01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Tosh, J. (2021). The Pursuit of History: Aims, Methods and New Directions in the Study of History (7th ed.). Routledge.
章の要約
第7版は13章からなり、約300ページである(Routledge は324ページ、Google Books は紙版を308ページとしている)。出版社の紹介によれば、本書は根本的な問いから出発する。歴史を学ぶ意味は何か、過去はどのように知りうるのか、客観的な歴史的真実は存在し、そこに到達できるのか、という問いである。
第1–3章:歴史的意識/歴史の効用/分野の見取り図
冒頭の章は、出版社が強調する問い、すなわち歴史がなぜ学ばれるのか、そしてどのような主張を支えられるのかを扱う。第3章の題「分野の見取り図(Mapping the Field)」は、史料と方法に進む前に学問分野の概観を示すことを示唆している。紹介文によれば、Tosh は、ポストモダニズムが生んだ断片化の印象にもかかわらず、歴史学は19世紀の起源の刻印を今も残す一貫した学問分野であると論じている。
第4–5章:素材/史料の用い方
この2章は、歴史家が依拠する証拠を取り上げる。出版社の紹介は、本書が、歴史的知識が史料の性格にどれほど左右されるかを読者に意識させるものだと述べ、第7版では史料批判の部分でデジタル化がより詳しく扱われていると説明している。
第6章:叙述と解釈
章題は、史料を扱う段階から、解釈を組み立て文章として叙述する段階への移行を指しており、出版社が副題で「方法」と呼ぶ関心に対応している。
第7章:歴史的知識の限界
章題は、歴史的知識が何を確立でき、何を確立できないかの議論を示唆しており、客観的な歴史的真実は存在するのか、それに到達できるのかという出版社の問いとつながる。
第8–9章:歴史と社会理論/文化的証拠と文化論的転回
歴史的説明に対する理論と文化的アプローチの影響を扱う2章である。出版社が本書を「歴史の理論と実践」の手引きと呼ぶとき、この2章はその「理論」の側に位置づけられる。
第10–12章:ジェンダー史とポストコロニアル史/記憶と口述/アカデミアの外の歴史
これらの章は、学問分野の新しい方向を概観する。ジェンダーおよびポストコロニアルのアプローチ、記憶と口述証言、大学の外における歴史の存在である。出版社は、このうち最後のものを、公共史との関連でデジタル化が今や重みを増していることと結びつけている。
第13章:結論:歴史の今日性
出版社によれば、本書は、歴史的な視点が現在の主要な問題を照らし出すことへの率直な念押しで結ばれる。
主要概念
第1–3章:目的と分野
- 歴史的意識:第1章の題にある概念で、過去がなぜ重要かを考える出発点。
- 歴史の効用:歴史を学ぶことが何のためかという問いで、第2章の題になっている。
- 分野の見取り図:第3章の題が予告する、学問分野の概観。
第4–7章:史料、解釈、限界
- 一次史料(素材):第4章で検討される証拠。
- 史料批判:第5章での史料の評価で、第7版ではデジタル化された史料にも拡張されている。
- 解釈:第6章での、証拠から文章による論証への移行。
- 歴史的知識の限界:第7章で扱われる客観性の問題。
第8–13章:理論と新しい方向
- 社会理論と文化論的転回:第8章と第9章の主題。
- ジェンダー史とポストコロニアル史:第10章にまとめられたアプローチ。
- 記憶とオーラル・ヒストリー:第11章の史料と主題。
- アカデミアの外の歴史:第12章で論じられる、歴史の公共的・大衆的な存在。
- 今日性:歴史的な視点は現在の問題に関わるという第13章の主張。
批判的分析
長所
- 方法と史学史が一冊に。 Thomas W. Gallant は、出版社のページに前版への賛辞として引用されている文章で、本書は史学史をたどること、歴史学の方法を描き出すこと、ここ数十年の主要な展開を論じることの間で非常によい均衡をとっていると述べた。目次はこれを裏づける。第4–7章は証拠の扱い方を、第8–12章はアプローチを扱っている。
