入門)

Jonathan Slack

英語原題: Stem Cells: A Very Short Introduction

発生生物学者による、幹細胞とそれに基づく再生医療についての簡潔で信頼できる解説。幹細胞とは何か、胚性幹細胞、人工多能性幹細胞、組織幹細胞の違い、すでに有効な治療法と実験段階にとどまるもの、そして幹細胞治療に関する多くの主張がなぜ非現実的なのかを説明する。

前提知識: 高校程度の生物学以外に予備知識は不要。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Slack, J. (2021). Stem Cells: A Very Short Introduction (2nd ed.). Oxford University Press.

章の要約

第2版は、オックスフォード大学出版局の Very Short Introductions シリーズの一冊で、約160ページのポケットサイズの本である。序文、全7章、用語集、文献案内、索引からなる。著者は発生生物学と幹細胞生物学の研究者で、バース大学とミネソタ大学の名誉教授であり、2007年から2013年までミネソタ大学幹細胞研究所の所長を務めた。著書には Essential Developmental Biology や The Science of Stem Cells などがある。出版社は本書を一つの緊張関係から説明している。科学的理解は進んだが、臨床応用はまだ揺籃期にあり、現在実際に行われている幹細胞治療の大部分は何らかの形の骨髄移植である。その一方で、民間のクリニックが根拠の乏しい治療を販売しており、それはよくて無効、悪ければ有害である。

各章は明快な計画に沿っている。総論の章のあと、多能性幹細胞(細胞についての2章と治療についての1章)、続いて組織幹細胞(細胞についての1章と治療についての1章)を扱い、何が期待でき何が期待できないかで終わる。第1版(2012年)も同じ7章構成だったが、第2版では章題が書き改められ、多能性幹細胞による治療の章は「多能性幹細胞を用いた治療の可能性」から、単に「多能性幹細胞を用いた治療」となった。

第1章:幹細胞とは何か

全体を方向づける章。出版社の要約によれば、本書は幹細胞の性質と科学者がそれを使って何をしているかを説明する。この章では、その概念と、本書の残りの部分で区別されるさまざまな種類の幹細胞が導入される。

第2–3章:胚性幹細胞/個人化された多能性幹細胞

2種類の多能性細胞を扱う。胚に由来するものと、「個人化された」多能性幹細胞である。後者は、章題が示すとおり、胚から取り出すのではなく個々の患者に合わせたものである。両者を別の章に分けることで、それぞれの由来と、それぞれが提起する問題を個別に扱うことができる。

第4章:多能性幹細胞を用いた治療

多能性幹細胞から得られた細胞にもとづく治療。出版社の紹介文は、本書が幹細胞治療の対象として論じる疾患として、網膜変性、糖尿病、パーキンソン病、心疾患、脊髄損傷を挙げている。

第5–6章:組織幹細胞/組織幹細胞を用いた治療

成体の組織を維持する幹細胞と、それにもとづく治療。出版社によれば、実際に用いられている主要な幹細胞治療とされる骨髄移植が論じられるのはここであり、失明や重度の熱傷に対するその他の現行の治療も扱われる。

第7章:期待――現実的なものと非現実的なもの

締めくくりの章。出版社によれば、本書は偽の幹細胞治療に警鐘を鳴らし、本物の治療と偽物を見分ける方法を説明し、今後数年に起こりうる進展を展望している。

主要概念

第1章:幹細胞とは何か

  • 幹細胞:本書が種類に分ける前に定義する一般的な概念。

第2–4章:多能性幹細胞

  • 胚性幹細胞:初期胚に由来する多能性細胞。
  • 個人化された多能性幹細胞:胚に由来するのではなく、個人に合わせた多能性細胞。
  • 多能性細胞による治療:多能性幹細胞から得られた細胞による治療で、網膜変性、糖尿病、パーキンソン病などについて論じられる。

