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Electronics: A Systems Approach(エレクトロニクス:システムからのアプローチ) cover

工学

工学

Electronics: A Systems Approach(エレクトロニクス:システムからのアプローチ)

Neil Storey

英語原題: Electronics: A Systems Approach

電気電子工学の入門教科書で、まずシステム全体、すなわち入力、出力、機能ブロックから始め、その後で内部の回路や素子へと掘り下げていく。基本的な回路理論と部品から、センサ、増幅器、半導体、ディジタル電子回路を経て、通信とシステム設計へと進み、例題、章末演習、オンラインの解説動画とクイズを備える。

前提知識: 代数と基礎的な三角法を含む学校数学。電子工学の予備知識は前提としない。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
electronicselectrical circuitssemiconductorsdigital systemsoperational amplifiers教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Storey, N. (2017). Electronics: A Systems Approach (6th ed.). Pearson Education.

章の要約

第6版は約840ページ、30章からなり、二部に分かれ、付録がつく。第1部「電気回路と部品」(第1〜10章)は、電気回路と部品についてそれだけで完結した講座になっている。第2部「電子システム」(第11〜30章)は電子システムから始め、その内部にあるデバイスと回路を、アナログ、続いてデジタルの順にたどる。出版社はこの方法をシステム優先と説明している。学生は部品を解析する前に、システムが何を達成するためのものかを把握する。各章には学習目標、まとめ、例題、演習があり、付属ウェブサイトでは100本を超える解説動画とオンラインの小テストが提供されている。

第1〜3章:基本的な電気回路と部品/電圧と電流の測定/抵抗と直流回路

基礎の部分。基本的な回路と部品を扱う最初の章、電圧と電流の測定の章、そして抵抗と直流回路の解析の章からなる。

第4〜5章:静電容量と電界/インダクタンスと磁界

エネルギーを蓄える二つの部品を、それぞれの基礎となる場とともに導入する。

第6〜9章:交流電圧と交流電流/交流回路の電力/電動機と発電機/交流回路の周波数特性

交流、交流回路の電力、回転機、回路の周波数特性を扱う。電動機と発電機の章によって第1部は電気工学入門の講座と同じ範囲をもち、出版社はこれを、本書が電子工学と電気工学の両方の入門科目で単独の教科書として使える理由のひとつに挙げている。

第10章:過渡現象

第1部は、急な変化に対する回路の応答で締めくくられる。

第11〜13章:電子システム/センサ/アクチュエータ

ここでシステムの見方が示される。入力、出力、そしてその間にあるブロックである。第6版ではセンサとアクチュエータの章が拡充され、イメージセンサと光ファイバ通信に使われるデバイスが加わった。

第14〜16章:増幅/制御とフィードバック/オペアンプ

増幅器はまずシステムのブロックとして扱われ、次にフィードバックとともに使われ、最後にその最も一般的な集積形態であるオペアンプとして登場する。

第17〜21章:半導体とダイオード/電界効果トランジスタ/バイポーラ接合トランジスタ/パワーエレクトロニクス/オペアンプの内部回路

ここではじめてデバイスの内部に入る。半導体物理とダイオード、二つのトランジスタの系統、パワーエレクトロニクス、そして最後に第16章でブロックとして使ったオペアンプの中身である。この順序こそがシステムアプローチの実践である。

第22〜23章:ノイズとEMC/正帰還、発振器、安定性

実際上の限界を扱う2章。不要な信号と電磁両立性、そして正帰還にともなう安定性の問題と発振器である。

第24〜27章:デジタルシステム/順序論理/デジタルデバイス/デジタル設計の実装

デジタルの流れは、論理と組合せシステムから、順序論理とそれを実現するデバイスを経て、デジタル設計の実装へと進む。第6版では、Raspberry PiやArduinoのようなシングルボードコンピュータについての節も加えられた。

第28〜30章:通信/データ収集と変換/システム設計

最後の章群はシステム全体に戻り、通信、アナログ信号とデジタル信号の間の変換、そしてシステム設計を扱う。第6版ではマイクロ波通信と光ファイバ通信の節が加わった。

主要概念

第1部:回路と部品

  • 直流回路解析:部品のネットワークにおける電圧、電流、抵抗の関係を求めること。
  • 静電容量とインダクタンス:電界と磁界にエネルギーを蓄え、回路に時間と周波数に依存したふるまいを与える部品。
  • 交流電力:交流の電圧と電流で駆動される回路の電力。
  • 過渡現象:回路がある定常状態から別の定常状態へ移る間の応答。

