01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
O'Neil, P. H. (2023). Essentials of Comparative Politics (8th ed.). W. W. Norton & Company.
章の要約
第8版は11章からなり、その後に注、用語集、クレジット、索引が続く。図書館の記録ではxixと448ページである。目次から見える特徴として、ほとんどの章の終わりに、「Institutions in Action」(事例研究)と「Questions and Methods」(比較政治学者が問いにどう答えるかの短い議論)という二つの固定欄と、まとめの「In Sum」の節がある。以下の要約はこの目次の節見出しに従う。
第1章:Introduction(序論)
最初の章は比較政治学とは何かを問い、比較の方法を紹介し、比較政治学の科学が可能かという問題にも触れる。「導きの概念」としての政治制度と、「導きの理想」としての自由と平等の調和を導入し、これが後の章の枠組みとなる。事例研究は、政治の科学を作れるかを問う。
第2章:States(国家)
国家の定義、政治組織の起源、近代国家の興隆に続き、国家権力を比較する方法として、正統性、集権か分権か、権力・自律性・能力を扱う。事例研究はパキスタンがなぜ国家の失敗に向かったかを問い、「Questions and Methods」は国家性をどう測るかを問う。
第3章:Nations and Society(国民と社会)
エスニック・アイデンティティ、国民的アイデンティティ、市民権と愛国心、その起源と持続、エスニックおよび国民的な紛争、政治的態度とイデオロギー、宗教・原理主義とアイデンティティの危機、政治文化。事例研究はネパールの新憲法と内戦の終結で、方法の欄は連邦制がエスニック紛争を解決できるかを問う。
第4章:Political Economy(政治経済)
政治経済の構成要素(市場と財産、公共財、社会支出、課税、貨幣・インフレ・成長、規制、貿易)と、主な政治経済体制(自由主義、社会民主主義、共産主義、重商主義)を扱う。その後、富、不平等と貧困、人間開発指数、幸福といった成果を比較し、自由主義の将来を問う。
第5章:Democratic Regimes(民主的レジーム)
民主主義の定義、その起源と現代の民主化を、近代化、エリート、社会、国際関係、文化という説明とともに扱う。続いて民主国家の制度として、執行部、議会、司法と違憲審査、議院内閣制・大統領制・半大統領制とその利点と欠点、政党、選挙制度、国民投票と発議、市民的権利と自由を扱う。
第6章:Nondemocratic Regimes(非民主的レジーム)
非民主的支配の定義、全体主義、非民主的支配の起源と源泉を、前章と同じ一連の説明を用いて扱う。続いて政治的統制(強制と監視、コーポラティズムとクライエンテリズムによる取り込み、個人崇拝)と、支配のモデル(個人・君主支配、軍事支配、一党支配、神権政治、非自由主義的レジーム)を論じる。
第7章:Political Violence(政治的暴力)
政治的暴力とは何か、なぜ起こるか(制度、観念、個人による説明)、暴力の形態(革命とテロリズム、宗教との関わり)、そしてその対処。事例研究は2011年のアラブの春である。
第8〜10章:Developed Democracies(先進民主主義国);Communism and Postcommunism(共産主義とポスト共産主義);Developing Countries(発展途上国)
国のグループ別の最後の三つの章。先進民主主義国は、自由と平等、欧州連合、権限委譲、ポストモダンの価値観、福祉国家を通して論じられる。共産主義とポスト共産主義は、共産主義の思想と実践、その崩壊、政治・経済・社会制度の転換を扱い、事例研究はソ連で改革が失敗し中国で成功した理由を問う。発展途上国は帝国主義と植民地主義から始まり、国家能力、国民形成、経済成長へ進む。
第11章:Globalization and the Future of Comparative Politics(グローバル化と比較政治学の将来)
グローバル化とは何か、その政治的・経済的・社会的な形態、そしてそれが新しいのか、誇張されているのか、不可避なのかを扱う。事例研究はグローバル化が気候変動を引き起こしているかを問い、章は自由と平等の将来で終わる。
主要概念
第1〜4章:基礎
- 比較の方法:比較政治学者が事例を用いて説明を検証するやり方。
- 政治制度と自由と平等:本書の導きの概念と理想。
- 国家能力、正統性、自律性:国家を比較する際の次元。
- 政治経済体制:自由主義、社会民主主義、共産主義、重商主義。
第5〜7章:レジームと暴力
- 議院内閣制、大統領制、半大統領制。
- 非民主的支配のモデル:個人、軍事、一党、神権、非自由主義。
- 革命とテロリズム。
第8〜11章:国のグループとグローバル化
- ポスト共産主義の移行、従属的発展、グローバル化。
批判的分析
長所
- 概念を軸にした構成。 目次は、観念(国家、国民、政治経済、レジーム、暴力)による章が先にあり、国のグループによる章がその後に来ることを示す。
- 繰り返される構造。 各章は事例研究と方法の欄で終わるので、学生は概念の適用と、比較政治学者が答えをどう検証するかを見られる。出版社によれば、第8版は方法に関する新しい内容を加えた。
- 簡潔。 448ページ(書店の記載では480ページ)で、入門書として手頃である。
- 付属教材。 出版社は、Norton Illumine電子書籍の「Check Your Understanding」問題と「Dynamic Data Figures」、適応型学習ツールのInQuizitiveを挙げている。
短所
- 国別の詳細が少ない。 各国を扱う章はタイプ別(先進民主主義国、共産主義とポスト共産主義、発展途上国)にまとめられており、国ごとの記述を望む授業には別の教科書が必要である。
- 簡潔な扱い。 いくつかの大きな主題が一章で扱われる。たとえば民主的レジームと非民主的レジームはそれぞれ一章である。
- 公表された書評は見つからなかった。以上の点は目次と出版社の説明に基づく。
コースにおける位置づけ
O'Neilは簡潔で概念を軸にした教科書の選択肢である。McCormick、Hague、Harropの教科書はより長く(約500ページ)、出版社によれば、世界の民主的および権威主義的体制の制度と政治文化を扱う。Caramaniの Comparative Politics は専門家が各章を書く編著の教科書で、Clark、Golder、Golderの Principles of Comparative Politics は明示的な理論とゲーム理論的モデルを構築するので、より分析的である。Lijphartの Patterns of Democracy とTsebelisの Veto Players は、制度が民主主義や政策結果をどう形づくるかを扱う研究書で、O'Neilのような教科書の後に読むのが最もよい。
本書の使い方
政治学の事前の学習は必要ない。
実践的な進め方としては、第1〜4章が道具立てを与えるので最初に読む。第5章と第6章はレジームについての一対である。第7章はそれらと一緒にも単独でも読める。第8〜10章は授業が扱う国に合わせ、第11章は結論として使える。「Questions and Methods」の欄は研究設計の短い練習として使うとよい。
