01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Herring, J. (2025). Family Law (12th ed.). Pearson. Longman Law Series.
章の要約
目次は12章からなり、冒頭に序文と、判例表、制定法表、委任立法表、欧州法・国際法令表が置かれ、末尾に索引が付く。章題は印刷版の順に挙げる。流れは、この分野とその裁判所から、成人間の関係とその破綻を経て、子どもおよびカップルを超えた家族に関する法へと進む。Pearson は本書を、この分野をめぐる理論、論争、政治的・倫理的ジレンマを通して読者を導き、既存の法を批判し改革案を評価できるようにするものと説明している。
What is family law?(家族法とは何か);Family justice(家族司法)
最初の2章はこの分野を紹介し、続いて家族の紛争が裁判所に持ち込まれる仕組みである家族司法を取り上げる。
Marriage, civil partnership and cohabitation(婚姻、シヴィル・パートナーシップ、同棲);Divorce(離婚)
これらの章は、成人間の関係の法的形態を扱う。婚姻や登録をせずに共に暮らすカップルも含まれる。また婚姻やシヴィル・パートナーシップの終了も扱う。Pearson は、新しい離婚制度の影響を第12版の更新内容の一つに挙げている。
Family property(家族財産);Property on separation(別居時の財産);Domestic abuse(家庭内虐待)
続く章は、関係の継続中の財産、関係が終わるときの財産の分け方、そして家庭内虐待を取り上げる。本書の金銭と保護に関する章である。
Who is a parent?(誰が親か);Parents' and children's rights(親と子どもの権利);Private disputes over children(子どもをめぐる私的な紛争);Child protection(児童保護)
その後、本書は子どもに移る。誰が法的な親とされるか、親と子どもの権利、子どもの養育をめぐる私人間の紛争、そして児童保護における国家の役割である。第12版の更新内容として、Pearson はトランスジェンダーおよびジェンダーに疑問をもつ子どもに関する判決(Re J (Transgender: Puberty blocker and Hormone Replacement Therapy) [2024])を挙げている。
Families and older people(家族と高齢者)
最終章は、この分野を家族と高齢者へ広げる。出版社は、「預託的結婚(predatory marriage)」の問題も第12版の更新内容に挙げている。
主要概念
成人間の関係とその破綻
- 婚姻、シヴィル・パートナーシップ、同棲:本書が並べて扱う成人間の関係の三つの形態。
- 離婚:婚姻の終了。出版社が言及する新しい離婚制度を含む。
- 家族財産と別居時の財産:関係の継続中の財産の所有と、関係が終わるときの財産の分け方。
- 家庭内虐待:独立した章の主題。
親、子ども、広い意味での家族
- 親であること:章題「Who is a parent?」が立てる問い。
- 親と子どもの権利:章題が示すとおり、両者が有する権利。
- 子どもをめぐる私的な紛争と児童保護:法が子どもの養育を規律する二つの経路で、一つは私人間、もう一つは国家が関わる。
- 家族と高齢者:本書の最終章。
批判的分析
長所
- 法とともに理論と論争を示す。 Pearson によれば、本書は読者をこの分野の理論、論争、政治的・倫理的ジレンマへと導き、既存の法を批判し改革案を評価できるようにする。
- 各章にケーススタディがある。 出版社によると、各章にこの分野の理解に関連するケーススタディが含まれており、規則と具体的状況を結びつけやすい。
- 学習の支援。 Pearson は、章末で論争に関する設問に立ち戻る仕組みと、文献案内を挙げている。論争を見直し、読書を広げやすくなる。
- 家族の広がり。 成人と子どもに加え、家族と高齢者の章と、家族司法の章が独立して設けられている。
短所
- 養子縁組と死亡時の権利の独立した章がない。 目次には、いずれの主題を章題とした章もない。これらを扱う講義では、一覧にある別の教科書が必要になる。
コースにおける位置づけ
Herring の Family Law は、Cretney and Probert's Family Law と同じ役割を果たす主教材である。二冊は似た範囲を異なる順序と重点で扱う。Cretney and Probert は15章で、死亡時の権利と養子縁組に独立した章があり、Herring は12章で、家族司法と家族と高齢者の章が加わる。どちらを主教材にし、もう一方を別の見方を得るために使ってもよい。
最初の概観には、Herring 自身の Family Law: A Very Short Introduction が、法がなぜ今の形をとるのかを短い分量で説明し、John Eekelaar の Family Law and Personal Life は、権力、権利、尊重、責任を通して主題的に論じる。Bromley の Family Law(第12版)は、制定法と判例のより詳しい叙述を求める読者向けの、より長く詳細な叙述であり、Claire Fenton-Glynn の Children and the European Court of Human Rights は、子どもの権利の一つの流れを扱うモノグラフである。
本書の使い方
本書は、家族法の科目を履修する学部生に向く。Pearson は、成人間の関係や、子どもと成人の家族法を扱う科目を想定した科目として挙げている。本書は法の叙述とそれをめぐる論争の議論を組み合わせているため、判例や制定法の読み方に慣れていると役立つ。
実践的な進め方の例:
- 中核: 婚姻・シヴィル・パートナーシップ・同棲、離婚、家族財産と別居時の財産、誰が親か、親と子どもの権利、子どもをめぐる私的な紛争の各章。
- 関連する項目: 家庭内虐待、家族司法、児童保護。
- 選択的: 科目が扱う場合に、家族と高齢者。
章末の論争に関する設問は小論文の練習に使い、文献案内は各主題を広げるために使う。新しい離婚制度のような最近の動向を本書が論じている箇所では、要約に頼る前に、現行の制定法や指針を確認すること。
