01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Gnädig, P., Honyek, G., & Riley, K. F. (2001). 200 Puzzling Physics Problems: With Hints and Solutions. Cambridge University Press.
章の要約
本書は教科書ではなく問題集であり、解説を述べる章はない。序文、本書の使い方、問題の主題別索引、物理定数の表に続いて、3つの部分がある。問題(1ページから)、ヒント(50ページ)、解答(69ページ)である。問題はP1からP200まで番号が付けられており、著者によれば、主題別ではなく、おおむね難易度順か、似た解法を要するものがまとまる形で並べられている。
序文と本書の使い方
著者は、これらの問題が、長い計算ではなく、うまく選んだ変数、ふつうとは違う考え方、巧みな類推によって解けるように意図されていると説明している。問題はほぼすべて古典的な(量子論を含まない)物理学から選ばれ、平易で専門用語を使わない言葉で出題されるため、読者はどの分野の物理が関わるかを自分で判断しなければならない。使い方の指針は明確である。まず自力で解き、行き詰まったらヒントを見て、そのあと完全な解答を確認する。特に難しい推論や複雑な計算を要する問題には、アスタリスクが1つまたは2つ付いている。
問題の主題別順序
一覧は、問題を19の見出しのもとにまとめており、複数の見出しに載る問題もある。見出しは、運動学、力学、重力、力学的エネルギー、衝突、剛体の力学、静力学、ロープと鎖、液体と気体、表面張力、熱力学、相転移、光学、静電気学、静磁気学、電流、電磁気学、原子と粒子、次元解析・スケーリング・見積もりである。リストが最も長いのは力学で、静電気学と電磁気学がそれに続く。最も短いのは相転移である。
問題(P1–P200)
最初の問題が、本書の雰囲気をよく伝えている。正三角形の頂点にいる3匹のカタツムリがそれぞれ次の1匹を追いかける問題、川を最短経路で渡ろうとする船頭、自分自身の上に引き戻されるカーペット、水中で上下に揺れる氷山、片側の車輪が歩道に乗り上げた自動車、2つの不揃いな半球からなる球が斜面にのる問題などである。後ろの問題は、惑星の軌道やロケットの打ち上げから、水が漏れる振り子のバケツ、放電する球形コンデンサー、脈動する帯電球にまで及ぶ。
ヒント
約20ページの短い部分には、解答を完成させない範囲で道筋を示すヒントが載っている。著者は、たいていの場合ヒントで助けになると述べており、関連する問題への相互参照がヒントと解答に付けられている。
解答
最後の部分に完全な解答が載っている。いくつかの解答の末尾には、さらに考える価値のある点が挙げられているが、本書の範囲を超えるものとして答えは示されていない。
主要概念
序文と主題別索引
- 力ずくより洞察:長い計算よりも、よい変数、座標、類推を選ぶことが報われる問題である。
- 古典物理学:問題は、力学と熱力学から電磁気学と光学まで、ほぼ量子論を含まない物理学から取られている。
- 次元解析・スケーリング・見積もり:主題別一覧に独立した見出しがあり、大きさや比例関係に関する問題が並ぶ。
問題・ヒント・解答
- 段階的な支援:問題、ヒント、解答の順で、どこまで助けを借りるかを読者が選べる。
- 難易度の目印:特に難しい推論や複雑な数学を要する問題には、アスタリスク1つまたは2つが付く。
- 相互参照:関連する問題がヒントと解答でつながれている。
批判的分析
長所
- 明示された設計思想。 序文は、直観的な洞察と巧みな着想で解ける問題を選び、数学的な要求は初等的な微積分を超えないという考え方を説明している。
- 幅広い主題。 主題別一覧は、力学、流体、表面張力、熱力学、光学、電磁気学、原子と粒子、スケーリングに及ぶため、分野をまたぐ練習ができる。著者はこれを課題の一部と位置づけている。
- 行き詰まりから抜け出す仕組み。 ヒントが別の部分にまとまっているので、解答を見ずに部分的な助けを得られ、アスタリスクが最も難しい問題を知らせてくれる。
- 多様な出典。 著者自身が考案した問題に加えて、ハンガリーの中等学校向けの雑誌、国際的な物理コンテスト、ケンブリッジの各カレッジの入学試験から問題を採っている。著者の経歴には、国際物理オリンピックでのハンガリーチームの指導も含まれる。
短所
- 教えるための教科書ではない。 体系的な解説はない。著者は、その主題をかなり深く学んだあとでなければ、これらの問題に取り組むことを勧めないと述べている。
- 並び順が混在。 問題はおおむね難易度か解法で並んでおり、主題別ではないので、特定の主題を練習したい読者は主題別索引で探す必要がある。
- 古典物理学のみ。 問題はほぼ量子論を含まないため、量子、原子、統計の話題はほとんど扱われない。主題別一覧で原子と粒子の見出しは1つだけである。
- 難易度にむらがある。 著者は、問題の大半は易しくなく、いくつかは明らかに難しいと述べている。想定されるレベルは、優秀な中等学校生から有能な大学院生までの幅がある。
コースにおける位置づけ
本書は入門物理学の講義の補助であり、その代わりにはならない。このコースの書籍リストにある一般的な入門教科書、すなわち College Physics 2e、Hewitt の Conceptual Physics、Halliday の Fundamentals of Physics、Tipler と Mosca の Physics for Scientists and Engineers、Serway と Jewett の Principles of Physics、Young の University Physics が、解説と通常の演習問題を提供する。Kleppner と Kolenkow の An Introduction to Mechanics は、公式に代入するだけでは済まない問題をもつ要求水準の高い力学の教科書であり、趣旨は最も近いが、力学に限られる。ファインマン物理学は、また別の種類の物理的な議論と直観を与えてくれる。
一般的な教科書の1冊を終えたあと、あるいは終えつつあるときに、通常の章末問題が型どおりに感じられ、どの法則が当てはまるかを見抜く練習をしたいという段階で本書を使うとよい。
本書の使い方
著者によれば、ほとんどの問題に必要なレベルは、優秀な中等学校生、できのよい学部生、有能な大学院生のものであり、数学は初等的な微積分にとどまる。本書は、力のある学部1・2年生、一般物理の試験の準備をする人、そして難しい問題が手応えになることを著者が期待している物理の教員に向いている。
実践的な進め方は次のとおりである。
- 主題で選ぶ。 主題別一覧から、学んだばかりの主題の問題群を選び、アスタリスク付きは後回しにする。
- 著者が示す順序に従う。 まず自力で、問題ごとにしっかり時間をかける。行き詰まったときだけヒントを見る。答えに到達したあとも、たとえ正解でも完全な解答を読む。より短い道筋が見つかることがある。
- 主題を混ぜる。 慣れたら、解法でまとまる本の順序どおりに解き、どんな種類の問題かを見分ける練習をする。
- 発展的な問いに注目する。 一部の解答は、さらに考えるべき点で終わっている。それらは議論や短い課題の出発点になる。
同じ問題の見方を比べることに価値があるので、勉強会形式も有効である。
