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Anatomy and Physiology 2e(解剖学と生理学 第2版) cover

生物学

生物学

Anatomy and Physiology 2e(解剖学と生理学 第2版)

J. Gordon Betts; Kelly A. Young; James A. Wise; Eddie Johnson; Brandon Poe; Dean H. Kruse; Oksana Korol; Jody E. Johnson; Mark Womble; Peter DeSaix

英語原題: Anatomy and Physiology 2e

二学期制の人体解剖生理学の授業向けに作られた、無料で公開ライセンスの教科書。人体の構造と機能を器官系ごとに説明し、細胞や組織を器官の働きと恒常性に結びつけ、臨床例を用いて疾患や損傷に対する体の反応を示す。

前提知識: 大学レベルの生物や化学は前提とせず、必要な化学と細胞生物学は本書の中で復習する。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
anatomyphysiologyhuman bodyorgan systemsopen textbook教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Betts, J. G., Young, K. A., Wise, J. A., Johnson, E., Poe, B., Kruse, D. H., Korol, O., Johnson, J. E., Womble, M., & DeSaix, P. (2022). Anatomy and Physiology 2e (2nd ed.). OpenStax. Free official edition: https://openstax.org/details/books/anatomy-and-physiology-2e

章の要約

本書の28章は、一般的な2学期制の順序に沿った6つのユニットにまとめられている。章の数が多いため、以下では密接に関連する章をユニットごとにまとめ、本書の章題(訳)をそのまま示す。

第1〜4章:人体への入門/化学的レベルの構成/細胞レベルの構成/組織レベルの構成

ユニット1は基礎を築く。第1章は解剖学と生理学を区別し、6つの構造的な階層、人間の生命の機能と必要条件、恒常性と負・正のフィードバック、解剖学用語(体位、部位、断面、体腔)、医用画像を説明する。第2章は原子、結合、反応、水、酸・塩基・緩衝液、体内の有機分子を復習する。第3章は細胞膜と物質輸送、細胞小器官、核とDNA複製、タンパク質合成、細胞周期、細胞分化(幹細胞とがんを含む)を扱う。第4章は4つの組織型と組織膜を紹介し、続いて上皮組織、結合組織、筋組織、神経組織を説明し、組織の損傷・修復・老化で終わる。

第5〜11章:外皮系/骨組織と骨格系/体軸骨格/付属肢骨格/関節/筋組織/筋系

ユニット2は支持と運動を扱う。外皮系の章は、表皮の層、真皮と皮下組織、毛・爪・腺などの付属器、皮膚の機能、熱傷やがんその他の疾患を説明する。骨格の章は、骨の機能、分類、構造、形成、骨折の修復、運動・栄養・ホルモンの影響、カルシウムの恒常性を説明し、続いて頭蓋、脊柱、胸郭、そして上肢帯・下肢帯と四肢を骨ごとにたどり、その胚発生にも触れる。関節の章は線維性・軟骨性・滑膜性の関節を分類し、身体の運動を命名し、肩や膝などの特定の関節を検討する。第10章は骨格筋・心筋・平滑筋を、滑り説、張力の神経制御、筋線維の種類と運動を含めて説明し、第11章はてこの系、筋の命名、主要な体軸筋と付属肢筋の作用を紹介する。

第12〜17章:神経系と神経組織/神経系の解剖/体性神経系/自律神経系/神経学的診察/内分泌系

ユニット3は調節と制御を扱う。第12章は神経系の区分、ニューロンとグリア、膜電位、活動電位、シナプスでの情報伝達を紹介する。第13章は胚発生を成人の脳の領域と関連づけ、続いて中枢神経系、その血液循環と保護膜、末梢神経系を説明する。第14章は感覚知覚(ここに統合された特殊感覚を含む)、中枢での処理、運動反応を扱い、第15章は交感神経系と副交感神経系、自律神経反射、中枢による制御、自律神経系に作用する薬を扱う。第16章は珍しい臨床的なアプローチをとり、神経学的診察の5つの部分(精神状態、脳神経、感覚、運動、協調運動と歩行)を通じて神経系の機能を説明する。第17章は、ホルモンとその作用機序、視床下部と下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、松果体、性腺と胎盤のホルモン、膵臓の内分泌部、副次的な内分泌機能をもつ臓器を概観する。

第18〜21章:心血管系:血液/心血管系:心臓/心血管系:血管と循環/リンパ系と免疫系

ユニット4は体液と輸送を扱う。血液の章は、血漿と有形成分、造血、赤血球、白血球と血小板、止血、血液型判定を説明する。心臓の章は、解剖、心臓の循環路、心筋と刺激伝導系、心周期、心拍出量とその調節、心臓の発生を扱う。血管の章は、血管の構造、血流・血圧・抵抗、毛細血管での物質交換、恒常的な調節、主要な循環経路、胎児循環を説明する。ユニット最後の章は、リンパ系の解剖、バリアと自然免疫による防御、Tリンパ球とBリンパ球と抗体、病原体に対する免疫応答、免疫疾患、移植とがん免疫を説明する。

