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Contemporary World History(現代世界史) cover

歴史学

歴史学

Contemporary World History(現代世界史)

William J. Duiker

英語原題: Contemporary World History

近代アジア史家 William J. Duiker による、19世紀後半から現在までの世界史の入門的概説書の第7版である。政治史、経済史、社会史、文化史を一つの叙述にまとめ、ヨーロッパや北アメリカだけでなく、アジア、アフリカ、中東、ラテンアメリカにもバランスよく目を配る。

前提知識: 大学レベルの歴史学の予備知識は必要ない。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
twentieth centurycontemporary historyworld historyglobal survey教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Duiker, W. J. (2021). Contemporary World History (7th ed.). Cengage Learning.

章の要約

第7版(著作権表示2021年、2020年1月刊行)は416ページの教科書で、16章を5部にまとめている。出版社はこれを、政治・経済・社会・文化の歴史を統合した年代順の総合的叙述であり、個々の文明や地域の独自性を尊重しつつ地球規模のアプローチをとり、新しい研究と経済・社会・気候変動・国際関係における最近の出来事を反映して改訂されたものと説明している。各章には、文化や国家を比較する年表、詳しい地図と小さな部分地図、「Historians Debate」(歴史家の論争)の節、一次史料の抜粋を対比させる「Opposing Viewpoints」(対立する見解)、結びの節と「Reflections」(省察)のエッセイ、著者自身が撮影した写真が収められている。

第I部:New World in the Making(形成されつつある新しい世界、第1–3章)

第1章The Rise of Industrial Society in the West(西洋における産業社会の台頭)は、出発点としてヨーロッパと北米の工業化を示す。第2章The High Tide of Imperialism: Africa and Asia in an Era of Western Dominance(帝国主義の最盛期――西洋支配の時代のアフリカとアジア)と第3章Shadows over the Pacific: East Asia Under Challenge(太平洋にさす影――挑戦を受ける東アジア)は、1900年前後に西洋の圧力を受けた地域に目を向け、東アジアには独立した章が充てられている。

第II部:Cultures in Collision(衝突する文化、第4–6章)

第4章War and Revolution: World War I and Its Aftermath(戦争と革命――第一次世界大戦とその後)は、戦争とその後に続いた革命的な戦後処理を扱う。第5章Nationalism, Revolution, and Dictatorship: Asia, the Middle East, and Latin America from 1919 to 1939(ナショナリズム、革命、独裁――1919–1939年のアジア、中東、ラテンアメリカ)は、ヨーロッパ以外の戦間期に丸ごと1章を充てる。第6章The Crisis Deepens: The Outbreak of World War II(深まる危機――第二次世界大戦の勃発)は第二次世界大戦へと導く。

第III部:Across the Ideological Divide(イデオロギーの分断をこえて、第7–10章)

第7章East and West in the Grip of the Cold War(冷戦にとらわれた東と西)が戦後の対立を導入する。続いて三つの地域別の章がある。The United States, Canada, and Latin America(アメリカ合衆国、カナダ、ラテンアメリカ、第8章)、Brave New World: The Rise and Fall of Communism in the Soviet Union and Eastern Europe(すばらしい新世界――ソ連と東欧における共産主義の興亡、第9章)、Postwar Europe: On the Path to Unity?(戦後ヨーロッパ――統合への道?、第10章)である。

第IV部:Third World Rising(台頭する第三世界、第11–15章)

最も長い部で、地域ごとに組まれている。Toward the Pacific Century? Japan and the Little Tigers(太平洋の世紀へ?――日本と「小さな虎」たち、第11章)、The East Is Red: China Under Communism(東方紅――共産主義下の中国、第12章)、Nationalism Triumphant: The Emergence of Independent States in South and Southeast Asia(ナショナリズムの勝利――南アジアと東南アジアにおける独立国家の誕生、第13章)、Emerging Africa(立ち上がるアフリカ、第14章)、Ferment in the Middle East(揺れ動く中東、第15章)。

第V部:The New Millennium(新しい千年紀、第16章)

締めくくりの一章Constructing a New World Order(新しい世界秩序の構築)が叙述を21世紀へと進める。章題は、冷戦後の時代を新しい国際秩序の模索として位置づけている。

