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数学的推論入門:数、集合、関数 cover

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数学的推論入門:数、集合、関数

Peter J. Eccles

英語原題: An Introduction to Mathematical Reasoning: Numbers, Sets and Functions

数学的推論への包括的な大学院レベルの入門書で、論理学、証明技法、集合論、関数、数体系、計数を扱い、コンピュータサイエンス、経済学、生物学、暗号学、工学における応用を含んでいます。

難易度レベル
上級
学術レベル
大学院
数学的推論証明技法集合論数論数学論理

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Eccles, P. J. (1997). An Introduction to Mathematical Reasoning: Numbers, Sets and Functions. Cambridge University Press.

章の要約

序文のあと、本書は六つのブロックを進む。各ブロックは二つから五つの短い講義章からなり、末尾に問題の章が置かれる(講義章は全部で24章)。巻末には長い演習問題の解答の章と文献表がある。以下の要約は章題に沿っている。

The language of mathematics;Implications;Proofs;Proof by contradiction;The induction principle;Problems I

最初のブロックでは、数学的な命題、含意、そして標準的な論証の型である直接証明、背理法、帰納法の原理を導入する。証明を理解し構成すること、明晰な数学を書くことを学ばせるという本書の目的に最も直接に対応する部分である。

The language of set theory;Quantifiers;Functions;Injections, surjections and bijections;Problems II

二つ目のブロックは集合、量化子、写像を扱い、写像を単射、全射、全単射に分類することも含む。以降のどのブロックもこれらの道具を使う。

Counting;Properties of finite sets;Counting functions and subsets;Number systems;Counting infinite sets;Problems III

三つ目のブロックは本書の組合せ論の中心である。数え上げと有限集合から始め、写像と部分集合の数え上げに進み、数の体系の章を含み、無限集合をどのように数えられるかという問いで終わる。

The division theorem;The Euclidean algorithm;Consequences of the Euclidean algorithm;Linear diophantine equations;Problems IV

四つ目のブロックは、除法の定理とユークリッドの互除法から整数論を始め、その帰結を一次ディオファントス方程式までたどる。

Congruence of integers;Linear congruences;Congruence classes and the arithmetic of remainders;Partitions and equivalence relations;Problems V

五つ目のブロックは、整数の合同、一次合同式の解法、合同類の算術を展開し、類別と同値関係で締めくくる。

The sequence of prime numbers;Congruence modulo a prime;Problems VI

最後のブロックは素数の列と素数を法とする合同式を扱う。

Solutions to exercises

解答は約46ページを占め、本書のおよそ8分の1にあたる。

主要概念

最初の二つのブロック:証明と集合

  • 含意と証明:「ならば」の形の命題の論理的な形と、それを確立する標準的な方針。
  • 帰納法の原理:すべての自然数についての命題を証明する方法。
  • 量化子:「すべての」「存在する」の記法と意味。
  • 単射、全射、全単射:本書が以降で集合を比較するために用いる、写像の三つの性質。

三つ目のブロック:数え上げ

  • 写像と部分集合の数え上げ:有限集合の間の写像や部分集合を用いて言い換えた数え上げの問題。
  • 無限集合の数え上げ:数えるという考えの無限集合への拡張。

後半の三つのブロック:整数論

  • ユークリッドの互除法:四つ目のブロックの中心にある繰り返し割り算の方法と、そこから引き出される帰結。
  • 一次ディオファントス方程式:整数の方程式で、その解の有無がこのアルゴリズムを使って決まるもの。
  • 合同類とその算術:n を法とする剰余の算術。
  • 同値関係と類別:合同類の背後にある一般的な構造。

批判的分析

長所

  • 明確な目的。 ケンブリッジ大学出版局は、本書を大学数学を始める学生のための数学的証明の基本的な考え方の入門と説明しており、証明を理解し構成すること、明晰な数学を書くことに重点を置いている。
  • 三つの題材を通して学ぶ証明。 論理を抽象的に扱うのではなく、集合論、組合せ論、整数論という、同出版局が数学者の道具箱の一部と呼ぶ題材の上で証明を練習する。
  • 完全な例題と授業での試用。 出版局は主な特色として、多数の詳しく解かれた例題と、著者による授業での試用を挙げている。
  • 規則的な練習のリズム。 どのブロックも問題の章で終わり、解答の章は独習を支えるのに十分な長さがある。
  • コンパクトな構成。 約360ページに6〜15ページの講義章が24章あり、各章を一回の学習単位として扱える。

短所

  • 話題の範囲が狭い。 章の一覧は、論理と証明、集合と写像、数え上げ、初等整数論に限られる。解析学、線形代数、代数学での証明の練習も望む学生には別の本が必要である。
  • 数の体系と無限集合の扱いが簡潔。 「Number systems」と「Counting infinite sets」はそれぞれ十数ページの一章であり、数の体系の完全な構成や基数の発展した理論を求める読者は別の本が必要になる。

コースにおける位置づけ

このコースの証明と論理の本のなかで、エクルズは論理学のテキストよりも、証明の書き方を教える入門書に属する。ハマックの Book of Proof は集合、論理、数え上げから始まる無料の証明法入門であり、ヴェレマンの How to Prove It は命題の論理的な形から証明の方針を導く。どちらも証明の技法を最優先にしている。エクルズも似た目標をもつが、本の半分近くを数え上げと初等整数論に割くため、それらの分野の最初の入門書としても使える。アレンビーの Numbers and Proofs は、数と集合を通して証明に近づく点で、話題が最も近い。

論理学寄りの本は性格が異なる。リアリーとクリスティアンセンの A Friendly Introduction to Mathematical Logic やエンダートンの A Mathematical Introduction to Logic は、形式言語と演繹を研究するが、エクルズはそうしない。リーベックの A Concise Introduction to Pure Mathematics は純粋数学のいくつかの分野を概観するもので、どの証明入門書の次にも適している。

本書の使い方

本書は大学数学を始める学生のためのもので、出版局が示す前提知識は学校数学だけである。解析学や代数学の最初の課程に備えて証明の練習が必要な人にも役立つ。

最初の二つのブロックは順に読むとよい。後で使う言語、証明技法、写像の語彙がここで与えられるからである。ハマックやヴェレマンのような証明のテキストをすでに通読した読者は、速く進んでもよい。そのあと、三つ目のブロック(数え上げ)と整数論の各ブロック(四つ目から六つ目)を順に読む。

各ブロックの終わりの問題は、先へ進む前に解き、解答は真剣に取り組んだあとでのみ確認する。解答の章は、完全な論証がどう書かれるかを見るために使うとよい。明晰な数学を書くことが本書の掲げる目的の一つだからである。