第2部:アナログシステム

  • システムアプローチ:回路を調べる前に、入力と出力をもつブロックの機能によって電子回路を記述すること。
  • センサとアクチュエータ:電子システムを物理量と結びつけるデバイス。
  • フィードバック:出力の一部を入力に戻すこと。負帰還は制御と精度のため、正帰還は発振器のために使う。
  • オペアンプ:汎用の集積増幅器。最初はブロックとして使い、後で内部を解析する。

第2部:デバイスとデジタルシステム

  • 半導体デバイス:ダイオード、電界効果トランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ。
  • ノイズとEMC:不要な信号と、機器の電磁両立性。
  • 組合せ論理と順序論理:記憶をもたないデジタル回路と、記憶をもつデジタル回路。
  • データ変換:データ収集におけるアナログ表現とデジタル表現の間の変換。

批判的分析

長所

  • 細部より先に機能。 出版社の説明では、学生は部品の設計や解析に取り組む前に、システムが何をするよう設計されているかを理解する。目次はこれを一貫させており、増幅器とオペアンプ(第14〜16章)がトランジスタの章より前に置かれ、オペアンプの内部回路は第21章まで取っておかれる。
  • 電気と電子を一冊に。 第1部は直流・交流回路、回転機、過渡現象を扱う。出版社は第1部を、本書が電子工学と電気工学の両方の入門科目に使えるほど充実したものと位置づけており、アナログとデジタルの電子回路も一緒に扱われている。
  • 学習の支援。 章の学習目標、まとめ、例題、章末演習が全体を通じて用意されており、第6版では演習が拡充された。オンラインの解説動画と小テストは、難しい話題に別の道筋から取り組む手段になる。
  • 最新の応用。 第6版で加わった内容(シングルボードコンピュータ、マイクロ波・光ファイバ通信、イメージセンサ)は、基礎を学生が実際に使いそうな機器と結びつけている。

短所

  • 幅の代わりに深さが犠牲に。 30章で基本的な直流回路から通信やシステム設計までを扱う。半導体デバイスはそれぞれ1章ずつしかなく、電子工学を専門的に学ぶ学生は後でデバイスレベルの教科書が必要になる。
  • 一つの科目には長い。 約840ページは一つの科目で使える量を超えており、教員はアナログ、デジタル、システムの章の間で取捨選択する必要がある。
  • システム優先は逆向きに感じられることも。 部品から積み上げるのを好む学生は、増幅器やオペアンプを、それを動かすトランジスタより何章も前に使うことに戸惑うかもしれない。これは本書の意図的な選択だが、合う学習者と合わない学習者がいる。

コースにおける位置づけ

ストーリーは、回路と電子工学の書目のなかで、体系的に組み立てられた最初の科目向けの教科書である。シャーツとモンクの Practical Electronics for Inventors はその実践的な対となる本で、部品、試作、回路製作の実地のガイドであり、実験台での作業のためにストーリーと並行して使うのがよい。アレクサンダーとサディクの Fundamentals of Electric Circuits は第1部よりはるかに深く回路解析を扱い、電気工学の学生にとって自然な次の一歩である。アガルワルとラングの Foundations of Analog and Digital Electronic Circuits は、電気工学専攻の学生向けに回路、デジタル抽象化、MOSデバイス、増幅器を統一的に扱う本で、この分野を続ける学生の二冊目によい。

後の本は、ストーリーの個々の流れをさらに先へ進める。ハウとソディーニの Microelectronics: An Integrated Approach は第17〜19章の半導体デバイスを発展させ、ヘイトとバックの Engineering Electromagnetics は第4〜5章の背後にある場の理論を築き、パターソンの Computer Organization and Design はデジタルの章からプロセッサ設計へと続く。

本書の使い方

出版社は本書を、電子工学の基礎的な理解を必要とする技術者、科学者、技術系の人々に向けており、電子工学と電気工学の入門科目で単独の教科書として使えるものと位置づけている。基本的な回路から始まるので電子工学の予備知識は不要だが、代数に自信があれば回路の章はずっと楽になる。

  • 電気工学を重視する場合: 第1部全体(第1〜10章)、続いて電子工学の入口として第11章、第14〜16章、第17〜19章。
  • 電子工学を重視する場合: 回路の要点として第1〜6章と第9〜10章、続いて第2部を第21章まで順に読み、その後デジタルの章(第24〜27章)。
  • 機械系・メカトロニクス系の学生: 第1〜6章、第11〜16章、第20章、さらにデジタルインターフェースとデータ変換のために第24章と第29章。
  • 関心に応じて選ぶ部分: 第22〜23章(ノイズ、EMC、発振器)、第28章(通信)、第30章(システム設計)。プロジェクト作業に向いている。

例題は能動的に使うこと。解答を隠してまず自分で解いてみる。各章を学習目標とまとめに照らして確認し、話題がつかめないときはオンラインの動画を使い、試験の前には小テストに挑戦するとよい。