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An Introduction to Error Analysis: The Study of Uncertainties in Physical Measurements(誤差解析入門 物理測定における不確かさの研究) cover

物理学

物理学

An Introduction to Error Analysis: The Study of Uncertainties in Physical Measurements(誤差解析入門 物理測定における不確かさの研究)

John R. Taylor

英語原題: An Introduction to Error Analysis: The Study of Uncertainties in Physical Measurements

最初の実験科目を履修する学生に向けて書かれた、実験測定における不確かさの扱いの入門書です。不確かさの見積もり、報告、伝播と結果の比較の方法を説明したうえで、それらの規則の背後にある統計的な考え方を展開します。第3版では例題と問題が更新されました。

前提知識: 前半は代数と微積分の初歩で十分で、後半ではもう少し微積分を使います。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
error analysismeasurement uncertainty統計学laboratory physics教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Taylor, J. R. (2022). An Introduction to Error Analysis: The Study of Uncertainties in Physical Measurements (3rd ed.). University Science Books.

章の要約

第3版は13の章からなり、ほかに付録(正規誤差積分とカイ二乗の確率を含む)、文献表、索引がある。出版社の説明では、本書は身近な例を用いて、低学年の理系学生に不確かさの研究を紹介する。以下の章題は出版社と図書館目録の記載に従っており、各章の記述はそれらの題と出版社の説明が裏づける範囲にとどめる。

第1–3章:誤差解析の予備的説明;不確かさの報告と利用;不確かさの伝播

冒頭の章は用語と実用的な規則を示す。誤差解析が何のためにあるか、測定結果を不確かさとともにどう述べ、他の結果とどう比べるか、測定量の不確かさがそこから計算される量へどう伝わるかである。

第4–5章:偶然の不確かさの統計的解析;正規分布

ここから本書は規則から統計へ進む。第4章は繰り返し測定の統計的解析を扱い、第5章は多くの不確かさの背後にあるモデルである正規分布を示す。

第6章:データの棄却

測定値をいつ、どのような規則で捨ててよいかを扱う章。ショーヴネの基準は本書の索引に挙がる用語の一つである。

第7–9章:重み付き平均;最小二乗フィッティング;共分散と相関

精度の異なる測定をどう組み合わせるか、最小二乗法でデータに直線や曲線をどう当てはめるか、二つの測定量の関係をどう記述するかを扱う。

第10–12章:二項分布;ポアソン分布;分布に対するカイ二乗検定

古典的な最後の章群は、さらに二つの確率分布と、データが期待される分布とどの程度合うかを調べるカイ二乗検定を紹介する。

第13章:ベイズ統計

この版で新しく加わった章。出版社によれば、ベイズ的な考え方に捧げられた一つの完全な章で、条件付き確率とベイズの定理を導入し、最初の一歩として意図的に簡単な例を用いている。

主要概念

第1–3章:不確かさの報告と伝播

  • 不確かさと最良推定値:結果を述べるときの組み合わせ。
  • 不確かさの伝播:第3章の規則。
  • 相対不確かさ:本書の索引にある用語。

第4–9章:偶然誤差とフィッティング

  • 正規分布:第5章。
  • 重み付き平均:第7章。
  • 最小二乗フィッティング:第8章。
  • 共分散と相関:第9章。

第10–13章:分布と推論

  • 二項分布とポアソン分布:第10章と第11章。
  • カイ二乗検定:第12章。
  • ベイズの定理:第13章。

批判的分析

長所

  • 実践から理論への明快な順序。 各章はまず不確かさの報告、利用、伝播の方法から始め、その後で規則の背後にある統計を展開するため、すぐに規則が必要な実験の学生に向く。
  • 計算環境に合わせた更新。 出版社によれば、この版にはコンピュータで解くことを意図した章末問題が加わり、ほとんどがExcelのような一般的な表計算ソフト向けに書かれている。出版社は、学生が自分で表を組み立てれば、標準偏差、相関係数、正規分布の意味を学べると主張している。
  • ベイズの章。 新しい第13章は、著者が述べるベイズ統計の人気の高まりに応えるもので、例は簡単で、目的は限定されている。
  • 長い実績。 出版社は、本書が40年間ベストセラーの教科書であり、多くの言語に翻訳されたと述べている。

短所

  • ベイズは終盤の1章のみ。 ベイズ的な内容は第13章に限られるので、ベイズ的データ解析を軸にする授業では別の資料が必要になる。
  • 表計算中心の計算。 新しい問題は主に表計算向けに書かれているため、プログラミングによる解析を望む読者は問題を改変するか他の本を使う必要がある。
  • 第三者の評価が少ない。 第3版の学術誌の書評は見つからなかったので、教育効果についての記述は出版社の説明に依拠している。

コースにおける位置づけ

計算物理のリストの中で、Taylor の本は数値計算法の教科書ではなく、測定と統計の併読書である。Newman の Computational Physics と Landau、Páez、Bordeianu の Computational Physics: Problem Solving with Python は物理の問題を通してアルゴリズムとプログラミングを教え、Thijssen の Computational Physics は大学院レベルの研究手法の解説、Press らの Numerical Recipes は動くルーチン付きのアルゴリズム参考書、Kinder と Nelson の A Student's Guide to Python for Physical Modeling は言語そのものを教える。

これらのいずれも実験の不確かさを専門に扱っておらず、それが Taylor の主題である。最初の実験の授業と並行して読むのが最もよく、規則を自分のデータにすぐ適用できる。計算系の教科書の問題がフィッティング、誤差棒、適合度を求めるときは、その前か並行して読む。

本書の使い方

ページのメタデータは、前半は代数と微積分の初歩で足り、後半でもう少し微積分を使うとしている。本書は最初の実験の授業を受ける学生を対象とする。

実践的な進め方は次のとおり。

  • どの実験でも中核: 第1–5章。不確かさの報告と伝播の規則と、その背後の統計を与える。
  • 次に: データのフィッティングでは第7–9章、外れ値の判断では第6章。
  • 確率と検定: 第10–12章、続いてベイズ的な方法を初めて知るために第13章。
  • 学習の順序: 後の章は第4・5章の統計用語を使うので、時間のない読者もフィッティングに早く着くためにこれらを飛ばさないこと。第1–3章だけでは規則は得られても、その根拠は得られない。
  • 演習: 章末問題を解く。計算の問題では、出版社の勧めに従い、組み込み関数に頼らずに表計算を一から組み立てる。第3版には別冊の学生用解答集もある。