01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Burton-Roberts, N. (2021). Analysing Sentences: An Introduction to English Syntax (5th ed.). Routledge.
章の要約
Routledge の Learning about Language シリーズに属する第5版は約290ページで、五つの版すべての序文、序論、11の章、索引からなる。出版社は本書を、構成素・範疇・機能を軸にした英語の文構造の実践的分析への入門と説明しており、全編にわたって樹形図が使われ、章の途中にも章末にも多くの練習問題がある。本版では新しい内容と新しい例文が加わり、より読みやすいレイアウトに改められた。コンパニオンウェブサイトでは学生向けに追加の練習問題が提供され、オンラインの課題と本書の練習問題の完全な解答は教員だけが利用できる。
第1–3章:Sentence Structure: Constituents(文構造:構成素);Sentence Structure: Functions(文構造:機能);Sentence Structure: Categories(文構造:範疇)
本書は、出版社が挙げる三つの鍵となる考え方についての三章から始まる。構成素(語が文の中でより大きな単位にまとまる仕方)、機能(それらの単位が果たす役割)、範疇(それらの単位が属する類)である。以降のすべてはこの三つの概念と、それらを表す樹形図の上に築かれる。
第4–6章:The basic Verb Phrase(基本的な動詞句);Adverbials and Other Matters(副詞類とその他の事項);More on verbs: auxiliary VPs(動詞再論:助動詞の VP)
次のまとまりは動詞句を扱う。第4章は基本的な動詞句を示し、第5章は副詞類をその他の論点とあわせて加え、第6章は再び動詞に戻って、助動詞を助動詞の動詞句として扱う。
第7章:The structure of Noun Phrases(名詞句の構造)
文のもう一つの主要な句の型である名詞句の内部構造を扱う一章。
第8–10章:Sentences within Sentences(文の中の文);Wh-Clauses(Wh 節);Non-finite Clauses(非定形節)
三つの章が複文を扱う。他の文の内部に含まれる節、wh 語で導かれる節、定形動詞を持たない節である。
第11章:Languages, Sentences, and Grammars(言語、文、文法)
最終章は実践的な分析から一歩引き、それを理論的な文脈の中に位置づける。出版社によれば、X バー統語論における構成素性への入門も含まれる。
主要概念
第1–3章:文構造
- 構成素:文の構造の中で一つの単位をなす語または語のまとまり。
- 機能:構成素がそれを含む文や句の中で果たす役割。
- 範疇:語や句が属する類。
- 樹形図:本書が全編で用いる、文の構成素構造の表示。
第4–7章:句
- 動詞句:動詞を中心に作られる句で、まず基本形で導入される。
- 副詞類:副詞的な機能を持つ構成素で、独立した章で扱われる。
- 助動詞の動詞句:助動詞をそれ自身の動詞句の主要部として分析すること。
- 名詞句:名詞を中心に作られる句で、独自の内部構造を持つ。
第8–11章:節と理論
- 埋め込み文:より大きな文の中で機能する文。
- Wh 節:wh 語で導かれる節。
- 非定形節:動詞が定形でない節。
- X バー統語論:最終章で、本書の構成素分析の理論的文脈として導入される句構造の理論。
批判的分析
長所
- 実践的で段階的な方法。 出版社は本書を、統語論に初めて触れる読者のための実践的な入門として紹介しており、目次は積み上げ式の順序を示している。まず構成素・機能・範疇、次に句、そして複文である。各段階は前の段階に依存している。
- 全編にわたる練習問題。 章の途中にも章末にも練習問題があり、出版社はそれによって授業だけでなく独習にも向くと述べている。コンパニオンウェブサイトがさらに練習問題を加える。
- 長く使われ改訂を重ねている。 本書には五つの版の序文が収められている。第4版でコンパニオンウェブサイトが導入され、第5版では新しい例文と新しいレイアウトで本文が改訂された。
- 理論を切り離している。 理論的文脈と X バー統語論は最終章まで持ち越されるので、初学者は句構造の形式理論に出会う前に文の分析を身につけられる。
短所
- 英語だけ。 副題が示すとおり英語統語論の入門であり、他の言語が文をどう構造化するかは扱わない。
- 解答が限定されている。 完全な解答は教員向けなので、独学者は章末問題の答えを確かめる別の方法が必要になる。
- 理論は限られる。 統語理論を扱うのは最終章だけで、それも X バー統語論における構成素性への入門にとどまる。現在の生成理論が必要な学生には、さらに別の教科書が要る。
コースにおける位置づけ
この統語論の授業で、Analysing Sentences は英語について最も実践的な出発点である。Maggie Tallerman の Understanding Syntax はもう一冊の最初の本で、同じく文法の予備知識を前提としないが、百以上の言語のデータを使い、おおむね理論中立的で記述的なアプローチをとる。まず英語の文の分析を身につけたい学生には Burton-Roberts が、言語どうしの違いを見たい学生には Tallerman が向いている。両方を読めば確かな基礎ができる。
Andrew Carnie の Syntax: A Generative Introduction は自然な次の一歩である。言語学の予備知識をある程度前提とする生成文法の教科書で、構成素性、構造関係、移動、併合(Merge)を問題演習とともに扱う。Burton-Roberts の X バー統語論についての最終章がそこへの橋渡しになる。Noam Chomsky の Syntactic Structures と Knowledge of Language は、生成文法と、言語を知るとはどういうことかについての一次的な理論書であり、授業で基礎を終えた後に読むのがよい。
本書の使い方
出版社は本書を、このテーマに初めて触れる読者に向くものとし、独習にも統語論入門の授業の主教材にも適していると述べている。文法や言語学の予備知識は要らない。
- 中核(順に): 序論と第1–3章を最初に読む必要がある。後のすべての章が構成素、機能、範疇、樹形図の上に築かれているからである。次に動詞句、副詞類、助動詞、名詞句を扱う第4–7章。
- 複文: 埋め込み節、wh 節、非定形節を扱う第8–10章で分析が完成する。順に読む。
- 理論: 第11章は授業の締めくくりにも、生成統語論の授業への準備にも使える。
章の途中の練習問題は後回しにせず、出てきたときに解く。後の章は前の章の技法を前提としているからである。樹形図は手で描き、すでに分析した句の型に後の章が構造を加えたときには、以前の樹形図に戻って見直す。復習にはコンパニオンウェブサイトの追加練習問題を使い、独学の場合は教員や勉強仲間と解答を確かめる。
