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環境地理学 cover

地理学

地理学

環境地理学

William M. Marsh; John Grossa Jr.

英語原題: Environmental Geography

人間-環境相互作用、環境システム、持続可能性、環境問題と解決策の地理学的次元を検討する環境地理学への統合的アプローチ。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
環境地理学人間-環境相互作用持続可能性環境システム気候変動自然資源環境政策保全

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Marsh, W. M., & Grossa, J., Jr. (2004). Environmental Geography: Science, Land Use, and Earth Systems (3rd ed.). John Wiley & Sons.

章の要約

本書は全18章、約430ページで、そのあとに用語集と参考文献(さらに読むために)のリストが続く。Wiley は、従来の自然地理学と人間に関わる環境問題を結びつけ、自然のプロセスとシステムに重点を置き、地図などの地理学の道具を使う本だと説明している。各章の末尾には、要約、重要用語と概念、復習問題がある。第3版では最初の5章が並べ替えられ、問題と視点から、環境の基礎知識、地球とその住民の状況に関する事実へと流れるようになった。持続可能性という主題は、16の新しい事例(うち12は持続可能性に関するもの)を貫いている。

第1〜3章:危機にある世界;人間と環境の持続的な均衡を求めて;地球規模の文脈といくつかの地理学的要請

枠組みを与える章である。第1章は、20世紀の人口・都市・資源・汚染の動向から始め、進展の兆しと続く問題とを秤にかけたうえで、開発の概念、環境収容力、成長の限界へ進む。第2章は、持続可能な土地利用、資源会計、持続可能性を実現する際の制約を取り上げる。第3章は環境地理学の範囲を定め、地球規模の設定やスケールとリスクの役割から、農村・都市の土地利用、価値観と規制が果たす役割までを扱う。

第4〜5章:地球規模の循環とシステム;生態系と生物気候環境

科学的な基礎の部分である。第4章は、地球の圏、太陽エネルギーの供給と分布、炭素・酸素・窒素・リンの循環、ガイア概念を扱う。第5章は、食物連鎖、エネルギーの流れ、植物の生産力、生態系の主な型と地球規模のパターン、人間による撹乱を扱う。

第6〜8章:人類の拡散と最後のフロンティア;人口;農業、食料生産、飢餓、環境

人と資源である。人類の拡散と周縁の環境(湿潤熱帯、乾燥地、寒冷地、山地、大陸棚)、人口の動向・人口転換・家族計画・移住、そして農業・飢餓・緑の革命とその環境影響および持続可能な農業の展望を扱う。

第9〜11章:エネルギーの生産・利用と環境;大気環境;大気汚染

化石燃料、原子力、再生可能エネルギー、効率化。続いて大気の構造と循環、熱収支、温室効果と地球温暖化、都市気候と気候の管理。そして大気汚染の種類・発生源・パターン・影響・規制を扱う。

第12〜15章:水文環境;水質汚染;有害廃棄物;土壌と土地

資源であり災害でもある水と土地を扱う。水循環、嵐、洪水、地下水と水管理。地表水・地下水・海洋の汚染とその処理。有害廃棄物の発生源・処分・規制・リサイクル。そして土壌の性質・形成・侵食とその帰結である。

第16〜18章:生物多様性;オープンランド資源;地球環境の管理

生物多様性、絶滅、保護。森林、草地、公園、原生地域。そして、持続可能な開発に向けた進展、国際機関、環境管理におけるリモートセンシングと地理情報システムの活用を扱う終章である。

主要概念

第1〜5章:枠組みとシステム

  • 環境収容力と成長の限界:地球は何人を養えるのかという問いで、第1章で導入される。
  • 持続可能な土地利用と自然資源会計:第2章が示す、利用と保護の均衡をとるための考え方。
  • 栄養循環とガイア概念:炭素・酸素・窒素・リンの循環を通じた物質の移動と、地球を自己調節するシステムとみなすガイアの考え方(地球生理学とともに論じられる)。
  • 遷移と撹乱:生態系が時間とともにどう変わるかのモデル。

