01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
McCormick, J., Hague, R., & Harrop, M. (2025). Comparative Government and Politics (13th ed.). Bloomsbury Academic.
章の要約
第13版は3部18章からなり、約528ページです。各部は、この分野の基本的な考え方から、政府の制度、そして市民と国家を結ぶ過程へと進みます。出版社によれば、この版は民主主義の後退と信頼の低下への注目を強め、LGBTQ+の問題、アイデンティティ政治、ポピュリズムの新規および拡充された扱いを加え、国別スポットライトも更新しています。
第1部:Principles(第1~6章)
- 第1章:Government and politics。 統治と政治とは何か、なぜそれを研究するのかを示して主題を開きます。
- 第2章:Making comparisons。 方法に移り、政治体制がどう比較され、比較から何がわかるのかを扱います。
- 第3章:States and nations。 比較の基本単位としての国家と、国民との関係を扱います。
- 第4章:Political culture。 住民が政治体制に対してもつ態度や価値観を見ます。
- 第5章:Democratic rule。 民主的な体制がどのように機能するかを示します。出版社が強調する民主主義の後退も、この章と並べて読むと自然です。
- 第6章:Authoritarian rule。 非民主的な体制を扱い、前章との対比を完成させます。第5章と第6章を合わせると、権威主義国家と民主主義国家の指標、およびその中間にあるものが示されます。
第2部:Institutions(第7~12章)
- 第7章:Constitutions and courts。 国家の法的枠組みと、それを解釈する司法機関を示します。
- 第8章:Executives。 国家を運営する政府の部門を扱います。
- 第9章:Legislatures。 立法と代表を担う機関を扱います。
- 第10章:Bureaucracies。 政策を実施する行政機構を扱います。
- 第11章:Sub-national government。 国家レベルより下の、地域・地方の統治に移ります。
- 第12章:The Media。 メディアを政治生活の中の制度として取り上げ、この部を締めくくります。
第3部:Processes(第13~18章)
- 第13章:Political participation。 市民が政治に参加する方法から始まります。
- 第14章:Elections。 市民がどのように政府を選ぶかを扱います。
- 第15章:Political parties。 選挙を争い、政府を組織する団体としての政党を扱います。
- 第16章:Interest groups。 政党間競争の外で政府に影響を与えようとする集団を扱います。
- 第17章:Public policy。 政府が政策をどのように作り、実施するかに向かいます。
- 第18章:Political economy。 政治と経済の関係で本書を締めくくります。
主要概念
第1部:原理
- 政治文化:住民が政治に対してもつ態度と価値観。
- 民主的支配と権威主義的支配:互いに対置され、その間の領域も含めて示される二つの体制類型。
- 国家と国民:比較を組み立てる単位。
第2部:制度
- 憲法と裁判所:政治体制の法的構造。
- 執政部、立法府、官僚制:政府の主要な機関。
- 地方・準国家レベルの統治:国家レベルより下の権限。
第3部:過程
- 参加、選挙、政党、利益団体:市民と政府を結ぶ経路。
- 公共政策と政治経済:政府が行うことと、それが経済生活とどうつながるか。
批判的分析
長所
- 主題別の構成。 内容は国別ではなく主題(執政部、立法府、政党、選挙)別に並んでおり、一つの制度を多くの体制にわたって追うことができます。
- 明確な3部構成。 原理、制度、過程という構成は授業にそのまま使える順序を与え、18章は授業カレンダーに対応させやすい形です。
- 学習の補助。 出版社は、地図、図、表、討議課題、文献案内を挙げ、さらに用語カード、比較政治の調べ方の手引き、国別スポットライトの地図をもつ付属サイトも示しています。
- 体制類型を横断する扱い。 出版社は、民主的体制と権威主義体制の双方を、国内と国際の場で説明し、民主主義の状況の変化を示す国別スポットライトを備えるとしています。
- 新しさ。 第13版(2025年)は新しく、改訂は民主主義の後退、信頼、アイデンティティ政治、ポピュリズムを扱っています。
短所
- 深さより広さ。 約528ページに18章なので、各主題の扱いは短くなります。議論や研究設計を求める学生は、本書以外の文献が必要です。
- 方法論や理論の本ではない。 方法としての比較に当てられた章は第2章だけなので、因果推論や形式モデルの体系的な説明を求める読者は別の本が必要です。
- 版への依存。 章の順序と国別スポットライトは版ごとに変わるため、旧版のページ参照は引き継げません。
コースにおける位置づけ
比較政治学のリストの中で、最も幅広く一般的な出発点となる本です。政治学の学習経験がなく、より専門的な著作に進む前にこの分野と世界の政治体制の見取り図が必要な読者向けです。
Patrick O'Neilの『Essentials of Comparative Politics』は、概念を軸にした簡潔な代替です。Caramaniが編集した『Comparative Politics』は、章ごとの専門家による、より高いレベルの記述を提供します。Clark、Golder、Golderの『Principles of Comparative Politics』は、明確な理論と証拠に基づいて主題を構築し、科学的方法とゲーム理論を学びたい学生に向きます。Lijphartの『Patterns of Democracy』とTsebelisの『Veto Players』は、本書のような概説書の後に読む、民主的制度の専門的研究です。
本書の使い方
本書は政治学の事前学習を前提とせず、比較政治学、比較政府論、政治学入門、政治学の授業を受ける1、2年生に向いています。
実践的な進め方は次のとおりです。
- 中核: まず第1部、とくに他のどこでも使われる語彙を与える第2、5、6章。
- 次に: 制度を扱う第2部。第7~10章をひとまとまりとして読み、第11、12章は必要に応じて読みます。
- 第3部: 第13~15章は参加から選挙、政党へと続く流れで、第16~18章は授業に応じてどの順でも構いません。
- 並行して: 出版社が挙げる討議課題と文献案内を使い、体制を比較する際は国別スポットライトを手元に置き、付属サイトの用語集と調査の手引きを活用してください。
