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Medical Law: A Very Short Introduction(医事法 超入門) cover

法学

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Medical Law: A Very Short Introduction(医事法 超入門)

Charles Foster

英語原題: Medical Law: A Very Short Introduction

オックスフォードで医事法と倫理も教える法廷弁護士による医事法の短い入門書。よく知られた事例からその背後の原則へと進み、医事法の起源と執行、守秘義務、同意、医療過誤、研究、資源配分、臓器提供、終末期を扱う。

前提知識: 法学や医学の予備知識は前提としていない。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
medical lawhealthcare ethicsinformed consentend of life decisionsengland and wales入門

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Foster, C. (2013). Medical Law: A Very Short Introduction. Oxford University Press.

章の要約

本書はオックスフォード大学出版局の「Very Short Introductions」シリーズ第345巻で、全11章、約140ページからなり、巻末に取り上げた判例の一覧、文献案内、索引がある。著者のCharles Fosterは医事法を専門とするバリスターで、オックスフォード大学グリーン・テンプルトン・カレッジのフェロー、同大学の医事法・医療倫理のチューターを務める。ケンブリッジ大学で法学と獣医学を学んだ。出版社の紹介は本書の方法をこう説明する。論争的な医療問題に対するメディアの報道は実際にはほとんど光を当てないので、読者は個々の事件に、さらにその背後にある原理にまで踏み込まなければならない。Fosterはその原理を、よく知られた事件を例に示していく。各章は短く、おおむね6〜19ページである。

第1章:起源と遺産

医事法がどこから来て何を受け継いできたかをたどり、後の章で適用される原理の土台を整える。

第2章:医事法の執行

本論に入る前に、医事法がどのように執行されるかを扱う短い章である。

第3章:出生前

比較的長い章の一つで、出生前をめぐる法を扱う。出版社の紹介が本書の主題として挙げる胚の地位、人工妊娠中絶、体外受精はこの章に属する。

第4章:守秘とプライバシー

出版社が特に取り上げるテーマの一つである、患者の秘密保持とプライバシー。

第5章:同意

インフォームド・コンセントを含む、治療への同意に関する法。

第6章:医療過誤

本書で最も長い約19ページの章で、治療がうまくいかなかったときの法的責任を扱う。

第7章:人を対象とする研究

人が参加する研究の法的規制。

第8章:資源配分

本書で最も短い章で、限られた医療資源の配分に対する法の姿勢を扱う。

第9章:人生の終わり

2番目に長い章で、出版社が挙げる終末期の問題、すなわち生命維持治療の中止、自殺幇助、安楽死を扱う。

第10章:臓器提供と身体の一部の所有

臓器移植と、人体の一部は誰のものかという問題。

第11章:医事法の未来

この分野がどこへ向かうのかを論じる結びの章。

主要概念

基礎(第1〜2章)

  • 事件と原理:個々の事件からその背後にある原理へと進む、本書が掲げる方法。
  • 執行:医事法の規則を実務に効かせるための仕組み。

患者と医療専門職(第4〜6章)

  • 守秘義務:患者の情報を秘密に保つ義務とその限界。
  • インフォームド・コンセント:十分な情報を得た患者の同意に治療が基づかなければならないという要請。
  • 医療過誤:水準に満たない医療によって生じた損害に対する法的責任。

生の始まりと終わり(第3章、第9章)

  • 胚の地位:中絶や体外受精の中心にある、胚と胎児の法的地位。
  • 生命維持治療の中止:患者の生命を維持している治療を適法にやめられるのはどのような場合か。
  • 自殺幇助と安楽死:死への援助を求める声に対する法の対応。

研究、資源、身体(第7〜8章、第10章)

  • 人を対象とする研究:医学研究に参加する人々の法的保護。
  • 資源配分:医療の配給に関する決定を法がどう扱うか。
  • 身体の一部の所有:人体の一部を所有できるのか、できるとすれば誰か。

