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Animal Physiology(動物生理学) cover

生物学

生物学

Animal Physiology(動物生理学)

Richard W. Hill; Daniel Cavanaugh; Margaret Anderson

英語原題: Animal Physiology

器官や器官系の機能を生態学的・進化的文脈に位置づける比較動物生理学の教科書。ヒル、カヴァノー、アンダーソンは、脊椎動物と無脊椎動物にわたり、遺伝子や分子から個体全体まで生理学的な問いを追い、動物が環境中の温度、水、酸素、活動の要求にどう対処するかを重視する。

前提知識: 生物学と化学の入門、および細胞生物学または生理学の基礎的な授業。

難易度レベル
上級
学術レベル
学部
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Hill, R. W., Cavanaugh, D. J., & Anderson, M. (2022). Animal Physiology (5th ed.). Sinauer Associates (Oxford University Press).

章の要約

第5版は約900ページで、6部30章に9つの付録、用語集、索引が付く。出版社はその特色を、ゲノムや分子から細胞、組織、器官、器官系まで、あらゆる階層で生態学的・進化的な文脈を与える点にあると説明している。第II部から第VI部の終わりには、それぞれ「At Work」の章があり、その部の内容を一つの事例に適用する。『Yale Journal of Biology and Medicine』に載った第2版の書評(Montague, 2009)も同じ構成を述べており、各部の後に1章ずつ、計5章あるとしている。以下の章題は出版社の目次によるもので、説明は章題とこの書評の範囲にとどめている。

第I部、第1〜5章:Fundamentals of Physiology(生理学の基礎)

第1章「Animals and Environments: Function on the Ecological Stage」(動物と環境:生態学の舞台での機能)は、動物の生理は、その環境が何を要求するかを問うことで最もよく理解できるという、本書の前提を示す。続く4章は道具立てを与える。「Molecules and Cells in Animal Physiology」(動物生理学における分子と細胞)、「Genomics, Proteomics, and Related Approaches to Physiology」(ゲノミクス、プロテオミクスと関連する生理学的手法)、「Physiological Development and Epigenetics」(生理的発達とエピジェネティクス)、「Transport of Solutes and Water」(溶質と水の輸送)である。

第II部、第6〜11章:Food, Energy, and Temperature(食物、エネルギー、温度)

栄養・摂食・消化(第6章)から、エネルギー代謝(7)、好気的・嫌気的な代謝(8)、好気的活動のエネルギー論(9)、熱的関係(10)へ進む。第11章はこの部の統合の章で、題は「Food, Energy, and Temperature」、At Workの事例「The Lives of Mammals in Frigid Places」(極寒の地の哺乳類)が付く。

第III部、第12〜18章:Integrating Systems(統合する系)

ニューロン(12)、シナプス(13)、感覚過程(14)、神経系の構成と生物時計(15)、内分泌・神経内分泌の生理(16)、生殖(17)。第18章「Integrating Systems」にはAt Workの事例「Animal Navigation」(動物のナビゲーション)が付く。Montagueの書評によれば、第2版のこの部は神経系、内分泌系、生殖系を中心に構成されていた。

第IV部、第19〜21章:Movement and Muscle(運動と筋肉)

「Control of Movement」(運動の制御、19)と「Muscle」(筋肉、20)に続き、第21章「Movement and Muscle」にはAt Workの事例「Plasticity in Response to Use and Disuse」(使用・不使用への応答としての可塑性)が付く。

第V部、第22〜26章:Oxygen, Carbon Dioxide, and Internal Transport(酸素、二酸化炭素、体内輸送)

生理学における酸素と二酸化炭素の序論(22)、外呼吸と呼吸の生理(23)、体液中での酸素と二酸化炭素の輸送(酸塩基生理の序論を含む、24)、循環(25)。第26章「Oxygen, Carbon Dioxide, and Internal Transport」には「Diving by Marine Mammals」(海生哺乳類の潜水)が付く。第2版の書評は、1時間を超える潜水を可能にする呼吸の適応の例として、この潜水の事例を挙げている。

第VI部、第27〜30章:Water, Salts, and Excretion(水、塩類、排出)

水と塩類の生理:序論と機構(27)、環境の中での動物の水と塩類の生理(28)、腎臓と排出(窒素排出に関する注を含む、29)。第30章「Water, Salts, and Excretion」には「Mammals of Deserts and Dry Savannas」(砂漠と乾燥サバンナの哺乳類)が付く。

付録

9つの付録は、国際単位系、桁を表す接頭辞、標準温度・圧力での気体、対数、指数式とアロメトリー式、系統発生的独立対比、標準アミノ酸、基本的な物理用語、哺乳類の主な血中ホルモンの一覧である。

