01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Rosenwein, B. H. (2023). A Short History of the Middle Ages (6th ed.). University of Toronto Press.
章の要約
第6版は、本文約340ページ、8つの年代順の章からなる一巻本の概説で、紀元300年頃から1500年頃までを扱い、各章は1世紀から3世紀の期間をカバーする。章の間には「物質文化」と題する三つの短い特集があり、それぞれ中世の剣の鍛造、布と衣服、彩飾写本の制作を扱う。前付には地図、図版、系図、図の一覧、読者への注記、付属ウェブサイトの案内があり、後付には典拠一覧と索引がある。(本書は300年頃–1150年頃と900年頃–1500年頃の二巻本でも刊行されている。)
出版社は、この版が「アイスランドから中国まで、スウェーデンから西アフリカまで」の中世世界を一望するものでありながら、ヨーロッパ、ビザンツ、イスラーム世界におけるローマ帝国の後継者たちを視野から外さないと説明し、新しい地図構成と、考古学的出土品や建造物の線画を特色として挙げている。出版社の付属サイト utphistorymatters.com には、すべての地図、系図、図に加え、模範解答付きの章ごとの学習問題が掲載されている。それらの問題は各章の内容を知るよい手引きになる。
第1章:序曲――変容するローマ世界(300年頃–600年頃)
後期ローマ帝国とその変容。3世紀の危機における帝国の「属州化」、ディオクレティアヌスの改革、キリスト教の普及と教義の確定、教父たちとアウグスティヌス、「蛮族」の諸集団(ヴェイステルの集落の考古学を含む)、西方のポスト・ローマ諸王国、ユスティニアヌスによる復興の試みを扱う。学習問題は、「衰退と滅亡」と、ゆるやかに変容する古代末期という見方との論争を枠組みとして提示している。
第2章:兄弟文化の出現(600年頃–750年頃)
本書の中心的な考え方がここで導入される。ビザンツ、イスラーム世界、西方を、ローマの三つの「兄弟」たる後継者とみなす見方である。章は、ペルシアとビザンツの戦争、イスラームの興起とアラブの征服、聖像破壊運動、メロヴィング、西ゴート、ランゴバルドの諸王国、イングランドの改宗、そして「板挟みの人」としての教皇を扱う。モロッコのウォルビリスの遺跡は、ローマの町がイスラーム世界の一部になっていく過程を示す。
第3章:新たなアイデンティティの創出(750年頃–900年頃)
復興したビザンツとそのモラヴィア・ブルガリアへの布教、アッバース革命とバグダード、「中間の社会」としてのアル=アンダルス、そしてカロリング家――その台頭と教皇権との同盟から、カール大帝の戴冠、後継者間の内戦まで。章は三つの世界の経済と文化的「ルネサンス」を比較する。
第4章:再編される政治共同体(900年頃–1050年頃)
有力な土地所有者層(デュナトイ)の圧力を受けるビザンツ、ルーシの改宗、アッバース朝カリフ国の分裂とファーティマ朝の台頭、ヴァイキングとアルフレッド大王、オットー朝とカペー朝、「神の平和」、そして1000年前後の中東欧の新国家群。
第5章:新たな布置(1050年頃–1150年頃)
セルジューク朝、ムラービト朝とその西アフリカとの結びつき、シチリアとイングランドのノルマン人、「商業革命」、クリュニーとグレゴリウス改革、叙任権闘争、第1回十字軍(ラインラントのユダヤ人虐殺を含む)、イベリアの諸王国、そして学校、新しい修道会、ロマネスク建築の興隆。
第6章:実現した野心と挫かれた野心(1150年頃–1250年頃)
ムワッヒド朝とサラディン、チンギス・カンと、モンゴルを疫病の起源に結びつける近年の学説、イングランドのヘンリ2世、マグナ・カルタとフィリップ・オーギュスト、フリードリヒ・バルバロッサとフリードリヒ2世、第4ラテラノ公会議、托鉢修道士、ベギン会、カタリ派、後期の十字軍、イタリアのコムーネ、俗語文学、大学、ゴシック建築。
第7章:大地と精神の帝国(1250年頃–1350年頃)
モンゴル帝国とその影響、イルハン朝とマムルーク朝、マリ帝国、地中海とハンザの交易、フランドルとイタリアの諸都市における抗争、イングランド議会のような代表制機関、中東欧、アヴィニョン教皇庁、煉獄、そしてスコラ学者とその中世後期の批判者たち。
第8章:破局と創造(1350年頃–1500年頃)
最終章の地図と図がその範囲を示している。13世紀から15世紀にかけての疫病の拡散、1500年頃のオスマン帝国、百年戦争とブルゴーニュ公国、1450年頃の西ヨーロッパ、フィレンツェ大聖堂のドームの建設、そして15世紀の遠洋航海である。
主要概念
第1–3章:古代末期から900年頃まで
- 兄弟文化:ビザンツ、イスラーム世界、ラテン西方を、ローマ帝国の互いに関連する後継者とみなす考え方。
- 属州化:ローマ帝国の軍隊、首都、富がローマから属州へと移っていったこと。
