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Convective Heat and Mass Transfer(対流熱伝達と物質移動) cover

工学

工学

Convective Heat and Mass Transfer(対流熱伝達と物質移動)

S. Mostafa Ghiaasiaan

英語原題: Convective Heat and Mass Transfer

熱伝達と物質移動を並べて扱い、両者の相似性を活用する対流の大学院向け教科書。境界層理論、層流と乱流の強制対流、自然対流と共存対流、乱流モデルを展開し、微小流路の流れや微粒子の拡散・対流輸送についての章も加えている。

前提知識: 学部レベルの伝熱工学と流体力学、偏微分方程式の知識。

難易度レベル
上級
学術レベル
大学院
heat transfermass transferconvectionboundary layersturbulence教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Ghiaasiaan, S. M. (2018). Convective Heat and Mass Transfer (2nd ed.). CRC Press.

章の要約

第2版は652ページで、14章と付録からなる。基礎と境界層理論から出発し、層流と乱流の強制対流を経て、自然対流と混合対流に進み、最後に乱流モデルと二つの専門的な話題を扱う。物質移動は別立てではなく熱移動と並べて扱われており、この点はある評者が特に挙げている。

第1章:Thermophysical and Transport Fundamentals(熱物性と輸送の基礎)

冒頭の章で、対流の各章に入る前に熱物性と輸送の基礎を扱う。

第2章:Boundary Layers(境界層)

境界層を導入する。続く層流と乱流の章はこれを対象とする。

第3章:External Laminar Flow: Similarity Solutions for Forced Laminar Boundary Layers(外部層流:強制層流境界層の相似解)

外部表面上の強制層流境界層について相似解を導く。

第4章:Internal Laminar Flow(内部層流)

管内の層流を扱う。

第5章:Integral Methods(積分法)

対流の問題に対する積分法を示す。

第6章:Fundamentals of Turbulence and External Turbulent Flow(乱流の基礎と外部乱流)

乱流の基本的な特徴を紹介し、外部乱流に適用する。

第7章:Internal Turbulent Flow(内部乱流)

第4章に対応する乱流の章で、管内の乱流を扱う。

第8章:Effect of Transpiration on Friction, Heat and Mass Transfer(蒸散が摩擦・熱・物質移動に及ぼす影響)

表面での蒸散が摩擦と熱・物質移動をどう変えるかを検討する。

第9章:Analogy among Momentum, Heat, and Mass Transfer Processes(運動量・熱・物質移動過程の間の類似)

運動量、熱、物質の移動過程の間の類似を展開する。

第10章:Natural Convection(自然対流)

強制対流から、浮力によって駆動される流れへ進む。

第11章:Mixed Convection(混合対流)

強制対流と自然対流が同時に働く場合を扱う。

第12章:Turbulence Transport Models(乱流輸送モデル)

乱流輸送モデルを扱う。

第13章:Flow and Heat Transfer in Miniature Channels(微小流路内の流れと熱移動)

微小流路内の流れと熱移動を扱う。出版社と評者がともに比較的新しい話題として挙げている。

第14章:Diffusion and Convective Transport of Particles(粒子の拡散と対流輸送)

第2版で加わった章で、粒子の拡散と対流輸送を扱う。ある評者はこれを本書ならではの追加と評している。

主要概念

第1–5章:基礎と層流対流

  • 境界層:表面近くで流れと熱・物質移動を解析する領域。第2章で導入される。
  • 相似解:外部表面上の強制層流境界層に用いる方法(第3章)。
  • 積分法:第5章での対流問題への取り組み方。

第6–9章:乱流と類似

  • 内部・外部の乱流:層流の扱いに対応する乱流の扱い。
  • 蒸散:表面での物質移動と、それが摩擦・熱移動・物質移動に及ぼす影響。
  • 運動量・熱・物質の類似:三つの輸送過程の間の関係(第9章)。

第10–14章:浮力、モデル、専門的な話題

  • 自然対流と混合対流:浮力駆動の流れと、強制流れとの組合せ。
  • 乱流輸送モデル:乱流輸送を予測するためのモデル。
  • 微小流路と粒子輸送:出版社と評者が比較的新しいと述べる話題。

批判的分析

長所

  • 熱移動と物質移動を並べて扱う。 出版社が引用するHooman Tafreshi(ヴァージニア・コモンウェルス大学)の評は、すべての章で熱移動とともに物質移動を教える点を強調している。
  • 比較的新しい話題。 同じく出版社が引用するNevzat Onur(トルコ、Cankaya大学)は、微小流路の流れやナノ流体などの新しい話題を含むことを指摘している。出版社はナノスケールの熱移動とCFDを挙げている。
  • 複数の分野に対応。 出版社は機械工学と化学工学の科目に適するとしており、Tafreshiの評は機械、化学、原子力、生体医工学を挙げている。
  • 簡潔だが深い。 Tafreshiは、熱・物質・運動量移動の基礎を深く、しかも簡潔に解析した本だと述べている。

短所

  • 大学院レベル。 出版社は大学院の学習に最適としており、伝熱の最初の科目ではない。学部レベルの伝熱学を先に学んでおく必要がある。
  • 対流のみ。 目次は対流と輸送の類似に集中しており、熱伝導、放射、熱交換器を主題とする章はない。
  • 白黒の図版。 出版社は、652ページの本に189点の白黒図版があるとしている。

コースにおける位置づけ

このコースの書目の中で、Ghiaasiaanは対流に特化した専門的な教科書である。Lienhardの A Heat Transfer Textbook、Bergmanらの Fundamentals of Heat and Mass Transfer、ÇengelとGhajarの Heat and Mass Transfer、NellisとKleinの Introduction to Engineering Heat Transfer、KreithとManglikの Principles of Heat Transfer はいずれも、対流とほかの伝熱形態をあわせて扱う総合的な伝熱の教科書である。出発点にはこれらのどれかを選び、そこでの対流の章では足りなくなったときにGhiaasiaanに進む。

この中で、Bergmanらは熱力学、流体力学、微積分の既習を前提とすると説明しており、NellisとKleinは導出と計算ツールを組み合わせている。どちらも、Ghiaasiaanの境界層、乱流、類似の各章のより深い内容への準備として妥当である。

本書の使い方

大学院生と、機械・化学などの分野の実務技術者を対象とする。学部の伝熱学と多少の流体力学が出発点として適している。

実際的な進め方は次のとおり。

  • 中核: 層流境界層の見取り図と輸送の類似をつかむために第1–4章と第9章、続いて乱流のために第6–7章。
  • 方法: 第5章は積分法を扱い、第3章と第4章のあとに読める。
  • 応用と発展: 浮力駆動の問題には第10–11章、乱流モデルには第12章、微小スケールと粒子輸送には第13–14章。

章は一般的な基礎から専門的な話題へと進むので、特定の関心がある読者は、基礎を読んだあと、自然対流、乱流モデル、微小スケールの流れ、粒子輸送のうち関連する後続の章へ直接進んでもよい。化学工学の出身者は、熱移動の結果と物質移動の結果を結ぶ類似の章から始めてもよい。

各章では、熱移動と物質移動の結果を並べて読むとよい。類似の章は両者の上に成り立っているからである。