第22〜26章:呼吸器系/消化器系/代謝と栄養/泌尿器系/体液・電解質・酸塩基平衡

ユニット5は環境との交換と体内の維持を検討する。呼吸器系の章は、導管部と呼吸部、肺、呼吸の力学、ガス交換とガスの運搬、運動や高地といった条件への適応をたどる。消化器系の章は、消化管と付属器官、消化の過程とその調節、化学的消化と吸収を扱う。第24章は、異化反応と同化反応、炭水化物・脂質・タンパク質の代謝、吸収期と吸収後期、エネルギーと熱の収支、栄養を説明する。泌尿器系の章は、尿の性状から腎臓の解剖とネフロンの微細構造を経て、ろ過、尿細管での再吸収、腎血流の調節、内分泌による制御へと進む。第26章は、体液区画、水と電解質の平衡、緩衝系と酸塩基平衡の障害を通じてこれらをまとめる。

第27〜28章:生殖系/発生と遺伝

ユニット6が本書を締めくくる。第2版で「精巣性」「卵巣性」の生殖系といった用語に改訂された第27章は、配偶子形成、生殖器の解剖とホルモンによる調節、生殖系の発生を扱う。第28章は、受精、胚と胎児の発生、妊娠・分娩・出産に伴う変化、出生後の新生児の適応、授乳、遺伝の様式をたどる。

主要概念

第1〜4章:体の構成のレベル

  • 恒常性とフィードバック:主に負のフィードバックによる内部の安定の維持で、正のフィードバックは出産などの過程を増幅する。
  • 構成の階層:化学、細胞、組織、器官、器官系、個体。
  • 膜輸送:受動的な拡散や浸透と、エネルギーを必要とする能動輸送。
  • 4つの組織型:上皮組織、結合組織、筋組織、神経組織。

第5〜11章:支持と運動

  • 皮膚の層:それぞれ異なる機能をもつ表皮、真皮、皮下組織。
  • 骨のリモデリングとカルシウムの恒常性:ホルモンによって調節され血中カルシウムと結びついた、骨の絶え間ない形成と吸収。
  • 関節の分類:構造的分類(線維性、軟骨性、滑膜性)と機能的分類(不動関節、半関節、可動関節)。
  • 滑り説:アクチンとミオシンのフィラメントが互いに滑り合うことによる筋収縮。

第12〜17章:調節、統合、制御

  • 活動電位:電位依存性イオンチャネルによって生じるニューロンの電気信号。
  • 交感神経系と副交感神経系:「闘争か逃走か」と「休息と消化」のための自律神経の出力。
  • 機能の局在:失われた機能から損傷部位を推定するために神経学的診察で用いられる原則。
  • ホルモンの作用機序:脂溶性ホルモンは細胞内受容体を介して、水溶性ホルモンは膜受容体とセカンドメッセンジャーを介して作用する。

第18〜21章:体液と輸送

  • 有形成分と血漿:血液の細胞成分と液体成分。
  • 心拍出量:心拍数と1回拍出量の積で、前負荷、収縮力、後負荷によって調整される。
  • 毛細血管での交換:静水圧と浸透圧によって駆動される液体の移動。
  • 自然免疫と獲得免疫:迅速な非特異的防御と、記憶を伴うTリンパ球・Bリンパ球による特異的応答。

第22〜26章:エネルギー、維持、環境との交換

  • 換気とガス交換:圧力差による空気の移動と、呼吸膜を通した酸素と二酸化炭素の拡散。
  • 消化の過程:摂取、推進、機械的・化学的消化、吸収、排便。
  • ネフロンの機能:尿をつくるろ過、尿細管での再吸収と分泌。
  • 酸塩基平衡:緩衝系、呼吸、腎臓によるpHの調節。

第27〜28章:人間の発生と生命の連続性

  • 配偶子形成:視床下部と下垂体の制御のもとでの、減数分裂による精子と卵母細胞の産生。
  • 胚と胎児の発生:受精と着床から器官形成と成長まで。
  • 遺伝の様式:優性・劣性・伴性遺伝とその予測。

