索引 / 001 JA
白黒つけて:人種と階級がもたらす司法制度の歪みに挑む若き弁護士の物語 cover

法学

法学

白黒つけて:人種と階級がもたらす司法制度の歪みに挑む若き弁護士の物語

Alexandra Wilson

英語原題: In Black and White: A Young Barrister's Story of Race and Class in a Broken Justice System

イングランドの若い混血の法廷弁護士による回顧録。法曹界と刑事法廷における人種と階級を、法廷の場面、10代の依頼人との面談、依頼人を弁護することの個人的な負担を通して描き、カウンティ・ラインズや若者の犯罪者扱いにも触れる。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
回顧録人種と階級法曹職業刑事司法少年司法法廷弁護士

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Wilson, A. (2020). In Black and White: A Young Barrister's Story of Race and Class in a Broken Justice System. Octopus Publishing Group.

章の要約

In Black and White は、法律の教科書ではなく回想録である。イングランドの若手の刑事・家事事件担当バリスタ Alexandra Wilson のデビュー作で、約290ページ。混血の若いバリスタとして刑事法廷で働いた経験を、法廷の場面、依頼人との面談、著者自身の反応を通して語る。物語性のあるノンフィクションであるため、以下の項目は章ごとの概要ではなく、出版社の紹介が挙げる主題領域に沿っている。

著者を法律へと導いたもの

出版社の紹介は個人的な出来事から始まる。Alexandra Wilson が十代のとき、親しい家族の友人 Ayo が、サッカーの帰り道に刺されて亡くなった。彼の死は彼女を変え、出版社の言葉では、答えを求めて法曹界に入らずにはいられなかった。これにより本書は、著者自身の動機や感情が主題の一部となる個人的な記録として位置づけられる。

一握りの特権層が作った職業

紹介によれば、若手の刑事・家事担当バリスタとして Wilson は、一握りの特権層によって設計された世界と規則の中を進むことになる。本書は、階級と人種がバリスタ界と裁判所での生活をどう形づくるかを検討する。紹介は、人種差別的な裁判官が退官すると同僚のバリスタが安堵のため息をつく場面を挙げる。彼の前に立つ若い黒人の被告には望みがなかっただろうからである。

法廷の場面と依頼人

紹介は、著者が緊迫した法廷の場面、十代の依頼人との胸が痛む面談、若いバリスタの生活をなす苛立ちと勝利の瞬間を再現すると約束する。これらの場面が本書の物語の中核であり、刑事・家事事件の仕事が日々どのように行われるかを読者に見せる。

依頼人の弁護と敵意への対応

Wilson は、自分の肌の色を憎む人や、有罪だと疑われる人を弁護するとはどのような感覚かを示す。こうした状況は、弁護人の職業上の義務とそれを果たす個人的な代償という問題を提起するが、本書はそれを法理ではなく経験を通して扱う。

子ども、カウンティ・ラインズ、犯罪化

出版社はまた、カウンティ・ラインズ(地方への麻薬供給網)の取引に強要される子どもたちの経験と、十代の若者を犯罪者扱いすることで生じうる害を挙げる。この筋は、個人的な物語を、少年司法や誰が被告席に立つのかといったより大きな問いと結びつける。

主要概念

出版社が示す主題

  • 司法制度における人種と階級:弁護士、依頼人、裁判官の属性が結果や経験にどう影響するか。
  • 若手バリスタのキャリア:刑事・家事事件の実務における若手の立場。
  • 弁護人の義務:敵意を持つ人や、弁護人が有罪と疑う人を弁護すること。
  • カウンティ・ラインズ:麻薬取引に強要される子どもたちと、十代の若者を犯罪者扱いすることの帰結。
  • 「壊れた」制度:司法制度が、通過する多くの人々を失望させているという副題の主張。

批判的分析

長所

  • 一人称の視点。 本書は混血の背景を持つ若いバリスタの視点を提供し、その立場からは、法曹界における人種と階級の問題が物語の中心となる。
  • 物語の形式。 法廷の場面や依頼人との面談の描写により、差別や少年司法についての抽象的な問いが、法的訓練のない読者にも具体的になる。
  • 個人と構造の結びつき。 出版社の紹介は、個々の物語を人種、階級、若者の犯罪化についてのより大きな主張と結びつけている。
  • 読みやすい分量と文体。 約290ページで一般読者向けであり、数回で読み終えられる。

短所

  • 分析ではなく回想録。 本書は一人のバリスタの経験から語られ、体系的な研究を標榜しないので、一般化は研究や統計に照らして検証する必要がある。
  • 法理の扱いは限られる。 刑事手続、量刑、証拠法の説明を求める読者は、それらが物語の背景として現れるだけだと感じるだろう。
  • 一人の実務家による一時期の記録。 裁判所の予算、規則、実務は2020年以降に変化しており、本書は初期キャリアの一場面である。

コースにおける位置づけ

本書は読書リストの発展的読み物のセクションにあり、コースの教科書ではない。最も近い仲間は、リスト中の他の二冊のバリスタの本である。The Secret Barrister は、イングランドとウェールズの刑事司法制度を匿名の著者が批判したもので、一つの刑事事件の経過に大まかに沿って構成される。Sarah Langford の In Your Defence は、刑事・家事の法廷での11の事件を語る。Wilson の本は、著者自身のアイデンティティと人種・階級に最も焦点を当て、他の二冊は法廷がどう動くかをより広く見せる。

刑法、刑事司法、法制度のコースに添えて、教科書の人間的な対になるものとして読むのに適し、弁護人の義務や職業の多様性が現実の問いとなる法曹倫理の議論とも合う。

本書の使い方

本書は、バリスタを志す学部生、刑事司法・法社会学・法曹倫理を学ぶ学生、そして法廷が内側からどう感じられるかに関心のある一般読者に向いている。法律の知識は必要ない。

実践的な進め方:

  • 通して読む。 物語として、順に読むのが最もよい。著者自身の成長が物語の一部だからである。
  • 問いを持って読む。 人種、階級、職業の構造がどこで出来事に影響しているか、著者が何を変えられると述べているかに注目する。
  • 教科書と組み合わせる。 関心を持った場面の背後にある手続や規則は、刑法や法制度の教科書で調べる。
  • 三冊のバリスタの本を比べる。 Wilson、Secret Barrister、Langford を併読すると、異なる著者が同じ制度を異なる立場からどう描くかが分かる。
  • 版を確認する。 後のペーパーバックには後書きと読書会用の質問が加わっており、討論グループに役立つ。