01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Schutz, B. F. (2009). A First Course in General Relativity (2nd ed.). Cambridge University Press.
章の要約
本書は12の章と、線形代数をまとめた付録からなり、各章の末尾にはさらに読むための文献と演習問題がある。シュッツは、最初の8章を、特殊相対性理論からテンソル、曲がった多様体を経て場の方程式に至る、多くの教科書に共通する流れだと述べ、最後の4章を、現代天体物理学における重要性から選んだ応用だと述べている。
第1章:特殊相対性理論
幾何学的な観点からの特殊相対性理論の復習である。2つの基本的な公準、慣性観測者、時空図、別の観測者の座標の構成、間隔の不変性、不変な双曲線、ローレンツ変換、速度の合成、パラドックスを扱い、双子のパラドックスを詳しく検討する付録が付く。冒頭では、読者が代数的な初等版の理論をすでに習得しているものと想定すること、そして幾何学的な版を学ぶことが目的であることが述べられている。
第2–3章:特殊相対性理論におけるベクトル解析/特殊相対性理論におけるテンソル解析
第2章は、時空におけるベクトルとベクトル代数を定義し、4元速度、4元運動量、スカラー積、光子を導入する。第3章はテンソルの道具立てを組み立てる。計量テンソル、1形式、より高階のテンソル、ベクトルと1形式の間の写像としての計量、添字の上げ下げ、テンソルの微分である。
第4章:特殊相対性理論における完全流体
この章は、後で必要になる物質の記述を展開する。ダストと数フラックスベクトルから、エネルギー運動量テンソル、一般の流体、完全流体へと進み、これが一般相対性理論にとって持つ重要性についての節と、ガウスの法則についての節で終わる。
第5–6章:曲率への序/曲がった多様体
第5章は重力と曲率の関係を導入し、クリストッフェル記号と非座標基底を含め、極座標でのテンソル代数と微積分を練習する。第6章は本格的な微分幾何学を展開する。微分可能多様体とリーマン多様体、共変微分、平行移動、測地線、曲率テンソル、ビアンキ恒等式、リッチテンソルとアインシュタインテンソルである。
第7–8章:曲がった時空における物理/アインシュタイン方程式
第7章は微分幾何学から重力へと移り、わずかに曲がった時空での物理と保存量を扱う。第8章は場の方程式の目的と正当化を述べ、アインシュタイン方程式を書き下し、弱い重力場とニュートン的な極限を調べる。
第9章:重力放射
応用を扱う章の最初であり、重力波の伝搬、検出、生成、重力波が運び去るエネルギー、そして天体物理学的な波源を扱う。この版で著者は、LIGOや計画中の宇宙望遠鏡LISAなどの干渉計による検出の扱いを拡充している。
第10–11章:星の球対称解/シュヴァルツシルト幾何とブラックホール
第10章は、静的な球対称時空、星の外部と内部の構造、厳密な内部解を導き、現実的な星と重力崩壊で終わる。第11章は、シュヴァルツシルト時空での軌道を追い、r = 2M の面を調べ、一般のブラックホール、天文学における実在のブラックホール、ホーキング過程を扱う。
第12章:宇宙論
第2版のために全面的に書き直され、宇宙定数を含む膨張宇宙を軸に組み立てられている。宇宙論的運動学(膨張の観測)、宇宙論的力学(膨張の理解)、物理的宇宙論(観測される宇宙の進化)を扱う。シュッツはこれを、この分野のほんの味見だと述べている。
主要概念
第1–4章:幾何学的な形の特殊相対性理論
- 間隔の不変性:すべての慣性観測者が一致する時空の隔たりで、幾何学的な見方の基礎になる。
- 4元ベクトル:幾何学的な対象としての4元速度と4元運動量。
- テンソルと1形式:物理法則を座標に依存しない形で担う対象。
- エネルギー運動量テンソル:完全流体のような、重力の源となる物質とエネルギーの記述。
第5–8章:曲がった時空
- 多様体、測地線、平行移動:自由粒子が運動する幾何学的な構造。
- 曲率テンソルとアインシュタインテンソル:計量から作られる曲率の尺度。
- アインシュタイン方程式:時空の曲率とその源の関係で、弱場のニュートン的極限を含む。
第9–12章:応用
- 重力波:伝搬、検出、生成、エネルギー。