批判的分析

長所

  • 小さな紙幅で広い範囲を扱う。 11章で、受胎と胚研究から同意、過誤、研究、資源配分、臓器提供、終末期まで、医事法の科目で扱うテーマの大半に約140ページで触れている。
  • 事件を軸にしている。 出版社は、本書が個々の、しばしば有名な事件を通じてその背後の原理に至ることを強調している。巻末には取り上げた判例の一覧があり、判例集や教科書で判決をたどり直すのが容易である。
  • 読みやすい。 出版社は Medical Law Review の書評(M. Fay、第23巻、2015年)から「多彩で引き込まれる」という評を引用しており、本書を一般読者だけでなく医療従事者、政策担当者、法学生にも向けている。
  • 法と倫理の両方に携わる著者。 Fosterは法廷弁護士として医事法の実務に携わり、オックスフォードで医事法と医療倫理を教えている。法の規則とその背後にある原理を行き来する本書の性格に合っている。

短所

  • 部分的に古くなっている。 本書は2013年刊で改訂されていない。そのため、インフォームド・コンセントに関する2015年の英国最高裁判決 Montgomery v Lanarkshire Health Board や、2020年のイングランドにおける臓器提供の推定同意方式への移行など、その後のイングランド医事法の重要な展開より前に書かれている。特に第5章、第9章、第10章は最新の教科書と併せて読む必要がある。
  • 各テーマの扱いがごく短い。 10ページに満たない章もいくつかあり、各テーマは深く分析されるというより紹介にとどまる。事例問題や試験のある科目で教科書の代わりにはならない。
  • 精神保健法の章がない。 目次には精神保健法や意思決定能力を独立して扱う章がない。これらを詳しく扱う科目では別の文献が必要になる。

コースにおける位置づけ

本書は、このリストの医事法の本のなかで最も短く気軽な入口であり、授業が始まる前か最初の数週間に読むのがよい。Margaret Brazier、Emma Cave、Rob Heywoodの Medicine, Patients and the Law が自然な次の一歩で、学生と一般読者の双方に向けて書かれた、イングランドとウェールズの医事法のより詳しく新しい概説である。Jonathan HerringとShaun Pattinsonの二つの教科書(いずれも書名は Medical Law and Ethics)は、テーマごとに制定法、判例、ガイダンスを示し、対立する倫理的議論と併せて論じる。科目の主教材にはこれらのいずれか、またはBrazierらの概説を据え、本書は予習に使うとよい。

Anne-Maree FarrellとEdward Doveが編者を務める Mason & McCall Smith's Law and Medical Ethics は、スコットランド法も扱う長い歴史をもつ詳細な解説書である。Emily Jacksonの Medical Law: Text, Cases, and Materials は、判例・制定法・論争からの抜粋に解説を組み合わせた本で、一次資料から学びたい学生に向いている。いずれも基礎を固めた後に深めるための本である。

本書の使い方

本書は初めて医事法に取り組むすべての人に向いている。医事法・医療法の科目を前にした法学生、研修のなかで法に出会う医学生・看護学生、そして一般読者である。法律や医学の予備知識は前提とされていない。

実践的な進め方:

  • 通読する。 約140ページなので数回に分ければ読み切れ、各章は部分ごとより全体として読んだほうが有用な見取り図をつくる。第1章と第2章は残りの章の枠組みとなるので飛ばさないこと。
  • 地図として使う。 各章について、主要な判例とそれぞれが示す原理を、巻末の判例一覧を使って書き留める。その一覧は、講義の教科書でより詳しく学ぶ際のチェックリストになる。
  • 読みながら最新化する。 これらの分野の法は2013年以降に動いているので、第5章(同意)、第9章(人生の終わり)、第10章(臓器提供)は最新の教科書で確認すること。第11章の医事法の未来に関する議論は、その後の経緯を念頭に置いて読むと興味深い。
  • 文献案内をたどる。 巻末の文献案内は、各テーマのより詳しい扱いへと導いてくれる。

本書の事件中心のアプローチを楽しめた読者は、判決そのものを読むためにJacksonのようなケースブックへ、あるいは同じ範囲を最新の形で概観するためにBrazier、Cave、Heywoodの概説へと進むとよい。