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Capitalism: A Very Short Introduction(資本主義――ベリー・ショート・イントロダクション) cover

政治学

政治学

Capitalism: A Very Short Introduction(資本主義――ベリー・ショート・イントロダクション)

James Fulcher

英語原題: Capitalism: A Very Short Introduction

経済学の素養のない読者に向けて社会学者が書いた、経済的・社会的システムとしての資本主義の短い入門書。ジェイムズ・フルチャーは資本とは何かを問い、歴史上の事例研究を通じて資本主義の発展をたどり、国ごとに異なるその形態を比較したうえで、資本主義が国民国家の枠を超えたのか、そして代替案は存在するのかを考える。

前提知識: 経済学や政治学を学んだ経験は必要ない。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Fulcher, J. (2015). Capitalism: A Very Short Introduction (2nd ed.). Oxford University Press.

章の要約

本書はオックスフォード大学出版局の「Very Short Introductions」シリーズの一冊で、約160ページのポケットサイズ、全6章に参考文献、読書案内、索引が付く。出版社の紹介によれば、社会学的方法と歴史的方法を組み合わせており、各章の題は問いの形をとっている。そのため読者は、定義から歴史、比較、グローバル化、代替案へと順に導かれる。第2版では、2007〜08年に始まった世界金融危機のケーススタディが加わった。

第1章:資本主義とは何か

出版社がまず掲げる問い、すなわち資本とは何か、したがって経済が資本主義的であるとはどういうことかを扱う。以降のケーススタディのための基本的な語彙を定める章である。

第2章:それはどこから来たのか

資本主義の起源。出版社の説明では、この歴史は詳細なケーススタディを通じて語られ、17世紀オランダのチューリップ狂時代がその一例として挙げられている。

第3章:私たちはどのようにしてここに至ったのか

その後の数世紀における資本主義の発展。出版社が挙げる事例には1930年代の大恐慌があり、資本主義経済がどのように崩れ、どのように作り替えられたかを知るにはこの章が手がかりになる。

第4章:資本主義はどこでも同じか

資本主義が取る諸形態の比較。出版社によれば、取り上げられる国はイギリス、日本、スウェーデン、アメリカである。

第5章:資本主義はグローバル化したのか

資本主義は国民国家を超えたのかという問い。紹介文では、国別の比較のすぐ後にこの問いが置かれている。

第6章:危機? 何の危機か

最終章。紹介文は、今版の新しい内容である2007〜08年の金融危機が本書に含まれるとし、本書は資本主義に代わるものがあるかを問い、社会主義、共同体的・協同組合的な試み、環境主義者の提案を検討して終わる、と述べる。出版社の紹介は、これらがどの章に属するかまでは示していないため、第5章と第6章の正確な区分は本書で確かめるのがよい。

主要概念

第1〜2章:定義と起源

  • 資本:本書の出発点となる問い「資本とは何か」。資本主義の定義はこれに基づく。
  • 事例による歴史:資本主義の発展は、抽象的な単一のモデルではなく、詳細な歴史的事例を通して示される。

第3〜4章:歴史と国ごとの違い

  • 大恐慌:紹介文が挙げる歴史的事例の一つ。
  • 資本主義の諸形態:第4章の題が示す、資本主義は国によって異なるという見方。イギリス、日本、スウェーデン、アメリカで例示される。

第5〜6章:グローバル化、危機、代替案

  • 国民国家を超える資本主義:資本主義が国境を越えたかどうかという問題。
  • 2007〜08年の金融危機:第2版で加わった事例。
  • 資本主義の代替案:紹介文によれば、社会主義、共同体的・協同組合的な試み、環境主義者の提案。

批判的分析

長所

  • 問いの形の章題。 6章すべてが問いの形をとっているため、論の流れを追って通読することも、各国の資本主義は同じかといった一つの問いだけを拾い読みすることもしやすい。
  • 定義だけでなく歴史と比較がある。 出版社は詳細なケーススタディと4か国の比較を強調している。読者は定義だけでなく考えるための事例を得られ、第2版ではそれが2007〜08年に始まった危機にまで延びている。
  • 非専門家向けの社会学者の視点。 著者は経済学者ではなく社会学者であり、シリーズ自体、不案内な主題に一般読者がすばやく入るためのものとして作られている。
  • 短い。 約160ページで数回で読み通せるため、政治経済学の授業の前に一度目を通すのに向く。

短所

  • 技法を扱う余地が少ない。 この分量では6章のそれぞれが多くを扱わなければならない。目次には形式的な経済モデルやデータ分析、演習は見当たらず、経済学や国際政治経済学の授業の計量的な部分への準備にはならない。
  • 事例は4か国。 出版社の説明では、比較はイギリス、日本、スウェーデン、アメリカに限られる。発展途上国や新興経済、研究文献における比較の枠組みに関心のある読者には、より長い本が必要になる。
  • この版を扱った独立の学術書評は見つからなかった。 上の評価は出版社の説明と目次に基づく。批判的な評価が欲しい読者は、第1版やシリーズ全体の書評を参照するとよい。

コースにおける位置づけ

政治経済学のコースの書目の中では、最も短く、最も総論的な出発点である。資本主義とは何か、どのように成立したかをまず問い、その後に他の本がより具体的な分析枠組みを適用する。Oatley の International Political Economy は、貿易・通貨・開発を扱う入門教科書を求める読者の自然な次の一歩で、基本的な経済モデルと政治分析を組み合わせている。Ben Clift の Comparative Political Economy は、各国の資本主義がどう異なり、どう変わるかという問いを、Fulcher の第4章よりはるかに詳しく扱う教科書である。

原典の議論を読みたい読者には、Hall と Soskice 編の Varieties of Capitalism が自由市場経済と調整市場経済を区別する枠組みを示し、Olson の The Logic of Collective Action は、共通の利益がなぜ自動的には組織化につながらないのかを論じた古典である。Persson と Tabellini の Political Economics は経済理論を政治制度に適用する大学院向けの教科書で、本書の出発点からは大きく離れている。順序としては、まず Fulcher、次に Oatley または Clift、その後に専門書と大学院向けの教科書がよい。

本書の使い方

本書は、経済学や政治学の予備知識がない読者、たとえば1年生、政治経済学や社会学の授業の受講を考えている人、さらに読み進める前に議論の見取り図が欲しい一般読者に向く。目次から見る限り、予備知識が必要な様子はない。

実際的な進め方は次のとおり。

  • 最初の通読。 1週間で6章を順に読む。各章は短く、一連の問いとして組まれているため順序が重要で、第1章の定義と第2〜3章の歴史は全体を通して使われる。
  • 中核。 第1、4、5章が、概念、資本主義は一様でないという見方、グローバル化の問いを与える。資本主義の多様性やグローバル化を扱うゼミの前には、この3章を読み返すとよい。
  • 巻末資料を使う。 読書案内はより長い著作への最も効率的な入口である。全部を読むのではなく、章ごとに関心のある一冊を選ぶ。
  • 併読の仕方。 各章を読み終えたら、章題の問いに著者がどう答えているかを2文で書き、Oatley や Clift といった授業の教科書の対応する章と照らし合わせる。2015年の第2版を読むなら、2007〜08年の危機が前の章の議論をどう変えるかに注意する。
  • 版。 第1版は2004年に出ているので、金融危機の内容が必要なら第2版を使う。