批判的分析

長所

  • 2学期制の内容を網羅。 6つのユニットは、化学と細胞から生殖と遺伝まで、多くの2学期制の授業の範囲と順序に沿っており、各器官系の章を貫く統一テーマとして恒常性が用いられている。
  • 特色ある教授上の工夫。 序文が強調するように、特殊感覚は体性神経系の章に統合されており、第16章は神経学的診察を通じて神経系の機能を教える。これは解剖学を臨床的推論と結びつけるアプローチである。図版は主に黒の線画で、色は重要な構造にだけ使われ、多くの「Interactive Link」がミシガン大学のWebScopeの顕微鏡写真、シミュレーション、動画へと案内する。
  • 臨床とキャリアへの関連。 繰り返し現れるコラム(Homeostatic Imbalances、Disorders of the...、Aging and the...、Everyday Connection、Career Connection)は、減圧症やがんから、心タンポナーデ、睡眠時無呼吸、アプガースコアまでを扱い、採血や理学療法といった医療系の職業を紹介する。
  • 包摂的な第2版の改訂。 第2版の変更は、性とジェンダーに関わる区別の正確さ(Gender-Inclusive Biologyの助言による)、より多様な人々を表す図版、そして肌の色によって現れ方が異なる症状の写真に重点を置いている。

短所

  • 非常に長い。 約1,350ページあり、授業用の教科書であると同時に参考書でもある。独習者は、特に詳細な骨格と筋の章で、節を選ぶ必要がある。
  • 生理学的な深さのむら。 一部の生理学的機序(心臓や腎臓の調節など)は丁寧に説明されるが、定量的な扱いや実験的証拠は限られており、医学生理学に進む学生には、より分析的な教科書が必要になる。
  • 独習用の解答は限られる。 序文によれば、「Interactive Link」の問い、復習問題、批判的思考の問題のうち奇数番号の解答は学生用ソリューションマニュアルにあり、偶数番号の解答は教員にのみ提供される。
  • 人体に限られた範囲。 本書は人体の解剖学と生理学のみを扱い、比較生理学や植物生理学は含まない。これは、動物生理学や植物生理学の教科書も挙げられているコースでは重要な点である。

コースにおける位置づけ

生理学・解剖学のコースにおいて、本書は人体の解剖学と生理学のための入門用の無料の中心的教科書である。同じく初学者向けのウォーとグラントの『Ross & Wilson Anatomy and Physiology in Health and Illness』は、一般に、看護教育でよく使われる、より短く臨床寄りの入門書とされる。どちらも最初の教科書になりうるが、OpenStaxのほうが詳しく、コラムも多い。シルバーソーンの『Human Physiology: An Integrated Approach』(学部向けの生理学教科書)は生理学的機序とその統合に焦点を当て、ボロンとブールペップの『Medical Physiology』は医学部向けの詳細な教科書であり、いずれもOpenStaxの対応する章の後に読むのが最もよい。

挙げられている他の2冊は、人間以外へと範囲を広げる。タイツらの『Plant Physiology and Development』(上の学年向けの植物生物学の教科書)と、ヒル、キャヴァノー、アンダーソンの『Animal Physiology』(比較の視点に立つ教科書)は、植物と動物の比較生理学を扱う。『Anatomy and Physiology 2e』は、比較の内容を理解するための人体の基準を与えるが、それらの本の代わりにはならない。

本書の使い方

本書は、看護や医療系の進学を目指す学生が一般に履修する、2学期制の解剖生理学のために作られている。第2〜4章で必要な化学と細胞生物学を復習するので、大学レベルの生物学や化学は前提とされない。

一般的な計画は、第1学期にユニット1〜3(第1〜17章)、第2学期にユニット4〜6(第18〜28章)を扱うものである。後の章がそれに依拠するので、第1章の用語と恒常性の節を丁寧に読むとよい。各章は章の目標から始め、本文とともに線画の図をよく見て、「Interactive Link」、特に組織学のためのWebScopeの顕微鏡写真や生理学的過程のアニメーションをたどるとよい。復習には「Chapter Review」の要約を使い、「Interactive Link」の問い、復習問題、批判的思考の問題に答え(奇数番号の解答は学生用ソリューションマニュアルで確認できる)、「Disorders」や「Homeostatic Imbalances」のコラムを読んで正常な機能と疾患を結びつけるとよい。第7・8・11章のような解剖学中心の章では、読み返すよりも図に名称を書き込む練習をするとよい。

版と出典

本ガイドは『Anatomy and Physiology 2e』(OpenStax、初版刊行2022年)に基づいており、https://openstax.org/details/books/anatomy-and-physiology-2e からダウンロードした公式の無料PDF(現行の印刷版、カラーペーパーバックのISBN 978-1-711494-06-7)を用いた。序文(ユニットごとの範囲、第2版での変更点、コラム、図版の方針、解答の方針)、目次全体、そして全28章について、章の目標、すべての節見出し、すべてのコラムの題名、「Chapter Review」の節要約を参照した。