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Introduction to Politics(政治学入門) cover

政治学

政治学

Introduction to Politics(政治学入門)

Robert Garner; Peter Ferdinand; Stephanie Lawson

英語原題: Introduction to Politics

Robert Garner、Peter Ferdinand、Stephanie Lawson による、大学で最初に学ぶ政治学の授業向けの幅広い教科書である。政治の概念とイデオロギー、国内政治の制度と過程、グローバル政治の研究をひとつにまとめ、学問の主要な分野がどのようにつながっているかを学生が理解できるようにしている。

前提知識: 政治学の予備知識は前提としないが、時事問題への関心があると役立つ。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
political sciencepolitical theorycomparative politicsinternational relations教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Garner, R., Ferdinand, P., & Lawson, S. (2026). Introduction to Politics (6th ed.). Oxford University Press.

章の要約

本書は全744ページで、導入の1章に続き、政治学の主要分野に対応する三つの部(概念とイデオロギー、比較政治、グローバル政治)が置かれ、最後に用語集、参考文献、索引が付く。三つの部の分量は均等ではない。第1部は27~176ページ、第2部は178~408ページ、第3部は411~642ページで、比較政治とグローバル政治の部は、概念の部の約1.5倍の長さがある。

第1章:序論――政治の本質と政治分析

政治とは何か、それをどのように分析するのかを扱う24ページの導入章で、三つの部が始まる前に置かれている。

第1部 第2~3章:政治と国家/政治的権力、権威、国家

概念の部は、国家、そして権力と権威から始まる。合わせて約50ページである。出版社の紹介文は、扱う主題として政治的権力、権威、正義などを挙げている。

第1部 第4~5章:民主主義と政治的義務/自由と正義

政治理論の2章である。一つは民主主義と政治的義務の問題、もう一つは自由と正義を扱う。

第1部 第6~7章:伝統的イデオロギー/支配的イデオロギーへの挑戦

第6章は確立したイデオロギーを扱う。第7章は約30ページとこの部で最も長く、それらへの挑戦を取り上げる。

第2部 第8~10章:制度と国家/政治文化と非西洋の政治思想/法、憲法、連邦制

比較政治の部は、制度と国家から始まる。第9章は約40ページと本書で最も長く、政治文化と非西洋の政治思想を一つの章にまとめている。第10章は法、憲法、連邦制を扱う。

第2部 第11~14章:投票、選挙、議会、議員/政党/執行部、官僚制、政策研究、ガバナンス/市民社会、利益集団、メディア

政治システムの標準的な構成要素を扱う四つの主題別の章である。選挙と議会、政党、政府の執行面と政策研究およびガバナンス、そして政府の外にある組織とメディアが取り上げられる。この部は国別ではなく、制度と主題によって構成されている。

第2部 第15章:民主主義、民主化、権威主義体制

比較政治の部は、体制の類型とその間の移行で締めくくられる。約30ページである。

第3部 第16~18章:グローバル政治入門/グローバル政治の伝統的理論/グローバル政治への批判的アプローチ

グローバル政治の部は主題の紹介から始まり、伝統的理論と批判的アプローチを、それぞれ約24~28ページの別々の章で並べて扱う。

第3部 第19~22章:安全保障と不安全/外交と対外政策/グローバル政治における国際機構/グローバル政治経済

争点と制度を扱う四つの章である。安全保障、外交と対外政策、国際機構、世界経済が取り上げられる。

第23章:人新世の政治

今回の版で新設された章。出版社によれば、気候危機、緑の理論の登場、気候正義を扱う。

第24章:結論――脱グローバル化と脱西洋の世界へ?

約20ページの最終章。題名は、脱グローバル化と、西洋を中心としない世界に向かうのかという問いの形をとっている。

主要概念

第1部:概念とイデオロギー(第2~7章)

  • 国家と政治的権力:目次は国家、権力、権威から始まる。政治分析の基本的な語彙である。
  • 政治的義務:市民はなぜ政治的権威に従うべきかという問いで、第4章で民主主義とともに扱われる。
  • 自由と正義:第5章の主題で、民主主義の章と対になって本書の規範的な中核をなす。
  • イデオロギー:第6章が伝統的イデオロギー、第7章が支配的イデオロギーへの挑戦を扱う。

第2部:比較政治(第8~15章)

  • 制度と国家:比較政治の部の出発点で、続いて法、憲法、連邦制が扱われる。
  • 政治文化:第9章で非西洋の政治思想と組み合わされている。
  • 選挙、議会、政党:第11~12章で扱う代表制の仕組み。
  • 市民社会と利益集団:第14章でメディアとともに扱われる。
  • 民主化と権威主義体制:第2部を締めくくる体制類型の章。

