01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Craib, I. (1997). Classical Social Theory: An Introduction to the Thought of Marx, Weber, Durkheim, and Simmel. Oxford University Press.
章の要約
本文は約300ページで、その後に「Dramatis Personae」(アドルノ、アルチュセールからヴィットフォーゲルまで、アルファベット順の31人の思想家の簡単な紹介)、用語集、参考文献、索引が続く。出版社の説明によれば、本書は四人の理論家を体系的に比較できる主題別の構成をとり、同時に各思想家の主要テクストを一冊ずつ丁寧に取り上げ、重要な箇所を引用して分析する。以下の目次は出版社の目次に従っており、章番号ではなく題名とページ位置で示す。前付には章ごとの要約と囲み記事の一覧がある。
What's the Point? と The Main Characters and the Main Ideas(1〜62ページ)
冒頭では、古典理論を学ぶ意味を説明し、詳しい検討に入る前に四人の思想家と中心的な考え方を紹介する。続いて、目次に「Durkheim: the discovery of social facts」「Karl Marx: the primacy of production」「Max Weber: the primacy of social action」「Georg Simmel: society as form and process - the outsider's view」と題された四つの短い人物像がある。それぞれ約10ページで、一つの組織的な着想を軸に各思想家を描く。
第一巡:デュルケーム、マルクス、ウェーバー、ジンメル(63〜186ページ)
最初の本格的な検討では四人を順に取り上げる。「Durkheim: drunk and orderly」(63ページ)、「Was Marx a Marxist?」(86ページ)、「The liberal Weber」(119ページ)、「Simmel: the social and the personal」(146ページ)である。題名からは、各思想家が特定の角度から論じられていること(マルクスとマルクス主義の関係を問う問いや、ウェーバーを自由主義者として捉える見方など)がわかる。評者のFelice Dassettoは、本書の繰り返し現れる三つの主題を、社会観とそれを研究するためのパラダイム、社会構造の分析、歴史と社会変動だとしている。
第二巡:デュルケーム、マルクス、ウェーバー、ジンメル(187〜264ページ)
同じ順序が別の焦点で繰り返される。「Durkheim's organic analogy」(187ページ)、「Marx and the meaning of history」(204ページ)、「Weber as a tragic liberal: the rise of the West」(232ページ)、「Simmel: countering an overdose of history?」(261ページ)である。この巡の題名は歴史、意味、西洋の興隆に言及しており、各思想家の歴史的変化についての説明が示される部分だと考えられる。
結論:The Framework of Social Theory(265ページ)
数ページの結びの節で、社会理論の枠組みという見出しのもとに比較をまとめ、そのあとに Dramatis Personae、用語集、参考文献が続く。
主要概念
導入の人物像(25〜62ページ)
- 社会的事実:デュルケームの用語で、目次では彼の「発見」とされる。社会生活の特徴を、それ自体として研究できる対象とみなす考え方である。
- 生産の優位:マルクスの題名に付された考え方で、社会生活をまず人々がどう生産するかから理解する。
- 社会的行為の優位:ウェーバーに対応する組織的な着想で、個人が意味をもって行うことから出発する。
- 形式と過程としての社会:ジンメルの人物像にある考え方で、集団の周縁にいる者の視点である「よそ者の見方」が加わる。
比較の二巡(63〜264ページ)
- 有機的類推:社会を生命体になぞらえる比較で、Craibはデュルケームに関連して論じる。
- 歴史の意味:マルクスが歴史の発展に方向を見いだすのか、どう見いだすのかという問い。
- 悲劇的な自由主義者:ウェーバーに与えられた形容で、目次では「西洋の興隆」と結びついている。
批判的分析
長所
- 体系的な比較。 四人の思想家が並行する巡で扱われ、同じ主題が戻ってくるため、読者は論点ごとに比較できる。Dassettoは、この並行的な扱いと、議論の流れを追いやすくする章ごとの要約や図を評価した。
- テクストへの注意。 出版社によれば、本書は各思想家の主要テクストを取り上げ、重要な箇所を引用するため、読者は言い換えだけでなく思想家自身の言葉に触れられる。
- 学生に配慮した参考資料。 Dramatis Personae と用語集が他の思想家や用語を短く説明するので、ヘーゲル、コント、スペンサーを初めて目にする読者にも手がかりがある。Dassettoは、概念の分析的な索引も有用だと述べている。
- 読みやすいという評価。 公刊された書評は明快さを強調している。Talja Blokland(The European Legacy 5(2), 2000)は、本書が思想家の考えを生き生きと示し、なぜそれが重要かを教えてくれると書き、出版社が引用する教員Malcolm Williamsは、理論を苦手とする学生向けの良い中心テクストだとした。
短所
- 四人だけ。 範囲は副題で決まっている。スペンサーやミードなどは取り上げられず Dramatis Personae に載るにとどまり、マーティノー、デュボイス、ギルマンのような書き手は Dramatis Personae にも登場しない。
- 思想家が本全体に分散する。 主題別の構成のため、一人の思想家の議論全体を知りたい読者は、何十ページも離れた節の間を行き来しなければならない。
- 古さ。 本書は1997年のもので、調べた資料には後の版が載っていないため、古典の正典に関するその後の研究は反映されていない。
コースにおける位置づけ
古典理論のリストの中で、Craibの本は四人の思想家へのコンパクトな最初の案内であり、一次文献の前か並行して読むのに向く。Allan と Daynesの Explorations in Classical Sociological Theory は、スペンサー、ミード、マーティノー、デュボイスらを加えたより広い範囲を、より会話的で教育的な教科書形式で扱う。ギデンズの Capitalism and Modern Social Theory もマルクス、デュルケーム、ウェーバーを比較するが、三者の通説的な読みに異議を唱える比較分析であり、本書のような最初の概観を得てからの読者に向く。
リスト中の一次文献、デュルケームの The Division of Labor in Society とウェーバーの The Protestant Ethic は、Craibの本が準備するものである。論集 Classical Sociological Theory は、彼の本文が論じる原典の抜粋を提供する。コミュニティ、権威、地位、聖なるもの、疎外という観念を軸に組み立てられたNisbetの The Sociological Tradition は、同じ時代への別の、観念中心の入り口である。
本書の使い方
本書は古典理論に初めて触れる読者向けである。サイトは前提知識を挙げておらず、出版社自身も、この分野が初めての人のための案内書だと述べている。出版社が引く評者は、学部生と、古典理論の予備訓練のない大学院生に適していると見ている。
実践的な進め方:まず導入部と四つの短い人物像(1〜62ページ)で語彙をつかむ。そのあとは巡ごとではなく、一人の思想家をその二つの節で追うこともできる(たとえばマルクスなら86ページと204ページ)。最後に265ページの結論で締める。知らない名前や用語が出たら Dramatis Personae と用語集を使い、各節の前後に章の要約を読む。本書と並行して、各思想家の短い一次文献、たとえばコースのリストにあるデュルケームやウェーバーの著作を読むと、Craibの引用を全体の議論と照らして確かめられる。