第6〜15章:人間、資源、汚染

  • 人口転換:出生率と死亡率の移り変わりで、第7章が人口動向の説明に用いる。
  • 緑の革命:収量の高い農業とその環境上の代償。
  • 温室効果と地球温暖化:第10章の物理的な基礎。
  • 水循環、土壌形成、侵食:第12章と第15章の背後にある自然のプロセス。

第16〜18章:保全と管理

  • 景観生態学と生息地の喪失:土地利用の変化が生物多様性にどう影響するか。
  • 持続可能な開発と国際機関:第18章の政策の枠組み。
  • リモートセンシングと GIS:環境変化を監視するための道具。

批判的分析

長所

  • 自然地理と人文地理を併せ持つ。 目次は地球システムと生態系から、人口、農業、エネルギー、汚染、土地利用へと進み、各環境問題をその自然的な基盤と人間的な原因の両方の上に置いている。
  • 持続可能性が一貫した筋になっている。 Wiley は、16の新しい事例(12は持続可能性)と、政府・企業・NGO・個人の取り組みへのより強い重点を強調している。
  • 政策への目配り。 Wiley は、初版が法律・規制・国際協定の扱いで評価されたと述べており、規制は複数の章の節見出し(たとえば第3、8、14章)にも現れる。
  • 学習の工夫と道具。 どの章も要約、重要用語、復習問題で終わり、第18章は実用的な方法としてリモートセンシングと GIS を紹介する。

短所

  • 証拠が古い。 2004年刊行の本書は、2003年の国連人口推計や2000年代初めの数値に依拠している。気候の章には、地球温暖化の扱いの中に「反対論」という見出しの小節がある。最新の気候科学とデータには別の資料が必要である。
  • 北米に偏る。 政策や制度の例の多くは米国のもので、スーパーファンド計画、国立公園・国有林のシステム、米国の自然保護運動、米国の食料援助などがある。他の国は主に事例として登場し、第7章のブラジル、第14章のボパールや中・東欧がその例である。
  • 深さより広さ。 18章が主要な環境テーマのすべてを概観しているので、政治生態学や気候政策のような特定のテーマを深めたい学生には、より専門的な本が必要になる。

コースにおける位置づけ

Marsh と Grossa の本は、このコースにおける一般的でシステム志向の教科書である。Maslin の Climate Change: A Very Short Introduction は、証拠・影響・緩和・適応を述べた2021年刊の簡潔な本で、第10章と第18章の気候に関する議論を最新に近づけてくれる。McGuire の Global Catastrophes: A Very Short Introduction は、大規模な災厄の自然的・人為的な原因と影響を扱い、災害や生態系の内容への短い補足になる。

Robbins の Political Ecology: A Critical Introduction は、環境変化を権力、経済、社会的差異と切り離せないものとして論じる。この視点は Marsh と Grossa の目次には現れない。Hulme の Why We Disagree About Climate Change は、同じ自然科学を受け入れる人々がなお深く意見を異にする理由を考察しており、第10章と第18章の科学に社会的な次元を加える。まず幅広い基礎として Marsh と Grossa を読み、そのあと関心に応じてこれらから選ぶとよい。

本書の使い方

Wiley は、本書が学部生に適した水準で書かれ、主要なテーマへのよい入門になっていると述べ、教員が重点を置くテーマを選べるとも述べている。

実際的な進め方は次のとおり。まず第1〜5章を読む。枠組みと、後で使うシステムの語彙がここにあるからである。そのあとテーマで選ぶ。人口と食料なら第6〜8章、エネルギーと大気なら第9〜11章、水・廃棄物・土壌なら第12〜15章、生物多様性と土地の保護なら第16〜17章である。最後に第18章を読む。この章は各々の糸を束ね、リモートセンシングと GIS を紹介する。

各章末の復習問題と重要用語リストで復習し、数値データは一時点のスナップショットとして、最新の資料と照らし合わせて扱うこと。