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光学 cover

物理学

物理学

光学

Eugene Hecht

英語原題: Optics

光学の古典的な基礎を、光学機器や応用と結び付けて解説する教科書です。幾何光学、干渉、回折、偏光、物質中での光の振る舞いを扱います。力学、波動、微積分の入門を終えた学部生の光学科目に向いています。

前提知識: 力学と波動の入門、一変数の微積分、電磁気学への最初の入門。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
opticswave opticsgeometrical opticsinstrumentsphysics textbook

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Hecht, E. (2021). Optics (5th ed.). Pearson.

章の要約

ヘクトの『Optics』は1巻・13章で約700ページ(Google Booksは第5版の米国版を714ページ、グローバル版を722ページとしている)あり、1章あたりの分量は大きい。出版社は、理論と機器のバランスをとった本として紹介しており、伝統的な方法論に基づきながら、フーリエ理論を早い段階で導入するとしている。第5版は内容が更新され、光子とフェーザーを含む現代的な語り口を取り入れ、100を超える例題が新たに加えられたと説明されている。バリー・マスターズは『Optics & Photonics News』でこの版を評し、全体の流れを次のようにまとめている。幾何光学の基礎が展開されたあと、重点は偏光、干渉、回折、フーリエ光学へと移る。以下の記述は出版社の目次の章題に沿っており、節レベルの目次は入手できなかった。

第1–2章:略史/波動

第1章は略史で、第2章は、第3章で光の電磁理論が登場する前に波動を扱う。

第3–4章:電磁理論・光子・光/光の伝播

章題は、電磁理論と光子を、光の伝播と組み合わせている。第5版が光子を重視していることは、第3章の題にも表れている。

第5–6章:幾何光学/幾何光学(続)

幾何光学は連続する2つの章を占める。マスターズはこれらを、その後に重点が波動光学へ移る前の基礎として位置づけている。

第7章:波の重ね合わせ

重ね合わせの1章が、偏光、干渉、回折の前に置かれている。

第8章:偏光

偏光は独立した章をもち、順序としては干渉の前に置かれている。

第9–10章:干渉/回折

古典的な波動現象である干渉と回折に、それぞれ1章があてられている。マスターズは、干渉の数式的・図的な記述を本書の特徴として挙げており、出版社は、本書が通常の光子の像と並べて、電子線と中性子線の回折パターンも示していると述べている。

第11章:フーリエ光学

フーリエ理論は独立した1章として登場する。出版社は、フーリエ的な視点を早い段階で導入することを、今日の解析に不可欠なものと呼んでいる。

第12–13章:コヒーレンス理論の基礎/現代光学:レーザーほか

本書は、コヒーレンス理論の基礎と、レーザーとその他の現代的話題をまとめた最終章で終わる。マスターズは、含まれる現代的話題として、コヒーレンス理論、像形成、ホログラフィー、非線形光学を挙げている。

主要概念

第1–4章:基礎

  • 波動:第2章の主題。
  • 光子と光の電磁的記述:第3章。
  • 光の伝播:第4章。

第5–8章:光線、重ね合わせ、偏光

  • 幾何光学:第5章と第6章。
  • 波の重ね合わせ:第7章。
  • 偏光:第8章。

第9–13章:波動光学と現代的話題

  • 干渉と回折:第9章と第10章。
  • フーリエ光学:第11章。
  • コヒーレンス理論:第12章。
  • レーザーその他の現代光学:第13章。

批判的分析

長所

  • まず導出、次に近似。 マスターズは、本書の教育方法を、厳密な導出とその後の近似・その限界を通じて、物理的・数学的理解を重視するものと見ている。
  • 例題、図、問題。 同じ書評は、明快に設計された図、多くの有益な例題、章末問題を評価している。出版社は、第5版で100を超える例題が加わり、すべての図が正確さを確認され、わかりやすさのために修正されたと述べている。
  • 早期に導入されるフーリエの考え方。 出版社によれば、本書は伝統的な核に、フーリエ理論の早い導入を組み合わせている。目次でも、フーリエ光学とコヒーレンス理論に独立した章が与えられている。
  • 学習のための仕掛け。 マスターズは、参考文献付きの脚注、詳しい文献表、索引があると述べている。

短所

  • 章が長い。 約700ページに13章ということは、1章が平均約50ページになるということで、短く完結した単位は期待できない。同じ内容を多数の短い章に分ける本とは対照的である。
  • 現代的応用は圧縮されている。 レーザーは「その他の話題」と最終章を分け合っているが、ペドロッティの第3版の目次は、レーザー、光ファイバー、ホログラフィー、検出器、眼にそれぞれ独立した章を与えている。デバイスや応用を軸にした課程では、補う教材が必要かもしれない。
  • 版の年代。 ここで引用する版は出版社のページで2021年とされているが、Google Booksの記録と『Optics & Photonics News』の書評によれば、同じ第5版は2016年と2017年に印刷版として出ている。古い刷を使う読者も、同じ第5版の内容を想定してよい。

コースにおける位置づけ

波動と光学の書単の中で、ヘクトは古典的な基礎を扱う教科書であり、波動と幾何光学から、偏光、干渉、回折、フーリエ光学までを1冊で学生に導く。その前に読むものとして、フレンチの『Vibrations and Waves』は振動と波動運動についての短い本で、第2章の背景を補う。ウォルムズリーの『Light: A Very Short Introduction』は、光とは何かをほとんど数式なしに述べており、まず概念レベルの全体像を得たい読者に向く。

最も近い代替はペドロッティの『Introduction to Optics』である。同様の範囲を28のより短い章に分け、レーザー、光ファイバー、ホログラフィー、検出器、眼の光学に別々の章を設け、いくつかの箇所で行列法を用いる。連続した導出を求めるならヘクト、モジュール式で応用志向の選択をしたいならペドロッティを選ぶとよい。さらに進んだ学習としては、サレーとタイシュの『Fundamentals of Photonics』が電磁的・量子的な記述とフォトニクスのデバイスへと続き、ボルンとウルフの『Principles of Optics』は光学を電磁理論の一分野として扱う包括的な参照書である。

本書の使い方

本書は学部の光学課程を対象とする。入門的な力学と波動、微積分、そして電磁気学の初歩になじんでいるとよい。

実践的な進め方:

  • 基礎: 第1章はざっと目を通し、波動の数学がさびついていれば第2章を読み、第3–4章で電磁的記述と光子的記述がどう結びつくかを確認する。
  • 中核の流れ: 第5–10章(幾何光学、重ね合わせ、偏光、干渉、回折)が1学期の課程の中心である。
  • 2回目の通読または上級課程: 第11–13章(フーリエ光学、コヒーレンス、現代光学)は、前の内容が固まってから読み返すと得るところが大きい。
  • 練習: 章末問題の前に例題に取り組む。『Optics & Photonics News』の書評は、これらを解くことが、理論と機器についての確かな理解への道だと述べている。
  • 併用: 実験の課程と組み合わせるか、レーザーやデバイスにもっと紙幅が必要な場合はペドロッティのようなモジュール式の教科書と併用する。