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Authoritarianism: What Everyone Needs to Know(権威主義――誰もが知っておくべきこと) cover

政治学

政治学

Authoritarianism: What Everyone Needs to Know(権威主義――誰もが知っておくべきこと)

Erica Frantz

英語原題: Authoritarianism: What Everyone Needs to Know

権威主義的統治についての簡潔な入門書。エリカ・フランツは、権威主義体制とは何か、その類型はどう異なるのか、独裁者はどのように権力を握り、維持し、失うのかを、近年の比較研究と世界各地の事例をもとに説明する。

前提知識: 政治学を学んだ経験は必要ない。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Frantz, E. (2018). Authoritarianism: What Everyone Needs to Know. Oxford University Press.

章の要約

200ページに満たない簡潔な入門書で(本文188ページ、155〜180ページに文献一覧、巻末に索引)、オックスフォード大学出版局の What Everyone Needs to Know シリーズの一冊である。出版社は本書を、ある気がかりな傾向を背景に位置づけている。冷戦終結後に民主化が広がったにもかかわらず、世界の人口の約40パーセントが何らかの形の権威主義体制の下で暮らし、権威主義体制は世界の国の約3分の1を統治しているという。本書は権威主義的統治の「一生」をたどる。そうした統治とは何か、どのように獲得され維持されるのか、そしてどのように終わるのか。目次は序論、七つの章、結論からなる。以下の記述は、章題と出版社の紹介から確実に言える範囲にとどめる。

序論

本書の目的と、上述の同時代的な背景、すなわち冷戦後の民主化の波に続いて訪れた権威主義の再興の時代を示す。

権威主義政治を理解する;権威主義の現在の姿

最初の二つの章は主題への導入である。権威主義体制の内部で政治がどのように動くのか、そしてそうした体制が今日どこに見られるのかを扱う。出版社によれば、本書は現在の権威主義の波がどのようにして生じ、どのような特徴を持つのかを説明しており、これらの章はまさにその部分にあたる。

権威主義の指導者;権威主義体制の類型

支配者そのものと、彼らが率いる体制の種類を扱う二つの章。出版社は、権威主義者自身を本書の主な主題の一つとし、本書が権威主義体制どうしの違いを説明すると述べている。

権威主義体制はどのように権力を握るか;生き残りの戦略;権威主義体制はどのように倒れ、その後に何が来るか

最後の三つの章は、出版社が強調する順序に従う。権威主義者が権力を奪取するために用いる手法、生き残るために用いる戦略、そして崩壊のしかたである。最終章はさらに、体制が終わった後に何が来るのかも扱う。出版社は、権威主義体制を生み出す要因やその崩壊の引き金となる要因を見分けることが、世界の動向を考えるとますます重要になると付け加えている。

結論

議論をまとめる。出版社は本書を、現代世界政治で最も重要かつ憂慮すべき展開の一つに関する不可欠な入門書と位置づけている。

主要概念

序論と冒頭の章

  • 権威主義的統治:本書の中心的な主題。世界的な傾向としても、分析可能な政治のあり方としても扱われる。
  • 権威主義の再興:出版社が現在の時代につけた呼び名。この種の体制が世界の国の約3分の1を統治している。
  • 権威主義の現在の姿:今日の権威主義体制の分布。後の分析の背景として導入される。

指導者と体制類型

  • 権威主義の指導者:権威主義政治における個々の支配者の役割で、独立した一章が充てられている。
  • 体制類型:権威主義体制をいくつかの種類に分類すること。

体制のライフサイクル

  • 権力の獲得:権威主義者が支配権を握る手法。
  • 生き残りの戦略:権力を保ち続ける手段。
  • 崩壊とその後:体制を倒す要因と、その後に何が取って代わるのかという問い。

批判的分析

長所

  • 短いが範囲は完結している。 章の並びが、定義から崩壊まで権威主義体制の全過程を200ページ足らずで扱う。短時間で読み終えられ、それでもすべての段階が見渡せる。
  • 初学者が抱く問いに沿った構成。 シリーズは初学者が最初に抱く基本的な問いを軸に作られており、章題(体制はどう権力を握るか、どう生き延びるか、どう倒れるか)はそのままそうした問いとして読める。
  • 比較の視点と同時代性。 出版社によれば、近年の比較研究と、現代および歴史上の世界各地の事例を踏まえており、専門的な装置なしに研究の成果を知りたい読者に向く。
  • 研究文献の一覧。 文献一覧は約25ページに及び、各段階について学術文献へ進む手がかりになる。

短所

  • 意図的に簡潔。 この分量では、長い事例研究や主張の裏づけとなる統計的証拠までは示せない。議論の全体を知りたい読者は文献一覧をたどる必要がある。
  • 同時代に焦点。 2018年刊行のため、その後の展開は扱えない。また出版社は本書を冷戦終結後の時期を軸に位置づけている。
  • 視覚資料や事例研究の仕掛けは告知されていない。 出版社の紹介には地図、データ表、長い事例研究への言及がなく、それらが必要な読者は国別研究や比較データを併用する必要がある。

コースにおける位置づけ

民主主義と権威主義のリストの中で、本書は権威主義の側面への最も入りやすい入口である。選挙で選ばれた指導者が内側から民主的制度を弱めていく過程を論じた一般向けの本、レヴィツキーとジブラットの How Democracies Die とは自然に対になる。フランツが確立した後の権威主義的統治の姿を説明するのに対し、レヴィツキーとジブラットはそこに至る道筋を描く。

さらに読み進めるなら、フアン・リンスの Totalitarian and Authoritarian Regimes は非民主主義体制の古典的な比較類型論であり、ハンナ・アーレントの The Origins of Totalitarianism はナチズムとスターリニズムの歴史的・哲学的分析である。どちらも難度が高く、この入門書の後に読むのがよい。ダールの Polyarchy は、反対派を抑圧する体制が異議申し立てを許容する体制へ移行しうる条件を論じ、ヘルプファーらの編による教科書 Democratization は、民主主義の後退も含め、世界各地域の体制変動をより広く学術的に概観する。

本書の使い方

本書は政治学の予備知識を前提とせず、一年次の学生、一般読者、比較政治学や民主化の講義の前に素早く見取り図を得たい人に向く。数回に分けて読み通せる。

  • 中核: 序論から章を順に読む。構成は定義から現在の姿、指導者と類型、そして権力の獲得、生き残り、崩壊へと進み、後の章は前の章に依拠している。
  • 選択的な読み方: 体制変動の力学だけが必要な学生は、権力の獲得、生き残り、崩壊の章から始め、定義が必要になったら冒頭の章に戻ればよい。
  • 本文とあわせて: 各章に出てくる体制の一覧を作り、一つか二つを国別研究や報道アーカイブで確かめる。そのうえで文献一覧から、一つの段階を深める学術論文か書籍を選ぶ。
  • 読了後: 古典的な枠組みを求めるならリンスやダールへ、より広い教科書的叙述を求めるなら Democratization へ進み、その用語を本書のものと比べる。