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The Production of Space(空間の生産) cover

地理学

地理学

The Production of Space(空間の生産)

Henri Lefebvre; translated by Donald Nicholson-Smith

英語原題: The Production of Space

アンリ・ルフェーヴルが1974年に著し、ドナルド・ニコルソン=スミスが英訳した書。社会的空間は空っぽの容器ではなく、社会関係と実践によって生産されるものだと論じる。社会地理学・文化地理学、都市研究、空間論において最も影響力のある理論的著作の一つとなっている。

前提知識: 文化地理学・社会地理学の授業を受け、マルクスを含む社会理論をある程度読んでいること。

難易度レベル
上級
学術レベル
大学院
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Lefebvre, H. (1992). The Production of Space (D. Nicholson-Smith, Trans.). Wiley-Blackwell.

章の要約

英語版はルフェーヴルの『空間の生産』(La production de l'espace、1974年)の翻訳である。全体は約450ページで、番号付きの7章からなり、前に訳者の謝辞、後ろにデヴィッド・ハーヴェイによる後書きと索引が付く。出版社は本書を、「精神的空間」(哲学者の空間)と現実の空間(人々が生きる物理的・社会的領域)との和解を求める試みと説明している。空間の意味をめぐる形而上学的・イデオロギー的な考察から出発し、家庭や都市の日常生活における空間の経験へと進む。

第1章:本書の計画

冒頭の章は、企ての全体像と議論の道筋を示す。ルフェーヴルが答えようとする問いや、後の章が前提とする用語を確かめるには、この章を見るとよい。

第2章:社会的空間

章題は本書の中心主題、すなわち空間は空っぽの容器ではなく社会的な産物であることを示している。理論を知るにはまずこの章を読むとよい。ルフェーヴルと結びつけられることの多い三項図式もこの理論に属する。空間的実践(知覚された空間)、空間の表象(構想された空間、計画家・建築家・専門家の空間)、表象の空間(生きられた空間、象徴や個人の経験によって形づくられる)である。

第3章:空間のアーキテクトニクス

章題は空間の構造、つまり空間がどのように組み立てられ組織されるかを指している。社会的空間の章に直接続く章である。

第4章:絶対空間から抽象空間へ

ここから議論は歴史的になる。ルフェーヴルは、どの社会もどの生産様式も固有の空間を生産すると考える。本章は絶対空間から近代社会の抽象空間への移行をたどる。

第5章:矛盾する空間

章題が示すとおり、本章は空間の矛盾を扱う。この主題は次の章の題にも引き継がれている。

第6章:空間の矛盾から差異の空間へ

第6章は空間の矛盾から「差異の空間」の可能性へと進む。題に示された、抽象空間に対する別の空間である。

第7章:開かれと結論

最終章は「開かれと結論」で本書を締めくくる。その後にデヴィッド・ハーヴェイの後書きが置かれている。

主要概念

第1–3章:計画、社会的空間、空間のアーキテクトニクス

  • 社会的空間:あらかじめ与えられたものではなく、社会的関係と実践によって生産されるものとして理解された空間。
  • 精神的空間と現実の空間:哲学者の空間と、日常生活の物理的・社会的空間とのあいだの隔たり。本書はこれに橋を架けようとする。
  • 概念の三項図式:知覚された空間・構想された空間・生きられた空間。それぞれ空間的実践、空間の表象、表象の空間に対応する。

第4–5章:絶対空間、抽象空間、矛盾する空間

  • 絶対空間と抽象空間:第4章の歴史的議論の土台となる対比。
  • 矛盾する空間:第5章が抽象空間の内部に見いだす矛盾。

第6–7章:差異の空間

  • 差異の空間:第6章の題に示された、抽象空間に代わる空間。

批判的分析

長所

  • いまや標準となった考え方の基礎的な表明。 出版社は本書をルフェーヴルの主要な哲学的著作と位置づけている。空間は中立的な背景ではなく社会的に生産されるという中心的主張は、地理学者、都市研究者、空間理論家が今も出発点とするものである。
  • 分野を横断する理論。 出版社の説明によれば、本書は芸術、文学、建築、経済学に及び、哲学的議論を家庭や都市の日常的経験と結びつける。文化地理学、都市研究、建築の読者は、それぞれの分野に関わる内容を見つけられる。
  • 翻訳と付録。 出版社は、ドナルド・ニコルソン=スミスの訳が著者の機知、逸話、文体をよく伝えていると評価している。英語版には訳者の謝辞とデヴィッド・ハーヴェイの後書きも収められている。

短所

  • 初学者には難しい。 本書は哲学とマルクス主義の語彙に慣れた読者を想定している。教科書ではなく社会理論の書であり、1年生に社会的空間の考え方を紹介するために書かれたものではない。
  • 道しるべが少ない。 目次は7章のみで節の区分がなく、構造は読みながら見つけるほかない。議論の案内が欲しい読者は、二次的な解説やハーヴェイの後書きに頼ることになる。
  • 本書が引き起こした議論より古い。 フランス語の原著は1974年、英語版のテキストは1991–92年のものなので、後の議論、たとえばルフェーヴルが「現実に存在する社会主義」を退けたことへの批判などは含まれていない。

コースにおける位置づけ

文化・社会地理学の読書リストの中で、ルフェーヴルは空間がどのようにつくられるかを論じる主要な理論的典拠である。イーフー・トゥアンの『Space and Place』は、人々が空間と場所をどう経験し意味づけるかを論じた短い人文主義地理学の古典であり、ティム・クレスウェルの『Place: An Introduction』は「場所」という概念への学生向けの短い入門書である。どちらもはるかに取り付きやすく、ルフェーヴルの「生きられた空間」を理解するための準備になる。

ドリーン・マッシィの『For Space』は、空間は社会的関係の産物であり、開かれ、常に構築の途上にあると論じる理論書で、併読や次の一冊として自然である。まずルフェーヴル、次にマッシィの関係論的な説明という順になる。ドン・ミッチェルの『Cultural Geography: A Critical Introduction』とノートン、ウォルトン=ロバーツの『Cultural Geography』は下位分野の概観で、この理論が学問全体のどこに位置するかを示してくれる。

本書の使い方

本書は、文化・社会地理学の授業をすでに履修し、マルクスにも多少なじみのある地理学、都市研究、建築学、社会理論の大学院生や上級学部生に向いている。空間についての最初の一冊ではない。

読む順序の目安は次のとおり。

  • 核心: まず第1章で方向をつかみ、理論の中心である第2章(Social Space)を読む。用語に慣れてから第3章に戻る。
  • 歴史的・批判的議論: 第4–6章。絶対空間から抽象空間へ、その矛盾へ、そして差異の空間へと進む。
  • 締めくくり: 第7章、続いてハーヴェイの後書きで後の読者の評価を知る。

短い区切りで読み、章ごとに「空間」が何を指し、誰が生産するとされているかを書き留めるとよい。知覚・構想・生きられた空間の三項図式を、近隣地区や計画開発地など身近な場所に当てはめ、議論が三つのうちどれを強調するかを確かめる。事前にトゥアンやクレスウェルを、あとでマッシィを読むと、本書の位置づけがつかみやすい。