主要概念

第I–II部:産業社会、帝国、世界大戦

  • 産業社会:西洋の工業化が生み出した経済・社会秩序。本書の出発点である。
  • 帝国主義の最盛期:20世紀への転換期におけるアフリカとアジアへの西洋の支配。
  • 戦間期のナショナリズムと独裁:1919年から1939年までのアジア、中東、ラテンアメリカにおける運動と体制。

第III–V部:冷戦、脱植民地化、新しい千年紀

  • イデオロギーの分断:第III部を組み立てる、資本主義と共産主義の体制間の冷戦の対立。
  • 共産主義の興亡:ソ連と東欧の歴史をひとつの弧として描くもの。
  • 「第三世界」の台頭:アジア、アフリカ、中東における独立国家と新たな大国の出現。
  • 新しい世界秩序:冷戦後の国際体制を描こうとする試み。

批判的分析

長所

  • 真に地球規模の対象。 16章のうち5章が1945年以後のアジア、アフリカ、中東に充てられ、さらに1914年以前の東アジアと、戦間期のアジア・中東・ラテンアメリカにも章がある。本書の後半はヨーロッパと北米に支配されていない。
  • アジアに通じた著者。 ダイカーはペンシルヴェニア州立大学の東アジア研究名誉教授で、元米国外交官であり、ヴェトナムと近代中国についての著書がある。ピュリッツァー賞候補となったホー・チ・ミンの伝記もそのひとつである。その経歴は、東アジア、中国、日本と「小さな虎」たち、南アジア・東南アジアにそれぞれ設けられた章に表れている。
  • 史学史と史料を内蔵。 「Historians Debate」は解釈の違いを示し、「Opposing Viewpoints」は分析のために一次史料の抜粋を対にして示すので、学生は叙述を読む以上の練習ができる。
  • 扱いやすい分量。 16章、約400ページで、1学期に週1章ほどのペースに収まる。

短所

  • 1945年以後は地域別の章。 第III部と第IV部が地域ごとに組まれているため、脱植民地化や経済の変化のような地域横断的な主題は、学生が複数の章から自分で組み立てる必要がある。
  • 最近の数十年は1章のみ。 第V部は1章だけなので、冷戦終結以後の時期には比較的わずかな紙幅しか割かれていない。
  • 19世紀後半から始まる。 第1章は西洋の産業社会から始まるため、それ以前の世界史を学んでいない学生は、帝国主義と工業化の背景に簡単にしか触れられない。

コースにおける位置づけ

ダイカーの本は、このコースの入門的な教科書で、20世紀の世界史に初めて触れる学生のために書かれている。ウィリアム・R・キーラーの The Twentieth-Century World and Beyond は同じ期間を列強間の関係を中心とする国際関係史として扱い、外交の細部が多い。ダイカーは社会史・文化史と、アジア・アフリカ・ラテンアメリカの社会内部の展開により重きを置く。エリック・ホブズボームの The Age of Extremes は1914–1991年を扱う解釈的な単著の通史で、ダイカーの年代の流れを把握してから読むのがよい。

ダイカーの特定の部分については、コースに焦点を絞った研究がある。ロバート・J・マクマホンの The Cold War: A Very Short Introduction は第7章の簡潔な副読本として、オッド・アルネ・ウェスタッドの The Global Cold War は第III–IV部を貫くアジア・アフリカ・ラテンアメリカへの介入について、マーク・マゾワーの Dark Continent は第4・9・10章と並行して読む20世紀ヨーロッパの解釈的歴史として役立つ。

本書の使い方

大学レベルの歴史の予備学習は必要ない。1学期の計画:

  • 第1–6週: 第I–II部(第1–6章)、産業社会から第二次世界大戦の勃発まで。第5章はヨーロッパ以外の戦間期を扱うので、地球規模の授業では欠かせない。
  • 第7–10週: 第III部(第7–10章)。最初に第7章を読み、三つの地域別の章は好きな順で読んでよい。
  • 第11–15週: 第IV部(第11–15章)と第16章。時間の少ない教員は地域別の章を二つか三つ選び、残りを自主的な読書とすることができる。
  • 本文と並行して: 「Opposing Viewpoints」の史料をゼミの討論に、「Historians Debate」の節をレポートの課題に使う。章をまたいで年表を比べ、同じ時期に異なる地域で何が起きていたかを確かめる。