01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Giddens, A. (1986). The Constitution of Society: Outline of the Theory of Structuration. Polity. (First published 1984.)
章の要約
本書は序文、略語表、序論、六つの章、用語集、文献一覧、索引からなり、約400ページ。ギデンズによる構造化理論の包括的な提示である。カリフォルニア大学出版局は、これを従来の著作で触れられてきた考えの総合と精緻化であり、初めて統合された形で提示されたものだと説明し、抽象的な理論上の問題を、社会科学における経験的方法の性質の解釈に結びつけることに特に関心があるとしている。いくつかの章は、他者の研究への「批判的ノート」で終わる。
序論
序論が本書の幕を開ける。出版局によれば、ギデンズは自らの立場を示すと同時に、より正統的な社会学の見解のいくつかに批判を加える。
第1章:構造化理論の諸要素
理論の中核となる叙述。節の見出しは、行為者と行為能力、行為能力と権力、構造と構造化、構造の二重性、制度の諸形態、時間・身体・出会いを順に取り上げる。この章が本書の残りで使われる語彙の大部分を提供するので、出発点となる。
第2章:意識、自己、社会的出会い
第2章は個人と日常的相互行為を検討する。節は、再帰性と言説的意識・実践的意識、無意識、時間と記憶、エリクソンの不安と信頼、ルーティン化と動機づけ、社会統合における現前と共現前、ゴフマンの出会いとルーティン、連続性、会話、位置づけ、そしてフロイトと言い間違いに関する批判的ノートを順に扱う。
第3章:時間、空間、地域化
第3章は時間と空間の次元を社会理論に導入する。節には、時間地理学とそれへの批判的コメント、地域化の様式が含まれる。
第4章:構造、システム、社会的再生産
題名は構造、システム、社会的再生産という三つの概念を挙げており、行為者、相互行為、時間と空間をめぐる章のあとに置かれている。
第5章:変動、進化、権力
題名が示すとおり、この章は変動と進化を権力とともに取り上げる。
第6章:構造化理論、経験的研究、社会批判
最終章の題名は、理論、経験的研究、社会批判の関係を示しており、ギデンズが経験的方法の性質に関心を寄せているという出版局の言葉と一致する。用語集が続く。
主要概念
第1〜3章
- 行為能力と権力:第1章の隣り合う節で扱われる二つの主題。
- 構造の二重性:構造は、それが組織する実践の媒体であると同時に、その帰結でもある。
- 言説的意識と実践的意識:第2章の再帰性の節に出てくる一対の用語。
- ルーティン化:日常的実践の反復で、動機づけ、信頼、出会いとともに論じられる。
- 時間地理学と地域化:第3章の主題で、時間と空間を理論に取り込む。
第4〜6章
- 構造、システム、社会的再生産:第4章の題名にある三つの用語。
- 変動、進化、権力:第5章の話題。
- 経験的研究と社会批判:第6章における理論、研究、批判の関係。
批判的分析
長所
- 著者自身による完全な提示。 出版局は、これが他の著作に散らばっていた立場の統合的で包括的な提示であり、現代社会理論の基本問題に関心を持つ人にとって貴重な参考書だと強調している。
- 評者たちの判断。 マーク・ポスターは、過去10年の英語圏で最も重要な壮大な社会学理論になると予想した。リチャード・バーンスタインは、パーソンズやハーバーマスの主要な著作と並ぶだろうと書いた。デニス・ロングは『Times Higher Education Supplement』で、その簡潔で職人的な質を称賛し、読む楽しみがあると述べた。
- 理論と研究の結びつき。 出版局は、ギデンズが抽象的な問題を経験的方法の性質に結びつけようとしている点を挙げており、第6章は研究と批判に充てられている。
- 学習の助け。 用語集があり、初めの数章では節見出しが議論を細かく区切っているので、特定の主題の扱いをすぐ見つけられる。
短所
- 章数は少なく、内容は濃い。 六つの章が議論全体を担っており、節の一覧は各章の内容の多さを示している。入門書から来た読者には骨が折れる。
- 理論的背景が必要。 第2章だけでもエリクソン、ゴフマン、フロイトを順に扱うため、社会理論に不慣れな読者が知らないかもしれない出典の間を速く移動する。
- 概説であり事例研究ではない。 書名は理論の概要であることを示し、目次には、経験的研究を長く展開する章は見当たらない。応用を知りたければ別の資料が必要になる。
コースにおける位置づけ
現代理論のリストの中で、本書は理論家本人による原典である。エリオットの『Contemporary Social Theory』、バートとダ・シルヴァの『Social Theory in the Twentieth Century and Beyond』、ストーンズの『Key Sociological Thinkers』は近年の理論と理論家の概説で、原典の前に読むのに適している。『Contemporary Sociological Theory』は選録集である。
ブルデューの『Distinction』は、リストにあるもう一つの原典であり、よい対照になる。フランスの趣味についての大規模な経験的研究から理論を組み立てるのに対し、ギデンズは一般的な概要を示し、第6章で研究との関係を論じる。本書の前に、概説書のいずれかで構造化理論の見取り図を得てから、第1章、その後に残りを読むとよい。
本書の使い方
古典理論と、機能主義、相互行為論、構造主義をめぐる20世紀中葉の議論を知っている大学院生と上級学部生向けである。現代理論の概説書を一冊読んでいれば準備として十分である。
進め方の例。序論と第1章をゆっくり読み、用語集を参照しながら進める。そのあと、個人と相互行為に関心があれば第2章、空間と時間なら第3章、制度、再生産、変動なら第4〜5章を読む。第6章は、理論を研究と批判に結びつけているため、経験的研究を計画している学生にとって最も重要である。各用語の定義を記録しておくこと。後の章は初めの定義に依拠している。
