01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Child, J. J., Simester, A. P., Stark, F., Virgo, G. J., & Stanton-Ife, J. (2026). Simester and Sullivan's Criminal Law: Theory and Doctrine (9th ed.). Hart Publishing.
章の要約
第9版は22章からなる。出版社は本書を、現代イングランド刑法の詳細な解説と分析に、その理論的基盤の慎重な検討を組み合わせたものと紹介する。主に学部生向けに書かれ、学部で教えられるすべての主題を扱う。章の順序には特徴がある。総論が先に来て、主要な犯罪が続き、抗弁は最後に置かれ、その前に犯罪化の道徳的限界を論じる章が入る。
第1–3章:Criminal Law: Definition and Ambit;The Rule of Law and the European Convention on Human Rights;Interpretation and Proof
冒頭の章は、刑法の性質と範囲、法の支配と欧州人権条約、そして解釈と立証を扱う。以降の叙述のための、憲法的・方法的な背景を示す。
第4–6章:The Actus Reus;Mens Rea;Strict and Constructive Liability
総論の中核。行為要素、心理的要素、そして通常の過失要件から離れた責任の形態である。
第7–9章:Secondary Participation;Vicarious and Corporate Liability;The Inchoate Offences
犯罪を完成させた正犯を超えて責任を広げる章。他者の関与、他人および法人の行為についての責任、未遂その他の未完成犯罪である。
第10–13章:Homicide;Non-Fatal Offences Against the Person;The Principal Sexual Offences;Theft
個別の犯罪は殺人から始まり、続いて致死に至らない身体への犯罪、主要な性犯罪、窃盗である。
第14–16章:Related Offences;Fraud;The Moral Limitations of Criminalisation
第14章は関連犯罪、第15章は詐欺を扱う。第16章は個別の犯罪から一歩引いて、犯罪化の道徳的限界、つまり刑法が何を禁じるべきで、何を禁じるべきでないかという理論的な問いを論じる。
第17–22章:Defences: An Overview;Failure of Proof;Irresponsibility Defences;Defences of Circumstantial Pressure;Permissible Conduct;Defences and Blame: Some Observations
抗弁に6章が充てられる。第17章は概観、第18章は立証の失敗、第19章は責任無能力の抗弁、第20章は状況的圧力による抗弁、第21章は許容される行為を扱う。最終章は抗弁と非難についての締めくくりの考察である。
主要概念
総論(第1–9章)
- 法の支配と条約:第2章の憲法的背景。
- 解釈と立証:第3章。
- 行為と故意:第4、5章の行為要素と心理的要素。
- 厳格責任と擬制的責任:通常の過失要件から離れた責任。第6章。
- 共犯、代位責任と法人責任、未完成犯罪:第7章から第9章。
犯罪(第10–16章)
- 殺人、致死に至らない犯罪と性犯罪、窃盗と詐欺:第10章から第15章の主な犯罪。
- 犯罪化の道徳的限界:第16章。
抗弁(第17–22章)
- 立証の失敗:第18章。
- 責任無能力の抗弁、状況的圧力、許容される行為:第19章から第21章の三つの系統の抗弁。
批判的分析
長所
- **理論と教義の両立。**副題が目的を示しており、出版社は、その哲学的アプローチが純粋に教義的な知識を超えた深い理解を学生に与えると述べる。第2、3、16章と、末尾の抗弁と非難の議論は、本書が一歩引いて原則に立ち返る箇所である。
- **総論の充実した扱い。**第4章から第9章は、行為、故意、厳格責任と擬制的責任、共犯、代位責任と法人責任、未完成犯罪を順に扱い、抗弁にも6章が割かれている。
- **定期的な更新。**出版社によれば、第9版は2022年警察・犯罪・量刑・裁判所法、2023年オンライン安全法、2023年公共秩序法を含むすべての制定法を扱い、判例の議論には R v Iqbal(2023)と Auriol Grey(2024)が含まれる。
- **確立した評価。**出版社は、多くの版を重ねて、刑法の授業の必読書になったと述べている。
短所
- **理論も負担の一部。**出版社が哲学的アプローチを強調することは、本書が規則を学ぶだけでなく評価することを読者に求めることを意味する。復習のために規則の簡潔な説明だけが必要な学生は、その目的には短い教科書を選ぶほうがよい。
- **個別犯罪の選択的な扱い。**犯罪の章は殺人、致死に至らない犯罪、主要な性犯罪、窃盗、関連犯罪、詐欺に限られるため、公共秩序や薬物犯罪なども教える授業では、別の資料が必要になる。
- **抗弁が最後に来る。**抗弁が最後の6章を占めるので、授業で抗弁を早く教える場合は、順序を変えて読む必要がある。
コースにおける位置づけ
この書目の複数の刑法書の中で、Simester と Sullivan の本は、教義と理論を組み合わせるものである。Criminal Law(2024)は、この分野の歴史、責任の原則、主要な犯罪、厳格責任と法人責任、抗弁、未完成犯罪を実例とともに扱う学部向けの入門書であり、Ashworth's Principles of Criminal Law は、原則や量刑も扱う権威ある学部向けの案内書である。いずれも、本書の前に読む自然な最初の一冊である。Crime, Reason and History は、歴史的な発展と法理の政治的性格を強調する批判的な入門書で、本書の原則に基づく分析とは別種の批判である。Reconstructing Criminal Law は、歴史的・社会学的・理論的な視点を抜粋を通じて統合する大学院レベルの判例教材である。
最初の授業を終えたあと、小論文や卒業論文が、規則は何かだけでなく、それを正当化できるかを問うときに、この本に手を伸ばすとよい。
本書の使い方
本書は、最初の刑法の授業の先で刑法を履修する、あるいは卒業論文を書く学部生、刑法課程の大学院生、理論と密接に結びついた教義的な論述を求める読者に向く。適切な出発点は、最初の刑法の授業を修了していることである。
実用的な読み方:
- **中核:**総論、構成要素、責任の拡張のための第1–9章。
- **犯罪:**シラバスの犯罪に応じて第10–15章。
- **抗弁:**第17–22章を一つのまとまりとして。まず第17章の概観から。
- **理論:**原則に関する小論文のための第16章と、第22章の抗弁と非難の議論。
各章は、授業の主教科書と並べて参照し、理論的な議論は小論文の評価の部分を組み立てるのに使う。
