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Wheater's Functional Histology(ウィーター機能組織学) cover

医学

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Wheater's Functional Histology(ウィーター機能組織学)

Geraldine O'Dowd; Sarah Bell; Sylvia Wright

英語原題: Wheater's Functional Histology

質の高い光学顕微鏡・電子顕微鏡写真と、各構造の働きについての簡潔な説明を組み合わせて組織学を教える、テキストとカラーアトラスを兼ねた本。細胞、基本組織、すべての主要な器官系を扱い、正常な顕微鏡像を機能と結びつけ、臨床ボックスを通じて一般的な疾患とも結びつける。

前提知識: 高校程度の生物の知識があれば十分。最初の組織学の授業を受ける学生向けに書かれている。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
histologymicroscopic anatomytissuesmicrographsatlas教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

O'Dowd, G., Bell, S., & Wright, S. (2023). Wheater's Functional Histology (7th ed.). Elsevier.

章の要約

第7版は、本書が数十年にわたって採用してきたレイアウトを引き継いでいる。序文によれば、本書は何よりも組織学のアトラスであり、各セクションは短い導入文で始まり、その後に注記付きの光学顕微鏡写真、電子顕微鏡写真、線画が多数続く。図ごとに説明文とラベルの凡例が付いているため、顕微鏡の前で1ページ単位で学習できる。全21章は「細胞」「基本組織」「器官系」の3部に分かれ、その後に3つの付録が続く。出版社は、臨床との関連を示すボックス、章末の復習表、解説付きの自己評価問題を本書の標準的な特徴として挙げている。序文によれば、この版では臨床との関連の記述が拡充され、姉妹書 Wheater's Basic Pathology への参照が加えられた。

第I部:細胞

第1章:細胞の構造と機能

本書で最も長い章(約30ページ)で、以降のすべての章の土台となる細胞レベルの知識を扱う。冒頭で組織学を正常な細胞と組織の研究と定義し、構造と機能が互いを規定し合うこと、そして正常構造の知識が組織病理学の基礎であることを述べる。続いて真核細胞を、電子顕微鏡写真と模式図の組み合わせで順に解説する。対象は、細胞膜と脂質二重層、膜タンパク質と糖衣、核、小胞体、ゴルジ装置、ミトコンドリア、細胞骨格であり、後半には物質の取り込み・放出と細胞内輸送の節がある。

第2章:細胞周期と複製

細胞の分裂と複製を扱う短い章で、組織の学習に入る前に細胞レベルの内容を締めくくる。

第II部:基本組織

第3章:血液、造血、骨髄

循環する血球と、骨髄におけるその産生を扱う。組織の章の最初に置かれている。

第4章:支持組織/結合組織

他の組織を結びつけ支える組織を、その細胞と細胞外基質とともに扱う。

第5章:上皮組織

体の表面や内腔を覆う組織とその分類を扱う。この分類の枠組みは、ほぼすべての器官の章で繰り返し用いられる。

第6章:筋

筋組織の種類と、その微細構造が収縮とどう関わるかを扱う。

第7章:神経組織

神経細胞とその支持細胞を組織レベルで扱う。脳と脊髄の構成は第20章に回される。

第III部:器官系

第8〜11章:循環器系、皮膚、骨格組織、免疫系

基本組織の知識を、血管と心臓、皮膚、骨と軟骨、免疫系に当てはめる。免疫系の章は約26ページで、器官の章の中では長い部類に入る。

第12〜15章:呼吸器系、口腔組織、消化管、肝臓と膵臓

気道と肺を扱った後、口から消化管を経て肝臓と膵臓に至る消化器系を扱う。口腔組織に独立した章があるため、医学生だけでなく歯学生にも役立つ。

第16〜19章:泌尿器系、内分泌系、男性生殖器系、女性生殖器系

腎臓と尿路、内分泌腺、そして男女の生殖器系を扱う。女性生殖器系の章は30ページを超え、器官の章の中で最も長い。

第20〜21章:中枢神経系、特殊感覚器

最後に脳と脊髄、そして特殊感覚器を扱う。

第IV部:付録

付録1「顕微鏡法入門」と付録2「染色技術についての覚え書き」は、組織標本の作製、光学顕微鏡と電子顕微鏡、そして本書全体に登場する染色法を説明する。付録3は用語集である。序文によれば、本書を全くの初学者にも読みやすいものに保つため、この版で付録は大幅に改善・拡充された。第1章の冒頭でも、何よりも先に最初の二つの付録を読むよう強く勧めている。