- 民族生成(エスノジェネシス):蛮族の諸集団の間で新しい民族やアイデンティティが形成されること。
- 聖像破壊運動:宗教的な画像をめぐるビザンツの論争。
- カリフ制:ムハンマド以後のイスラームの統治。ウマイヤ朝からアッバース朝へ。
第4–6章:900年頃–1250年頃
- 分裂と国家形成:ある地域での政治的分裂と並行して、しばしば改宗と結びつきながら1000年前後に新しい王国が形成されたこと。
- 商業革命:11世紀以降の都市、交易、貨幣の成長。
- グレゴリウス改革と叙任権闘争:教会を俗人の支配から解放しようとする教皇権の取り組み。
- 十字軍:聖地への遠征と、同じ時期のスペインやカタリ派などの異端に対する戦争。
第7–8章:1250年頃–1500年頃
- モンゴル帝国:征服の後、交易と宗教的多様性を促した広大なユーラシア国家。
- 代表制機関:統治者が設けた議会や身分制議会。
- スコラ学:信仰と理性を調和させようとする中世の試みと、その後期の批判者たち。
- 疫病:Yersinia pestis(ペスト菌)によるパンデミック。現在では中央アジアにその起源がたどられている。
批判的分析
長所
- 比較の枠組み。 すべての章でビザンツ、イスラーム、西方を兄弟として扱い、この版では西アフリカ、中央アジア、中東欧にまで視野を広げているため、西ヨーロッパに限った概説より広い。
- 時期ごとの短い章。 年代と結びついた8章は明快な年代軸を与え、1章を1、2週で課すことも容易である。
- 視覚資料。 各章に対応した地図、系図、美術と建築の図版、発掘遺跡の線画が本文と一体になっている。学習問題は繰り返し、章をまたいで地図を比較したり、図版を史料として読んだりすることを求める。
- 自習への手厚い支援。 付属サイトの短答問題、地図問題、図版問題、論述問題は、模範解答と重要語とともに、学生が章ごとに理解を確かめられるようにしている。
短所
- 圧縮。 約1200年と三つ以上の文明を約340ページに収めているため、各テーマには数段落しか割かれない。本書は詳細な叙述ではなく枠組みである。
- 概説であって史料集ではない。 図版や「物質文化」特集は物や画像を取り入れるが、本書は文字史料を提示するのではなく要約する。翻訳史料は出版社が別に、たとえば Reading the Middle Ages として刊行している。
- 最終章への支援の不足。 付属サイトの学習問題は第7章までで終わっているため、1350年頃–1500年頃を扱う最終章はそれなしで準備しなければならない。
コースにおける位置づけ
ローゼンワインは、中世史の書目への二つの入口の一つである。ミリ・ルービンの The Middle Ages: A Very Short Introduction は、中世とは何だったのか、人々はどのように生き考えたのかを論じる、はるかに短い主題別の小論である。ローゼンワインは、ルービンが前提としている年代順の叙述と地図を与える。方向づけのために先にルービンを読むか、その主題のために並行して読むとよい。
ジュディス・ベネットとサンディ・バーズリーの Medieval Europe: A Short History は、後期ローマ世界から1500年頃までのヨーロッパを扱うより長いアメリカの概説書で、ヨーロッパの社会と文化により多くの注意を払う。クリス・ウィッカムの Medieval Europe は、西ローマ帝国の終焉から宗教改革までを扱う簡潔で解釈的な歴史である。どちらもローゼンワインの後の次の一歩としてよく、ビザンツとイスラーム世界に同等の重みを与える点でローゼンワインは両者と異なる。ウィッカムの Framing the Early Middle Ages は400–800年の大規模な比較社会経済史で第1–3章を深め、R・I・ムーアの The Formation of a Persecuting Society は、ユダヤ人や異端者の扱いなど第5–6章の主題を展開する論争的研究である。
本書の使い方
中世史を学んだ経験は不要である。大学1年生、歴史的文脈を必要とする文学・美術史・宗教学の学生、一般読者に向いている。
推奨プラン:
- 中核: 8章すべてを順番に読む。年代は章から章へと積み重なり、兄弟の比較は三つの世界を一緒に追ってこそ機能する。
- 短期の授業では: 中世前期として第1–3章、次に中世盛期として第5章と第6章、締めくくりに第8章。
- 任意: 三つの「物質文化」特集。物や技術についてのゼミに役立つ。
地図は能動的に使うこと。学習問題は、たとえば600年頃と750年頃の地図の間で西ヨーロッパがどう変わったか、600年頃から1100年頃にかけてトゥールがどう成長したかを問う。各章の後、模範解答を見る前に付属サイトの短答問題に挑戦し、論述問題は復習に使う。概説は史料集と組み合わせるとよい。トロント大学出版局の Reading the Middle Ages は同じ付属サイトに掲載されており、他の翻訳史料集でもかまわない。