- シュヴァルツシルト幾何とブラックホール:球状の質量の外部と r = 2M の地平面。
- 宇宙論モデル:宇宙定数を含む膨張宇宙のモデル。
批判的分析
長所
- 明示された目的とレベル。 序文は、本書が学部レベルで一般相対性理論を提示し、前提を最小限にしつつ内容を薄めないことを目指していると述べ、必要な予備知識をすべて挙げている。
- 幾何学の十分な扱い。 著者は、曲面の類比だけに頼らず微分幾何学を本格的に導入し、そのうえで完全な非線形場の方程式を用いて、平面と球対称の場合に解いている。
- 現代的な応用。 第2版では最後の4章が更新されている。重力波の検出、中性子星とパルサー、ブラックホールの天体物理学的証拠、そして宇宙定数と加速膨張を含む書き直された宇宙論の章である。
- 豊富な演習問題。 出版社は300を超える演習問題があり、その多くが今回の版で新しいと述べている。初版の序文は、選んだ問題を解くことが不可欠だと述べており、30問を超える章がいくつもある。
短所
- 古典論のみ。 著者は、主題は古典的な一般相対性理論であり、ホーキング放射の簡単な議論を除いて量子化には触れないと述べている。
- 数学面は取捨選択がある。 非計量的な多様体論、リー微分、ファイバー束は除かれており、重力波は主に線形近似で研究される。
- 実験的検証は少ない。 著者は、実験的検証や代替理論についての体系的な議論を、従来の教科書ほど重視せず、出てきた箇所で扱うにとどめている。
- 宇宙論は簡潔。 著者は、第12章がインフレーション、暗黒物質、暗黒エネルギーについて天文学者が学んできたことのほんの味見しか与えられないと述べている。
- 解答は本に載っていない。 演習問題の解答は第2版から削除され、本のウェブサイトで提供されている。出版社は教員向けの解答がパスワードで保護されていると述べており、独習者は入手できない場合がある。
コースにおける位置づけ
シュッツは学部レベルの一般相対性理論の最初のコースであり、このコースの書籍リストでは特殊相対性理論の後に位置する。Taylor と Wheeler の Spacetime Physics は、時空間隔を土台にした特殊相対性理論の短い入門で、シュッツの第1章が復習する幾何学的な考え方を与えてくれる。Krane の Modern Physics と Thornton、Rex、Hood の Modern Physics for Scientists and Engineers は、2年次レベルで特殊相対性理論と量子物理学を扱い(Thornton らは一般相対性理論と宇宙論の章で終わる)、OpenStax の University Physics Volume 3 は、微積分を用いる無料の教科書の中で特殊相対性理論を紹介する。Sean Carroll の Spacetime and Geometry は、多様体と曲率を丁寧に展開してから重力に進み、曲がった時空での場の量子論にまで進む大学院レベルの代替であり、シュッツは同じ領域へのより穏やかな道で、その準備にもなる。
本書の使い方
序文は想定される予備知識を挙げている。ローレンツ変換と相対論的力学を含む特殊相対性理論、ユークリッド空間のベクトル解析、常微分方程式と簡単な偏微分方程式、熱力学と流体静力学、ニュートン重力、そして光子が何かを知るのに十分な量子力学である。著者は、本書を1年間の講義で順に読み通すように設計し、短縮もできると述べている。
実践的な進め方は次のとおりである。
- 中核: 第1–8章を順に。各章が前の章の上に築かれているためで、演習は全体を通して解くこと。著者は、初期の章の易しい問題と中程度の問題が、それなしでは後の章がはるかにわかりにくくなる練習になると述べている。
- 選択する応用: 第9章(重力波)、第10–11章(星とブラックホール)、第12章(宇宙論)。序文は、半年の講義であれば、第1–3章の一部と第4、7、10章の大半を飛ばして重力波とブラックホールを目標にするか、最初の4章を素早く通り抜けて第9章と第11章を飛ばし、星の構造と宇宙論を目標にすることを提案している。
- 併読: 各章末のさらに読むための文献を利用する。第2版には演習問題の解答が印刷されていないため、独習者は他の人と、あるいは本のウェブサイトを通じて答えを確認する必要があるかもしれない。