主要概念

第I部:細胞

  • 構造と機能:本書を貫く考え方。組織学的な構造は、その組織が果たす機能を決め、またその機能によって決まる。
  • 組織病理学:疾患による変化を顕微鏡で調べる学問。正常組織学はその基礎となる。
  • 分化:細胞が特殊化した構造と機能を獲得していく過程。それでも細胞は共通の基本モデルを共有している。
  • 脂質二重層と膜タンパク質:区画を隔て、区画間で何が通過するかを制御する細胞膜の構造。

第II部:基本組織

  • 造血:骨髄で血球が作られること。
  • 基本組織の種類:本書は組織を血液、支持組織/結合組織、上皮組織、筋組織、神経組織に分け、すべての器官をこれらから組み立てて説明する。

第III部と付録

  • 臨床との関連:正常な顕微鏡像を機能障害やよくある疾患と結びつけるボックスと画像。
  • 染色技術:組織の構成要素を可視化する方法。顕微鏡写真に何が写るかはこれによって決まる。

批判的分析

長所

  • 顕微鏡写真を中心にした学習。 序文は本書を何よりもアトラスと位置づけ、短い導入文の後に注記付きの光学・電子顕微鏡写真と線画を多数並べている。出版社によれば画像と図は900点を超える。各図に説明の段落とラベルの凡例が付いているため、顕微鏡やバーチャルスライドと並行して使いやすい。
  • 初学者向けに書かれている。 出版社も序文も、組織学を初めて学ぶ学生を対象としている。組織標本の作製、顕微鏡法、染色についての付録が拡充され、用語集もあるため、実験室での経験がない読者も支えられる。
  • 機能と疾患を視野に入れている。 初版の序文(1979年)は、組織学を生理学、生化学、分子生物学と関連づけて示すという本書の目標を掲げていた。第7版では臨床との関連の記述が増え、姉妹書の病理学書と結びつけることで、抽象的に見える特徴を記憶にとどめやすくしている。
  • 復習の道具が組み込まれている。 章末の復習表と、解答の解説付きの自己評価問題が試験対策に役立つ。

短所

  • 意図的に短い本文。 説明文があえて簡潔にされているため、組織構造の背後にある細胞生物学・分子生物学を深く学びたい学生には、より詳しい教科書が必要になる。
  • 病理学ではなく正常組織学。 臨床ボックスは関連づけであって病理学の講義ではない。疾患については、序文が Wheater's Basic Pathology を参照するよう案内している。
  • 発生学はほとんど扱わない。 目次に発生学の章がないため、組織学・発生学のコースのうち発生学の部分には別の本が必要である。

コースにおける位置づけ

このコースの組織学の本の中で、Wheater's は最もアトラス色が強く、最初の一冊として自然な選択である。Junqueira's Basic Histology も簡潔なテキスト兼アトラスだが、説明文、医学的応用、復習問題により重きを置いている。Ross と Pawlina の Histology: A Text and Atlas はより大部のテキストで、細胞生物学・分子生物学と臨床との関連を加えている。これらのうち一冊を主教科書とし、画像用に Wheater's を手元に置く使い方や、Wheater's から始めて、より深い理解のために大部の本へ移る使い方がよく見られる。Mills's Histology for Pathologists は病理医の視点から書かれた正常組織学の専門的な参考書で、病理の研修など、ずっと後の段階で役立つ。

コースの発生学の部分については、Before We Are Born が発生と先天異常への簡潔な入門書であり、Larsen's Human Embryology が詳しい解説書である。Wheater's の器官系の章は、これらの本が形成過程をたどる成体の組織を記述しているので、どちらとも並行して読める。

本書の使い方

本書は、医学、歯学、生物医学・生命科学の1年生で、顕微鏡に初めて触れる学生に適している。組織学の予備知識は不要で、高校程度の生物学があれば始められる。

  • 付録から始める。 第1章の助言どおり、本章に入る前に顕微鏡法についての付録1と染色についての付録2を読み、用語集を手元に置いておく。
  • 中核となる順序: 第1〜7章(細胞と基本組織)を順番に読む。以降のすべての章がこれらを前提にしている。第1章は長いので、導入と細胞膜の節をじっくり読み、細胞小器官のページは参照用に使うとよい。
  • 器官の章: 通読するのではなく、所属するコースの器官系ブロックの順番に合わせて読む。口腔組織の章は歯学生にとって特に重要である。各章の臨床ボックスは読み進めながら目を通すとよいが、最初は飛ばしてもかまわない。
  • 顕微鏡の前で: 図のページを実習ガイドとして使う。各顕微鏡写真について、説明文を見る前に構造を同定してみて、それからラベルの凡例で確認する。
  • 復習: 章末の復習表で要点をまとめ、試験前には自己評価問題で理解度を確認する。

細胞や分子の仕組みを深く学ぶには、コースに挙げられているより詳しい組織学のテキストと組み合わせるとよい。疾患については姉妹書の病理学書を使う。