第3部:グローバル政治(第16~24章)

  • 伝統的アプローチと批判的アプローチ:理論を扱う第17章と第18章。
  • 安全保障、外交、対外政策:第19~20章。
  • 国際機構とグローバル政治経済:第21~22章。
  • 人新世:第6版で加わった、気候と政治に関する章。
  • 脱グローバル化:結論章の題名に掲げられている。

批判的分析

長所

  • 初年次の学習を一冊で。 出版社は、政治理論、比較政治、国際関係を組み合わせた入門書として本書を位置づけている。三分野を一か所で扱いたい最初のコースに向く。各部がまとまったページ数のブロックになっているため、一つの部だけを指定することもできる。
  • 記述にとどまらない分析的な狙い。 出版社によれば、本書は記述的な叙述を超えて学生が自分の考えをもつよう促し、国内と国際の両方のレベルで多様なアプローチと視点をバランスよく紹介している。
  • 非西洋的・批判的な内容に設けられた場所。 目次を見ると、比較政治の部に非西洋の政治思想の居場所があり、グローバル政治の批判的アプローチには独立した章があり、最終章は脱西洋の世界を問うている。
  • 最新の内容と学習支援。 新版は人新世の章を加え、近年の政治動向を反映した更新を行っている。電子書籍とPolitics Trove(出版社のオンライン教材)には、確認問題、シナリオ、動画、フラッシュカード式の用語集が付くとされる。

短所

  • 幅広さの代償としての深さ。 三つの部がそれぞれ約150、230、230ページで、長い本の中で各分野に割かれるのはおよそ3分の1にすぎない。比較政治や国際関係に集中するコースでは、その分野の専門書が別に必要になるだろう。
  • 独立した方法論の章がない。 政治分析は冒頭の章で扱われるが、目次には調査設計、証拠、計量的比較を扱う章は見当たらない。この空白は、方法を軸にした教科書で補うことになる。
  • 主題別の比較。 比較政治の部は制度と主題で構成されているため、国ごとの背景知識は他の資料に頼る必要がある。
  • 時事性。 第6版の更新は最近の出来事と結びついている(出版社は、トランプ第二期政権、中国の動向、ガザでの戦争、ウクライナ戦争における国連安全保障理事会の役割を挙げている)。こうした内容は古くなりやすい。

コースにおける位置づけ

政治学入門のリストの中で、本書は三分野を一冊にまとめた幅広い選択肢である。ヘイウッドとレイングの Politics は、本サイトでは、概念、イデオロギー、制度、グローバル政治を網羅し、初めて学問に触れる学生向けに書かれた入門書として紹介されており、両者は大きく重なるため、学生はどちらか一冊で足りる。ロム、ヒダカ、ウォーカーの Introduction to Political Science は、政治行動と世界各地の事例に重点を置く、無料で自由に利用できる教科書で、低コストの併用書や代替として妥当である。

より深く学ぶには、リストにはほかの種類の本がある。ローンデス、マーシュ、ストーカーの Theory and Methods in Political Science は、この学問の主要なアプローチと方法を扱う編著書で、本書の目次が扱わない部分を補える。グディン編の Oxford Handbook of Political Science は、各分野の研究の現状をまとめた一巻本のレファレンスであり、通読するより、最初のコースを終えたあとに参照するのに向いている。

本書の使い方

本書は、大学レベルの政治学を学び始め、思想、国内政治体制、世界政治を一冊で参照したい学生に向いている。資料は本書を学部生向けの入門書としており、前提知識は挙げられていない。現代の事例を理解するうえでは、時事問題の一般的な知識が役に立つ。

実践的な進め方は次のとおり。

  • まず第1章 の短い序論を読み、その後は授業の順に三つの部を読む。第1部は、後の部で使われる国家、権力、民主主義、自由、イデオロギーの語彙として最初に読むとよいが、第2部と第3部は独立して読むこともできる。
  • 多くのコースで中核となる部分: 国家と政治理論を扱う第2~5章、制度・選挙・政党・体制を扱う第8章、第11~12章、第15章、グローバル政治と安全保障を扱う第16~20章。
  • 関心に応じて選ぶ部分: 第9章(政治文化と非西洋の思想)、第14章(市民社会とメディア)、第22章(グローバル政治経済)、新設の第23章(人新世)は、ほぼ独立して読めるので、ゼミの主題に向く。
  • 用語集と学習支援は各部の後に使う。 16ページの用語集とデジタルの確認問題は、最初の通読より復習に向いている。
  • 基本を固めたら 方法論に重点を置く教科書や分野別の専門書に進む。その際、巻末の34ページに及ぶ参考文献を文献への入口にする。