01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Jacobs, J. (1992). The Death and Life of Great American Cities. Vintage Books.(初版1961年)
章の要約
本書は序論と四つの部にまたがる22章と索引からなり、Vintage 版は約450ページである。出版社は、これを20世紀の都市計画の近視眼と知的な傲慢さに対する、率直で根本的に楽観的な告発と述べ、何が街路を安全にし、あるいは危険にするのか、近隣とは何であり都市というより大きな有機体の中でどんな機能を果たすのか、なぜ一部の近隣は貧しいままで他は自ら再生するのか、を論じる本だと説明している。以下の記述は章題に沿うにとどめる。
第1章:Introduction(序論)
最初の章は本書の主題、すなわち都市がどのように機能するかと、出版社が本書の告発対象と述べる計画のアプローチを導入する。
第1部 The Peculiar Nature of Cities(都市の特異な性質)(第2〜6章):The Uses of Sidewalks: Safety(歩道の用途:安全);The Uses of Sidewalks: Contact(歩道の用途:接触);The Uses of Sidewalks: Assimilating Children(歩道の用途:子どもの同化);The Uses of Neighborhoods(近隣の用途);The Uses of City Neighborhoods(都市の近隣の用途)
第1部は、歩道と近隣が果たす機能を軸に組み立てられる。三つの章が歩道を順に、安全、人々の接触、子どもの同化という観点から扱い、二つの章が近隣を検討する。出版社が挙げる、何が街路を安全または危険にするか、都市における近隣の役割という論点は、この部に属する。
第2部 The Conditions for City Diversity(都市の多様性の条件)(第7〜12章):The Generators of Diversity(多様性の生成装置);The Need for Primary Mixed Uses(主要な混合用途の必要);The Need for Small Blocks(小さな街区の必要);The Need for Aged Buildings(古い建物の必要);The Need for Concentration(集中の必要);Some Myths About Diversity(多様性についての神話)
この部は、多様な都市地区を生むものについての本書の中心的な主張である。多様性の生成装置の章のあと、四つの章がそれぞれ条件を挙げる。混合した主要用途、小さな街区、年代の異なる建物、人の集中である。最後の章は多様性にまつわる神話を扱う。
第3部 Forces of Decline and Regeneration(衰退と再生の力)(第13〜16章):The Self-Destruction of Diversity(多様性の自己破壊);The Curse of Border Vacuums(境界の空白の呪い);Unslumming and Slumming(スラムからの脱却とスラム化);Gradual Money and Cataclysmic Money(漸進的な資金と激変的な資金)
第3部は条件から時間的な変化へ移る。成功した多様性がいかに自らを損なうか、地区がいかに衰退し、あるいは再生するか、そして資金の役割(漸進的なものと激変的なものの区別)である。なぜ一部の近隣は貧しいままで、他は再生するのかという出版社の問いと対応している。
第4部 Different Tactics(異なる戦術)(第17〜22章):Subsidizing Dwellings(住宅への補助);Erosion of Cities or Attrition of Automobiles(都市の侵食か自動車の減少か);Visual Order: Its Limitations and Possibilities(視覚的秩序:その限界と可能性);Salvaging Projects(プロジェクトの救済);Governing and Planning Districts(地区の統治と計画);The Kind of Problem a City Is(都市という問題の種類)
最後の部は実践に向かう。住宅への補助、自動車の役割、視覚的秩序、失敗したプロジェクトの救済、地区の統治と計画である。最終章「都市という問題の種類」で本書は閉じられる。
主要概念
第1部(第2〜6章)
- 歩道の用途:歩道は安全、人々の接触、子どもの同化に役立つ。
- 近隣:より大きな都市の中で機能を持つ単位。
第2部(第7〜12章)
- 多様性の生成装置:多様な都市生活を生み出す特徴。
- 主要な混合用途、小さな街区、古い建物、集中:章題に示された四つの条件。
第3〜4部(第13〜22章)
- 境界の空白:境界地域の問題で、第14章の題名に挙げられている。
- 漸進的な資金と激変的な資金:第16章の題名で区別される二種類の資金。
- スラムからの脱却:衰退した地区の再生。
- 都市という問題の種類:都市がどんな種類の問題を示すのかという、結びの問い。
批判的分析
長所
- 明快な構成。 四つの部は、歩道と近隣の働き、多様性を支える条件、衰退と再生、実践的な戦術へと進むので、読者は一つの議論を追える。
- 章題に示された条件。 第2部の四つの条件が直接名指しされており、中心的な主張を見つけ、議論しやすい。
- 具体的な分析単位。 題名は歩道、街区、建物、地区に焦点を当てており、日常の都市生活が営まれる物理的・社会的な規模である。
- 影響力。 出版社は、本書が1961年の初版以来、都市計画の取り組みを測る基準であり続けていると述べている。
短所
- 教科書ではなく計画批判の書。 出版社は計画への告発と呼んでおり、都市理論の概説ではなく、目次には章の要約や演習も見当たらない。
- 時代の制約。 初版は1961年で、題名と出版社の紹介は当時のアメリカの都市を指している。グローバル化や郊外化など、その後の都市の変化には他の資料が必要である。
- 目次の根拠は題名レベル。 ここで得られるのは章題だけなので、各章の証拠や事例は本そのもので読む必要がある。
コースにおける位置づけ
都市社会学のコースでは、Jacobs は概説ではなく、議論として読む一次資料の古典である。Parker の Urban Theory and the Urban Experience は都市理論の主要な伝統への学生向け入門で、Jacobs を他のアプローチの中に位置づける助けになる。Gottdiener、Hohle、King の The New Urban Sociology は社会空間的視点を軸にした教科書、Lin と Mele の The Urban Sociology Reader は編者の解説付きで古典と現代の文章を集めたものである。
Sampson の Great American City と Sassen の The Global City は、後の、より専門的な著作である。Sampson はシカゴの近隣効果、Sassen はニューヨーク、ロンドン、東京への中枢機能の集中を扱う。先に Jacobs を読むと、これらが異なる証拠で取り組む近隣と都市についての問いが見えてくる。
本書の使い方
一般読者向けに書かれ、社会学や計画学の訓練を前提としない。1年生にも、計画やデザインの読者にも向く。
実践的な進め方は次のとおり。
- 中核: 歩道、近隣、多様性の条件についての主要な議論が示される第1部と第2部(第2〜12章)。
- 次に: 地区の衰退と再生を扱う第3部(第13〜16章)、実践的帰結を扱う第4部(第17〜22章)。最後は第22章。
- 時間が限られるなら: 第1章、四つの条件の章(第8〜11章)、第22章を読む。
- 併読: 理論的文脈のために Parker と組み合わせ、自分が知っている近隣でその主張を検証する。