主要概念

第I部

  • 生態学的文脈の中での機能:動物の生理は、その生息環境によって説明される。第1章の出発点。
  • エピジェネティクスと生理的発達:第4章の主題。
  • 溶質と水の輸送:第5章の主題。

第II〜III部

  • 好気的代謝と嫌気的代謝:第8章で対比される。
  • 熱的関係:動物が温度にどう対処するか。第10章。
  • 神経内分泌による統合:ニューロン、シナプス、感覚、ホルモン、生物時計を一つの制御系の部分として扱う(第12〜16章)。

第IV〜VI部

  • 筋肉と運動の制御:第19〜20章。
  • 酸素と二酸化炭素の輸送および酸塩基生理:第24章。
  • 水と塩類の収支、排出:第27〜29章。
  • アロメトリー式と系統発生的独立対比:付録が説明する定量的な道具。

批判的分析

長所

  • 比較の幅広さ。 Montagueの書評は、ヒトに集中しがちな一般的な生理学教科書と対比して、本書があらゆる動物に共通する原理を述べ、一般原理と多様な種の実例を行き来すると評している。第5版の機能別に組まれた目次も、その構造を保っている。
  • 生態学的・進化的な枠組み。 出版社は、生態学と進化を分子・細胞の生理と結びつけることを、範囲の狭い教科書との違いとしている。第1章と各At Work章がそれを具体化する。
  • 事例の章。 5つのAt Work章(寒冷地の哺乳類、動物のナビゲーション、筋肉の可塑性、海生哺乳類の潜水、砂漠の哺乳類)が各部の最後に詳しい実例を示し、書評はそれが概念をより大きな文脈に置く方法だと見ている。
  • 学習の支援。 第2版の書評は、各章末の短い参考文献リスト、節ごとの要約、学習用の問いを挙げている。出版社は、自己評価クイズ、フラッシュカード、アニメーション図を含む拡張版電子書籍を提供しており、第7、14、23章がサンプルとして公開されている。

短所

  • 分量。 約900ページあり、1学期の講義で消化できる範囲を超える。教員も学生も、6つの部から選ぶ必要がある。
  • 早い版の書評に基づく記述。 各章の導入事例、節の要約、学習用の問いについての詳しい記述は第2版の書評によるものである。第5版は著者の構成が異なり、書評に出てこない主題(ゲノミクスやエピジェネティクスなど)も目次に含まれるため、これらの点は本書で確認すべきである。
  • ヒトの生理学は副次的な主題。 ヒトを対象とする講義の準備をする学生にとっても、比較の視点は価値があるが、本書がヒトの器官系の順に進むことを期待してはならない。

コースにおける位置づけ

このコースの他の本は、主にヒトを中心にしている。Anatomy and Physiology 2e は2学期のヒト対象の講義向けの無料の、系統別の教科書である。Ross と Wilson の Anatomy and Physiology in Health and Illness は、正常な機能と一般的な疾患を組み合わせた、コンパクトで図の多い入門書である。Silverthorn の Human Physiology: An Integrated Approach は、繰り返し現れる主題と各章を貫く問題の上に各器官系を組み立てる。Boron と Boulpaep の Medical Physiology は、分子から器官系までを網羅する包括的な解説である。Taiz らの Plant Physiology and Development は植物に関する対応書である。

Hill、Cavanaugh、Anderson の本は動物に関する対応書であり、ある種の生理が他の種とどう異なるかを説明する。これはヒト中心の教科書が目指していないことである。ヒトの生理学や解剖学の講義の後に読むか、比較の視点が欲しいときに Silverthorn と並べて読むのが適している。生態生理学や進化生理学を専門にしたい読者は、Boron と Boulpaep の前に本書を読むとよい。

本書の使い方

本書の対象は、生物学、動物学、生態学などの上級学部生で、一般生物学と化学を学び、できれば細胞生物学か生理学の入門講義も終えていることが望ましい。これは前提知識の記述とも一致する。

実践的な進め方は次のとおり。

  • 中核: 生態学的な前提と輸送の原理を示す第1章と第5章。そのうえで、講義に合う部を一つか二つ選ぶ(エネルギーと温度の第II部が最も自己完結している)。
  • 各器官系: 第III〜VI部は順不同で読める。各部では最後のAt Work章を最後に読む。その部の内容を再び使うためである。
  • 任意: 器官系が中心の講義では、第3章・第4章(ゲノミクス、プロテオミクス、エピジェネティクス)は二巡目に回してよい。種間の定量的な比較をするときは、アロメトリーと系統発生的独立対比の付録が重要になる。
  • 演習: 各章の学習用の問いを使う。拡張版電子書籍があれば、自己評価クイズも使える。