01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Eaglestone, R. (2013). Contemporary Fiction: A Very Short Introduction. Oxford University Press. Very Short Introductions.
章の要約
本書はオックスフォードの「ベリー・ショート・イントロダクション」シリーズの短い一冊で、序論、五つの主題別の章、結論の7章で構成されている。出版社は現代小説を「いまや世界的な広がりをもつ、広く多様な分野」と呼び、膨大な数の小説と作家が急速に増え続けていると述べ、本書をその「主要な主題、パターン、論争」の探究として紹介している。挙げられる話題は、ジャンル、形式、実験性から、モダニズムとポストモダニズムの遺産、グローバル化とテロリズムの関係、テクノロジーの影響にまで及ぶ。全体を通じてイーグルストーンは、小説がそれが書かれる世界をどのように映し出すか、また書き手と読み手の芸術的関心をどのように追求するかを検討する。著者ロバート・イーグルストーンは、ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校の現代文学・思想教授である。
第1章:序論
序論は、出版社の言葉によれば、いまや世界的な広がりをもち、非常な速さで成長し続けている分野についての本の幕を開ける。
第2章:形式
現代小説の形と技法を扱う章。出版社は形式を、実験性やモダニズムとポストモダニズムの遺産と並べて挙げており、この章が、最近の小説と以前の実験との関係に関心を向けていることがうかがえる。
第3章:ジャンル
ジャンルの章は、現代という分野の中の小説の種類を取り上げる。出版社が最初に挙げる話題の一つである。
第4–6章:過去、現在、未来
時間によって構成された3章で、現代小説と過去、現在、未来との関係を扱う。出版社が挙げる話題には、グローバル化とテロリズム、テクノロジーの影響が含まれ、これらの章が扱う素材の性格を示しているが、話題が個々の章に割り当てられているわけではない。
第7章:結論
本書は結論の章で閉じられる。
主要概念
第1–3章:序論、形式、ジャンル
- 現代小説:ここ数十年の小説で、出版社はこれを世界的で急速に成長する分野と述べる。
- 形式と実験性:最近の小説の技法上の選択と、以前の実験との関係。
- モダニズムとポストモダニズムの遺産:現代の作家がそれに沿って、あるいはそれに抗して書く、以前の運動からの継承。
- ジャンル:現代小説が属する種類と、それをめぐる論争。
第4–7章:過去、現在、未来、結論
- 過去、現在、未来:本書の中盤を構成する三つの時間の枠。
- グローバル化とテロリズム:出版社が、現在を扱う小説の中心的関心として挙げる関係。
- テクノロジー:小説への影響、そして未来の想像のされ方への影響。
- パターンと論争:大きく未完の分野の中につながりを見いだすという本書の方法。
批判的分析
長所
- 明快な構成。 小説の作られ方に関する2章(形式とジャンル)の後に、時間との関係を扱う3章(過去、現在、未来)が続く。広く形の定まらない分野に、単純で覚えやすい構造を与えている。
- 一国ではなく世界的な視野。 出版社は、この分野がいまや世界的な広がりをもつことを強調しており、本書は一国の文学ではなく現代小説全体を対象として組み立てられている。
- 芸術と世界を結ぶ。 出版社による本書の紹介は、小説が映し出す世界(グローバル化、テロリズム、テクノロジー)と、書き手と読み手の芸術的関心の両方を強調しており、形式的な読解と文脈的な読解がともに保たれている。
- 専門家による執筆。 本書は現代文学・思想の教授によって、簡潔で均衡のとれた入門を提供することを目的とするシリーズの一冊として書かれている。
短所
- 広大な分野に対して非常に短い。 いまなお書かれつつある小説を扱う小型の入門書は、そのごく一部を取り上げることしかできない。読者は小説そのものと、さらなる批評を必要とする。
- 古びるのが早い。 2013年刊行なので、それ以降の小説や論争は扱えない。新しさによって定義される主題にとっては、とりわけ大きな難点である。
- 参考書ではなく主題別。 主題とパターンによって構成されているので、作家、国、運動を体系的に網羅するものではない。
コースにおける位置づけ
モダニズムと現代文学のコースで、イーグルストーンの本は、他の多くの本が手前で止まっている年表の終わりの部分を扱う。モダニズムについては、同じシリーズのクリストファー・バトラー『モダニズム』(「ベリー・ショート・イントロダクション」)が対になる一冊であり、ピーター・チャイルズの『モダニズム』とペリクリーズ・ルイスの『ケンブリッジ版 モダニズム入門』はより詳しい説明を与える。それらのいずれかを先に読んでおくと、モダニズムの遺産についてのイーグルストーンの議論が理解しやすくなる。リンダ・ハッチオンの『ポストモダニズムの詩学』は、歴史記述的メタフィクションを軸にポストモダン小説を論じた理論的研究で、ポストモダンの遺産と、小説と歴史との関わりをさらに深く掘り下げる。『ケンブリッジ版 モダニズム必携』は専門家による論文集で、最初に読むより研究に向いている。
本書の使い方
本書は、現代文学の授業を始める学部生や一般読者に向いている。予備知識は不要だが、最近の小説をいくつか読んでいると役立つ。
- まず通読する。 この長さなら一、二回で読み通せる。形式、ジャンル、時間という本書の枠組みをつかむには、それが最善である。
- 次に枠組みとして使う。 授業で読む各小説について、どの章に属するかを問う。形式やジャンルをどう扱っているか、主に過去、現在、未来のどれに関心を向けているか。
- 章と小説を組み合わせる。 「過去」は最近の歴史小説と、「現在」はグローバル化やテロリズムを扱う小説と、「未来」はテクノロジーをめぐる小説と並行して読む。
- 理論へとさかのぼる。 モダニズムとポストモダニズムの遺産についての議論を手がかりに、バトラーやルイス、さらにハッチオンへと進む。
- 更新する。 この分野は動きが速いので、本書のパターンを2013年以降に刊行された小説で試し、それがどこでなお有効かを書き留める。
