01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Newburn, T. (2017). Criminology (3rd ed.). Routledge.
章の要約
第3版は約1,170ページの大部の教科書で、用語集、参考文献、索引を備え、6部38章から成る。出版社は本書を、犯罪学および刑事司法の学位課程の基礎となる主題、概念、理論、方法、出来事への入門と紹介している。この版では犯罪の政治に関する章が新たに加わり、犯罪データと動向が更新され、フォルクスワーゲン不正、過去の児童虐待、イングランドの暴動といった新しい題材が加えられた。付属のウェブサイトには復習問題と多肢選択問題がある。
第1部、第1–5章:犯罪と犯罪学を理解する/歴史の中の犯罪と刑罰/犯罪データと犯罪動向/犯罪とメディア/犯罪の政治とその統制
冒頭の部は、犯罪学が何を研究するかを説明し、犯罪と刑罰を歴史の中に位置づける。続いて犯罪データの出所と限界、メディアによる犯罪の描かれ方、犯罪統制の政治的文脈へと進む。最後の章が、この版で新設された章である。
第2部、第6–17章:理論の各章
最も長い部で、犯罪学理論を12章で述べる。古典主義と実証主義、生物学的実証主義、心理学的実証主義、デュルケーム、アノミーと緊張、シカゴ学派・サブカルチャー・文化犯罪学、相互作用論とラベリング理論、統制理論、ラディカル犯罪学と批判犯罪学、リアリスト犯罪学、現代の古典主義、フェミニスト犯罪学、後期近代・統治性・リスクである。題の並びは、最も早い古典的・実証的な説明から、社会学の諸学派を経て、批判的、リアリスト、フェミニスト、後期近代のアプローチへと進む。
第3部、第18–22章:類型と動向
特定の種類の犯罪とそれを経験する人々を扱う5章。被害者、被害、被害者学、ホワイトカラー犯罪と企業犯罪、組織犯罪、暴力犯罪と財産犯罪、薬物とアルコールである。
第4部、第23–31章:刑事司法を理解する
刑事司法制度を扱う9章。刑罰学と処罰、刑事司法を理解する、犯罪予防と地域の安全、警察活動、刑事裁判所と公判手続、量刑と非拘禁刑、刑務所と拘禁、少年非行と少年司法、修復的司法である。
第5部、第32–36章:犯罪学の重要課題
個別の課題を扱う5章。人種・犯罪・刑事司法、ジェンダー・犯罪・司法、犯罪心理学と司法心理学、グリーン犯罪学、グローバル化・テロリズム・人権である。
第6部、第37–38章:犯罪学を実践する
方法に関する2章。犯罪学的調査を理解する、犯罪学的調査を行う。出版社の目次ではこの二章が第36章と第37章と番号づけられており、第5部の最終章と番号が重複している。
主要概念
犯罪を理解する(第1部)
- 犯罪データと動向:犯罪に関する情報の出所と、それが何を示しているかという問い。
- 犯罪の政治:犯罪の理解のされ方や統制のされ方に及ぶ政治的な影響。
理論(第2部)
- 古典主義と実証主義:選択による説明と原因による説明という、犯罪の二つの基礎的な説明方法。
- アノミーと緊張:犯罪を社会的条件と結びつけるデュルケーム以来の伝統。
- サブカルチャーとラベリング:集団の文化や、逸脱に対する社会的反応に基づく説明。
- 統制理論:人々がなぜ犯罪を控えるのかを説明する見解。
- 後期近代、統治性、リスク:犯罪とその統制を理解するための比較的新しい枠組み。
犯罪の類型と刑事司法(第3–5部)
- 被害者学:被害者と被害の過程の研究。
- ホワイトカラー犯罪と企業犯罪:地位ある人々や組織による犯罪。
- 刑罰学:刑罰の研究。
- 修復的司法:影響を受けた人々を関与させて犯罪に対応するアプローチ。
- グリーン犯罪学:環境に対する害に犯罪学を適用するもの。
批判的分析
長所
- 対象範囲が非常に広い。 6つの部が犯罪の説明、犯罪の類型、刑事司法制度、現在の課題、研究方法を扱うため、犯罪学の学位課程の大半を一冊でたどれる。
- 理論の伝統ごとに専用の章がある。 12の理論の章により、各学派が独立して論じられ、説明を並べて比較しやすい。
- 方法が明示的に扱われている。 犯罪学的調査の理解と実施についての2章は、卒業論文を書く学生の助けになる。
- 版が更新されている。 第3版は政治の章と新しい犯罪データを加え、出版社は復習問題付きの改訂ウェブサイトも挙げている。
短所
- 分量。 約1,170ページ、38章で、全体を使うコースはほとんどなく、学生はどの章を読むかを選ぶ必要がある。
- イングランドとウェールズが中心。 出版社はイングランドの暴動への扱いの拡充を強調しており、著者もロンドン拠点であるため、英国の素材が目立つと考えられる。他の地域の学生は、刑事司法制度について現地の資料が必要になるかもしれない。
- 版による古さ。 2017年版のため、その後の犯罪データや出来事は含まれない。
コースにおける位置づけ
Newburn の Criminology は、犯罪学・刑事司法の書目における広範な最初の教科書である。Julian Roberts の Criminal Justice: A Very Short Introduction ははるかに短く、一つの事件を追って制度を巡るので、刑事司法の部分だけを手早く知りたい読者に向く。五人の著者による The Oxford Textbook on Criminology は、理論、犯罪の定義と測定、刑事司法の機関を紹介するもう一つのコース用教科書で、同じ領域についての第二の見方として使える。The Oxford Handbook of Criminology は論文を集めたより大部の参考書で、既に分野を知っている読者向けである。Easton らの Sentencing and Punishment と Richard English の Terrorism: How to Respond は専門書で、Newburn の第28章と第36章の主題をさらに追える。
まず Newburn を読み、その後、コースが重視する主題について専門書へ進む。
本書の使い方
出版社は本書を、犯罪学・刑事司法の学部課程の基礎として位置づけている。そうした課程の初めにいる学生や、幅広い出発点を求める人に向く。
実際の読み方は次の通り。
- 中核: 基礎となる第1部(第1–5章)と、主要な伝統を扱う第2部の最初の9つの理論の章(第6–14章)。
- コースに応じて: 第2部の残り(第15–17章)、犯罪類型の第3部、刑事司法制度の第4部のうち、シラバスに合う章。
- 卒業論文のために: 研究方法の第6部と、第5部の関連する章。
重要語には用語集を、復習問題には付属ウェブサイトを、各章の背後にある原典研究を探すには参考文献を使う。理論の章は、古典主義と実証主義、ラベリングと統制のように対にして比較し、説明がどこで食い違うかを確かめるとよい。
