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Political Philosophy: A Beginners' Guide for Students and Politicians(政治哲学:学生と政治家のための入門) cover

政治学

政治学

Political Philosophy: A Beginners' Guide for Students and Politicians(政治哲学:学生と政治家のための入門)

Adam Swift

英語原題: Political Philosophy: A Beginners' Guide for Students and Politicians

Adam Swift による、現代政治哲学への短く明快な入門書である。思想家を一人ずつ概観するのではなく、中心的な政治的価値を取り上げて哲学者がそれをどう分析してきたかを説明し、それらについての注意深い推論が、政治家や市民の現実の政治的議論にどう関わるかを示す。

前提知識: 哲学や政治理論の予備知識は不要である。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
political philosophysocial justicelibertyequalitydemocracy入門

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Swift, A. (2019). Political Philosophy: A Beginners' Guide for Students and Politicians (4th ed.). Polity.

章の要約

ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの政治理論教授アダム・スウィフトによる、全288ページ、第4版を数える本である。出版社が冒頭に掲げる問いが、本書の調子を決めている。政治家は社会正義、民主主義、共同体、自由、平等といった大きな観念を持ち出すが、それらは本当は何を意味するのか。政治的立場の異なる政治家が同じ価値に訴えることができるのはなぜか。本書は思想家や時代ではなく、こうした価値によって構成され、短い序論と結論のあいだに五つの部が置かれている。第4版はナショナリズム、移民、多文化主義に関する新しい内容を加え、読書案内を更新した。公開されている目次は個々の章題ではなく部を示すにとどまるため、以下の記述は部と出版社の紹介に従う。

序文および第4版への序文

目次には序文と、別立ての第4版への序文が載っている。出版社によれば、この版はナショナリズム、移民、多文化主義に関する内容と、更新された読書案内を加えている。

序論

本書の狙いを示す。出版社はこの企画を、政治哲学を象牙の塔から出してあらゆる人の手の届くところに置くことだと述べ、現代政治の複雑さを「切り抜ける」道具を読者に与え、政治生活を形づくる観念について自分で考えられるようにするとしている。

第1部:Social Justice(社会正義)

最初に論じられる価値。部の題は、社会正義が何を意味し、政治哲学者がそれをどのように分析してきたかを扱うことを示しており、政治家が持ち出す観念を説明するという出版社の狙いに沿っている。

第2部:Democracy(民主主義)

二番目の価値で、出版社は政治家が持ち出す大きな観念の一つに挙げている。

第3部:Liberalism and Community(自由主義と共同体)

第3部は自由主義と共同体を対にする。出版社は共同体を政治的レトリックの大きな観念の一つに数えている。

第4部:Liberty(自由)

四番目の価値であり、政治的立場を問わず政治家が訴える観念の一つ。

第5部:Equality(平等)

五つの価値の最後で、出版社が挙げる社会正義、民主主義、共同体、自由、平等の組を完成させる。

結論

本書を閉じる。出版社の結びの主張は、政治家も有権者もレトリックを超えて、社会を律すべき価値と原理について明晰に考えるとき、民主主義が最もよく機能するというものである。

主要概念

序論

  • 明晰な思考としての政治哲学:政治的価値を注意深く分析することで、市民も政治家もレトリックの向こうを見通せるようになるという、本書の前提。

第1〜5部

  • 社会正義:第1部で検討される価値。
  • 民主主義:第2部で検討される価値。
  • 自由主義と共同体:第3部で検討される一対の観念。
  • 自由:第4部で検討される価値。
  • 平等:第5部で検討される価値。

第4版の新要素

  • ナショナリズム、移民、多文化主義:出版社が本版の新しい題材として挙げるもの。

批判的分析

長所

  • 思想家ではなく価値による構成。 五つの部は政治家が実際に論じる観念に沿っており、学問の歴史を知らない読者でも使える。出版社は豊富な例を用いることも強調している。
  • 二種類の読者に向けて書かれている。 題名と紹介文は学生と政治家の両方に呼びかけており、学部生だけでなく一般の読者も想定している。
  • 政治家からの評価。 出版社が引くエド・ミリバンドは、本書を政治哲学への温かい招待であり、もっと深く考え、もっと広く読めという切実な呼びかけだとし、読みやすく時宜にかなっていると評している。
  • 版を重ねて改訂されている。 第4版に達し、読書案内を更新し、ナショナリズム、移民、多文化主義という、いっそう目立つようになった問題に関する内容を加えている。

短所

  • 思想家の原典は少ない。 本書は著者ではなく価値で構成されているため、思想家ごとの叙述は期待できない。原典の議論を求める読者は著作そのものを読む必要がある。
  • 目次が部分的にしか公開されていない。 公開されている目次は章ではなく部を示すにとどまるので、各部の内部構成は本書で確かめる必要がある。
  • 入門者向け。 範囲は入門的であり、すでに現代の理論を読んでいる学生には、なじみのある内容に感じられるかもしれない。

コースにおける位置づけ

近代政治思想のリストの中で、スウィフトは価値をめぐる推論を軸に組み立てられた本である。アンドルー・ヘイウッドの Political Ideologies: An Introduction は、自由主義や保守主義からフェミニズムやポピュリズムまで、一章に一つのイデオロギーを扱う大部の概説で、人々が何を信じているのかに答える。スウィフトは、その信念が十分な根拠をもつかどうかをどう考えるかに答える。両者を併読すれば、イデオロギーの地図と、その主張を評価する方法の両方が得られる。

ウィル・キムリッカの Contemporary Political Philosophy は自然な次の一歩で、ロールズ以後の英米政治哲学の主要な学派を一つずつ示し、その最良の議論を再構成したうえで批判を検討する批判的概説である。その後に原典が続く。公正としての正義を論じるロールズの A Theory of Justice、最小国家を論じるノージックの Anarchy, State, and Utopia、支配、抑圧、集団的差異を論じるアイリス・マリオン・ヤングの Justice and the Politics of Difference である。社会正義、自由、平等をめぐるスウィフトの扱いは、この三冊への地ならしとなる。

本書の使い方

哲学や政治理論の予備知識は不要。一年次の学生、政治をめぐる議論を追う市民、政治理論の講義の前に短く議論中心の入門を求める人に向く。

  • 中核: 序論と五つの部を順に読む。社会正義から平等へと積み上げる構成で、一度通読すれば、より難しい本のための語彙が得られる。
  • 本文とあわせて: 各価値について、それを用いている現在の政治的議論を選び、話し手がその価値のどの意味に頼っているかを書き出す。そのうえで本書の議論と照らして確かめる。
  • 選択的な使い方: 講義が市民権やアイデンティティを扱うなら、第3部とナショナリズム、移民、多文化主義の新しい内容から始め、前の部には後で戻る。
  • 読了後: 更新された読書案内で原典を選び、次にキムリッカ、そしてロールズ、ノージック、ヤングの主著へ進む。