第5–6章:組織幹細胞

  • 組織幹細胞:成体の特定の組織にある幹細胞。
  • 骨髄移植:確立された幹細胞治療であり、新しい治療を評価する基準となるもの。

第7章:期待

  • 未承認の幹細胞クリニック:十分な科学的根拠なしに治療を販売する民間の提供者と、それを本物の治療から見分ける方法。

批判的分析

長所

  • 専門家による執筆。 著者は発生生物学の知見と、大学の幹細胞研究所を率いた経験をあわせもつ。このシリーズは、専門家の見方を短い紙幅で伝えるように作られている。
  • 明快で対称的な構成。 二つの主要な種類の幹細胞それぞれについて、まず細胞、次に治療という順序をとるので、生物学と臨床上の主張を切り離して考えやすく、どの治療がどの種類の細胞にもとづくかが見えやすい。
  • 臨床についての現実的な姿勢。 本書が重点を置くのは、現在うまくいっているもの(何より骨髄移植)、まだ実験段階のもの、そして未承認の治療の見分け方である。そのため、再生医療についての楽観的すぎる説明への有用な補正となる。
  • 改訂版。 第2版は2012年版の改訂であり、出版社によれば、最新の科学的進展とその後数年に予想される進展を扱っている。

短所

  • 短く、技術的ではない。 一般読者向けの約160ページの本なので、概念の紹介にとどまり、組織工学の授業で必要な実験や工学の詳細は扱わない。足場、生体材料、バイオリアクターは章題に現れない。
  • 時間とともに古くなる。 幹細胞の臨床研究は進展が速い。本書の展望は2021年時点のものなので、その予測は最新の臨床試験の結果と照らし合わせる必要がある。
  • 書評による裏づけが少ない。 Teaching Philosophy(2022年)の書評を除き、この版についての公刊された評価は見当たらない。

コースにおける位置づけ

このコースでは、スラックの本が細胞の生物学を担い、他の本はその細胞から組織を工学的に作ることを扱う。ラヴィ・バーラの Introduction to Tissue Engineering は工学寄りの最初の教科書で、その第2章は組織工学のための細胞を扱い、胚性幹細胞、人工多能性幹細胞、成体幹細胞を数節で紹介している。その章の前か並行してスラックを読むと、生物学的・臨床的な全体像がより豊かになる。また、スラックの第7章は、どの分野の教科書にもありがちな楽観主義への有益な歯止めとなる。

ファン・ブリッタースワイクとデ・ブールの Tissue Engineering は多著者による編著の教科書で、第1部で幹細胞と細胞シグナル伝達をより詳しく扱ったあと、生体材料、足場、バイオリアクターへと進む。ランザらの Principles of Tissue Engineering は大部の参考書である。イオアニス・ヤナスの Tissue and Organ Regeneration in Adults は、皮膚と神経をもとに、適切な鋳型が再生を誘導しうると論じ、足場の側から再生に迫る。スラックの後に読むと、細胞にもとづく道と足場にもとづく道という、同じ臨床目標への二つの異なる道筋が見えてくる。

本書の使い方

本書は、組織工学や再生医療の授業を始めようとしている学生、自分の構造体に使う細胞がどこから来るのかを知る必要がある工学系の学生、そしてニュースやクリニックの広告を判断しようとする一般読者に向いている。高校レベルの生物学で十分である。

実践的な計画:

  • 通読する。 約160ページなので2、3回で読み終えられ、章は互いに積み重なっていくので、順に読むのがよい。
  • 組織工学の授業での中核: 各種の幹細胞の生物学を扱う第1–3章と第5章。用語は用語集で確認し、バーラの第2章やファン・ブリッタースワイクとデ・ブールの幹細胞の章が専門的になったときにこれらの章に戻るとよい。
  • 治療の章: 第4章と第6章は、それぞれの種類の幹細胞が実際にどこまで臨床に到達したかを示す。言及される疾患ごとに、提案されている細胞の種類、到達した段階、主な障害を短くメモし、最近の臨床試験の報告と比べるとよい。
  • 第7章は、主張を評価する方法についてのゼミの土台に適している。その基準を、幹細胞治療についての最近の広告やニュースに当てはめてみるとよい。

本書の先に進むには文献案内を使い、分野は2021年以降も進んでいるので、臨床上の主張はより新しい資料で確認すること。