01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Lacey, N., Wells, C., & Quick, O. (2010). Reconstructing Criminal Law: Text and Materials (4th ed.). Cambridge University Press.
章の要約
第4版は6つのセクションに分かれた21章と、長い文献目録から成る。「テキスト・アンド・マテリアルズ」形式の本であり、著者の解説の合間に、判例、制定法、公的報告書、学術文献からの抜粋が挟まれる。序文によれば、本書は20年前に法の文脈研究(law in context)運動の一環として初めて刊行され、歴史学的・社会学的・哲学的な洞察を用いて刑法と刑事司法の複雑さを説明している。この版では、セクションI〜IVはセリア・ウェルズ、VとVIはオリバー・クイックが主に担当し、ニコラ・レイシーは助言役を務めた。素材は、従来の法理の一覧ではなくテーマ別に組織され、各セクションは、続く内容を示す短い導入で始まる。
セクションI、第1〜3章:Images of Criminal Law(刑法のイメージ);Criminal Laws in Context(文脈の中の刑法);Foundations of Criminal Law(刑法の基礎)
第1章は、報道、小説、テレビに現れる犯罪の通俗的なイメージから出発し、実際には制度の仕事の大半が道路交通、軽微な公共秩序違反、低水準の財産犯に関わるという現実と対比する。第2章は、刑法を、不正行為を定義し対応するための広い社会的・手続的実践の一部として扱い、法理だけでは刑法を説明できないと論じる。第3章は、人権法が手続に及ぼす影響を含むデュー・プロセスと人権、そして行為要件、犯意、正当化事由・免責事由といった法理の基本的な構成要素を扱う。
セクションII、第4〜7章:Law, Order and Security(法・秩序・安全)
第4章は、モラル・パニックを含む、無秩序の社会的・政治的構築を扱う。第5章「Securing Order」は、治安妨害、拘束命令(binding over)、反社会的行動命令などの措置を伴う予防的司法への動きを検討する。第6章「Public Order」は、1986年公共秩序法と、集会の規制、暴動、乱闘、ハラスメント、ヘイトクライムを検討する。第7章「Criminal Law and Justice」は、領域、技術、若者といった新たなテーマを取り出す。
セクションIII、第8〜10章:Interpersonal Violence; Drugs and Alcohol Abuse; Offence Preparation and Participation(対人暴力、薬物・アルコール乱用、犯罪の準備と関与)
第8章「Offences Against the Person」は、暴力を犯罪統計の文脈に位置づけたうえで、暴行・傷害と1861年人身犯罪法の主要な三つの犯罪に集中する。第9章は、薬物とアルコールを社会問題の法的構築として扱い、1971年薬物濫用法における不均一な主観的要件や、酩酊が責任に与える関連性を含む。第10章は、未遂・共謀・幇助・教唆などの未完成犯罪(inchoate liability)と、共犯的関与を扱う。
セクションIV、第11〜13章:Property and Propriety(財産と適切さ)
第11章は、社会・政治思想における私有財産の諸観念を導入する。第12章は、窃盗法と2006年詐欺法の下で刑法が財産犯をどう構築するかを検討する。第13章は、公式から非公式まで、民事から刑事まで、財産権がどのように執行されるかを考える。
セクションV、第14〜17章:Regulating Sexuality and Bodily Autonomy(セクシュアリティと身体的自律の規制)
第14章は、セクシュアリティと身体的自律の社会的構築を探る。第15章は、2003年性犯罪法を踏まえた性暴力と刑事手続を扱う。第16章は、同意を含む、より広いセクシュアリティの規制を検討する。第17章「Criminalising Healthcare Choices」は、中絶などの生殖に関する問題を扱う。
セクションVI、第18〜21章:Making a Killing(殺害)
第18章は、許容される暴力と許容されない暴力の境界が社会的にどう構築されるかを検討する。第19章は、道路交通や職場での死亡を含む公共の安全の刑事規制と、「本物の」犯罪と「準」犯罪という考え方を扱う。第20章「Homicide」は、新生児への治療差し控えや、死を早める鎮痛薬の使用といった境界的な問題を扱う。第21章は、謀殺と故殺を扱う。
主要概念
第1〜3章:セクションI
- 文脈の中の法:刑法を、その社会的・歴史的・手続的背景とともに研究するアプローチ。
- デュー・プロセス:人権基準とともに、刑法を正当化する手続的保護。
第4〜10章:セクションII〜III
- 予防的司法:犯罪への事後対応から、リスクを事前に管理することへの移行。
- モラル・パニック:特定の集団や活動に対する社会の警戒で、無秩序の構築を説明するために用いられる。
- 未完成犯罪と共犯:未遂、共謀、幇助についての責任と、他人の犯罪への関与についての責任。
第11〜21章:セクションIV〜VI
- 財産と適切さ:刑法が財産をどう保護し定義するか、そして信頼や社会秩序との関係。
- 本物の犯罪と準犯罪:道路交通や職場での死亡を刑法の主流から周縁化する区別。
- 殺人罪の境界問題:医療上の判断など、生命の周縁における殺害。
批判的分析
長所
- **独自の組織原理。**テーマ別のセクションは、秩序、暴力、財産、性、殺害といった社会問題ごとに項目をまとめ、従来の犯罪の一覧では見えにくいつながりを示す。
- **一次資料と解説。**抜粋と解説が並べて置かれ、出版社によれば各セクションにはナビゲーションのための案内がある。第4版はまた、警察活動、2007年重大犯罪法、2006年詐欺法の改革といった時事的な論点を加えている。
- **文脈への深い目配り。**冒頭の章は、刑法が実際にどう運用され執行されるかを、暴力犯罪と性犯罪が記録された犯罪の5分の1にすぎないという点も含め、異例なほど詳しく述べる。
- **二重の読者層。**出版社は、学部と大学院の学習に適した本として紹介している。
短所
- **法理の入門書ではない。**行為要件、犯意、抗弁は第3章と後続の章に分散しており、専用の連続した配列で扱われてはいない。試験のために規則を学ぶ学生は、法理中心の教科書が別に必要である。
- **選択的な扱い。**テーマ別の構成は、すべての犯罪に等しい紙幅を与えておらず、抗弁や量刑についての独立した章はない。
- **長大で古くなる。**約900ページと重く、法は急速に変わる。2010年刊行の第4版は、その後の立法より前のものである。
コースにおける位置づけ
このコースの図書一覧では、HerringのCriminal Lawは、犯罪と責任の原則を扱う学部向けの入門書で、Horder編のAshworth's Principles of Criminal Lawは、原則、歴史、適用の手引きである。NorrieのCrime, Reason and Historyも批判的なアプローチをとり、法理の矛盾に対する歴史的な強調がある。Simester and SullivanのCriminal Law: Theory and Doctrineは、イングランド刑法の詳細な叙述に、刑事責任を形づくるべき原則の分析を並べたものである。
Lacey、Wells、Quickは、基本的な法理をすでに身につけ、刑法を社会的・政治的な制度として学びたい学生に向く。中核の教科書の代わりではなく、その後に、または並行して読むこと。
本書の使い方
文脈の中の刑法を学ぶ2〜3年次以降の学部生や大学院生に向く。法理は他の本で見つけられることを前提としている。
まず第1・2章で枠組みをつかみ、その後はコースに応じてセクションを選ぶ。公共秩序ならセクションII、暴力と関与ならIII、財産ならIV、性犯罪ならV、殺人ならVIである。各セクションの導入には分類の論理が説明されているので、先に読むこと。抜粋は批判的に読む資料として扱い、2010年以降に立法が変わっているため、制定法と最近の判例を確認すること。