- 明晰さ。 出版社が前版について引用する書評は、文章に繰り返し触れている。Catherine Dewhirst は歴史学を学ぶことを喜びにする本だと評し、Nicholas Karn は主な競合書より明快かつ簡潔に動向を概観していると述べた。
- 実用的な学習支援。 出版社は、この版が欄外の用語注、図版、参考文献の案内を引き続き備えていると述べ、付属のウェブサイトにも触れている。
- 更新。 出版社によれば、この版は、史料批判と公共史に関連してデジタル化の扱いを厚くし、本文と参考文献をより多くのアメリカおよびグローバルな研究に広げ、歴史の現在との関連を念押しして終わる。第6版の書評者 Robert James は、公共史、デジタル化された史料、歴史をめぐる論争、トランスナショナル・ヒストリー、アーカイブの性格に関する新しい内容を挙げた。
短所
- 各アプローチに1章ずつ。 約300ページの13章で、社会理論、文化論的転回、記憶と口述、アカデミアの外の歴史にそれぞれ1章が充てられ、ジェンダー史とポストコロニアル史は1章を分け合う。本書はこれらの分野の見取り図であり、どれか一つを深く学びたい読者は専門的な研究に進む必要がある。
- 明示された立場。 出版社は、本書がポストモダン的な断片化にもかかわらず歴史学は一貫した学問分野であると論じていると説明している。これは一つの立場として受け止め、理論と知識の限界を扱う章で他の説明と突き合わせて検討するのがよい。
- 追加された内容の範囲。 出版社は、アメリカおよびグローバルな研究をこの版での拡充として示している。世界各地の歴史叙述を比較した歴史が必要な学生は、グローバルな史学史を扱う専門書を加えるべきである。
- 2021年時点のもの。 第7版は2021年の刊行であり、それ以後のデジタルな方法や公共史の展開は含まれない。
コースにおける位置づけ
歴史学の方法のコースの書目の中で、Tosh は総合的な教科書である。なぜ歴史を学ぶのか、史料をどう扱うのか、学問分野がどう変化してきたのかを一冊で扱う。John H. Arnold の History: A Very Short Introduction と E. H. Carr の What Is History? はより短く、最初の一歩として適している。Arnold は歴史家がどのように史料を見つけ読むかを問い、Carr は事実が自らの社会に規定された歴史家によって選択され解釈されると論じる。どちらも Tosh の前に、あるいは第1–3章と並行して読める。
Marc Bloch の The Historian's Craft は、歴史的観察、史料批判、因果関係についての未完の古典的考察であり、第4–6章とよく組み合わせられる。Hayden White の Metahistory と、Georg Iggers、Q. Edward Wang、Supriya Mukherjee の A Global History of Modern Historiography は、コースの後半に向いたより手ごわい本である。White は歴史作品の背後にある叙述上の選択を、Iggers らは複数の地域にわたる歴史叙述の歴史を扱う。Tosh の、歴史的知識の限界と理論を扱う章(第7–9章)は White へのごく自然な準備になり、新しい方向を扱う第10–12章は、Iggers らのより広い概観へと続く。
本書の使い方
本書は学位課程の初めにいる歴史学専攻の学部生を対象としており、出版社が引用する書評者は、学部および大学院の理論・方法の授業にも推奨している。前提とする知識は示されていない。歴史学の研究書を読んだ経験が多少あると、例がより意味を持つ。
実際の進め方の例:
- 中心: 第1–7章。史料に基づく課題に取りかかる前に第1–3章を読み、一次史料を扱うときやエッセイ・卒業論文を計画するときに第4–6章を使う。
- 関心に応じて: 第8–12章。自分の研究に最も近いアプローチ(理論、文化、ジェンダー史とポストコロニアル史、記憶、公共史)を選び、それを用いた論文か研究書を1点併せて読む。
- 締めくくり: 第13章、歴史の今日性についての結論。
欄外の用語注と参考文献の案内は、特定の研究課題のための読書リストを作るのに使える。歴史学の雑誌の論文を1本併せて読めば、解釈と叙述の章を実際の論証に照らして試せる。
