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流体力学入門 cover

工学

工学

流体力学入門

Donald F. Young、Bruce R. Munson、Theodore H. Okiishi

英語原題: A Brief Introduction to Fluid Mechanics

流体静力学、保存則、流れの解析、工学的応用を扱い、物理的な問題を解く力を重視した入門書。

前提知識: 微積分ベースの物理学、1 変数の微積分、工学の静力学。圧縮性流れの部分では熱力学の基礎があると役立ちます。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
流体力学保存則工学力学水理学問題解決

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Young, D. F., Munson, B. R., & Okiishi, T. H. (2004). A Brief Introduction to Fluid Mechanics (3rd ed.). Wiley.

章の要約

第3版は11章からなり、4つの付録(単位換算表、流体の物性、米国標準大気の性質、レイノルズの輸送定理)、一部の問題の解答、索引を備え、約560ページである。出版社の紹介は、2つの指針を「簡潔で焦点が絞られている」こととし、著者が基本的な解析手法を示し、管路の流れ、開水路の流れ、流量測定、抗力と揚力といった実際的な課題や応用を取り上げると述べている。各章は章の要約と学習ガイドで終わる。カタログは章題だけで節のリストを示していないので、以下の各項目は題名が指す内容を述べる。

第1章:序論(Introduction)

冒頭の章。カタログは題名だけを示している。

第2〜3章:流体静力学、初等流体力学——ベルヌーイの式(Fluid Statics; Elementary Fluid Dynamics—The Bernoulli Equation)

まず静止した流体を扱い、次にベルヌーイの式を通じて流体力学を初歩的に扱う。2つの章で、最初の実用的な道具が得られる。静止流体の圧力場と、流線に沿った単純なエネルギー型の関係である。

第4〜5章:流体運動学、有限検査体積解析(Fluid Kinematics; Finite Control Volume Analysis)

運動学は流体の運動をどう表すかを述べ、有限検査体積解析は保存則を有限の流れの領域に適用する。出版社は、本版でレイノルズの輸送定理の提示が簡略化されたと述べており、この定理には独立した付録がある。

第6章:流れの微分解析(Differential Analysis of Fluid Flow)

前章の有限検査体積の方法に対する、点ごとの微分的な対応物。

第7章:相似、次元解析、モデリング(Similitude, Dimensional Analysis, and Modeling)

次元解析、相似、モデリングの章で、2つの主要な応用分野の前に置かれている。

第8〜9章:管内の粘性流れ、没水物体まわりの流れ(Viscous Flow in Pipes; Flow Over Immersed Bodies)

2つの応用の章。管路の流れと抗力・揚力は出版社が挙げる実際的な課題に含まれ、抗力と揚力は没水物体まわりの流れに属する。

第10〜11章:開水路の流れ、ターボ機械(Open-Channel Flow; Turbomachines)

最後の章は、開水路の流れとターボ機械を扱う。開水路の流れも、出版社が挙げる応用に含まれている。

主要概念

第1〜3章:序論、流体静力学、ベルヌーイの式

  • 流体静力学:静止した流体の圧力分布とその帰結。
  • ベルヌーイの式:流れに沿って圧力、速度、高さを結びつける初等的な関係式。

第4〜7章:運動学、検査体積、微分解析、相似

  • 有限検査体積解析:空間内に定めた領域に保存則を適用すること。
  • レイノルズの輸送定理:系についての法則を検査体積についての言明に変える結果。書中に独立した付録がある。
  • 微分解析:領域全体ではなく、1点での流れを記述すること。
  • 次元解析と相似:問題を無次元数にまとめ、結果をモデルと実機の間で換算できるようにすること。

第8〜11章:粘性流れ、没水物体、開水路、ターボ機械

  • 管内の粘性流れ:管路の流れ。出版社が挙げる応用の1つ。
  • 抗力と揚力:流れの中の物体に働く力。
  • 開水路の流れ:自由表面をもつ流れ。
  • ターボ機械:ポンプやタービンなど、流体とエネルギーをやりとりする機械。

批判的分析

長所

  • 簡潔さを設計目標にしている。 出版社は、2つの指針は簡潔で焦点が絞られていることだとしている。本書は約560ページ、11章である。
  • 多くの例題と多様な問題。 100を超える例題が挙げられ、各章の宿題には、自由回答式の問題、CD-ROMの映像に基づく問題、実験の問題、コンピュータ問題が含まれる。
  • 学習の補助。 第3版では、余白の簡単な図、章の要約と学習ガイド、強調された重要語、簡略化されたレイノルズの輸送定理の提示、各章の新しい宿題が加わった。
  • マルチメディア教材。 付属のCD-ROM「Fluid Mechanics Phenomena」には、75本の短い映像、30題の拡張された実験型の問題、Excel形式の実験データ、168題の復習問題があった。

短所

  • 完全な科目向け教科書よりは範囲が狭い。 圧縮性流れやポテンシャル流れの章はなく、微分解析は1章だけである。これらの主題を扱う科目には、より長い本が必要になる。
  • 古いメディア。 CD-ROMは第3版の特徴である。それがない冊子や後の版を使う読者は利用できない。
  • 版による違い。 上記の内容は第3版(2004年4月)のものである。後の版は著者を加え、内容も変えているので、章番号を上のリストと照らし合わせる前に版を確認すること。

コースにおける位置づけ

Young、Munson、Okiishiの簡約版は、1学期の流体力学入門で、この分野の主要な構成要素を11章で扱う。WhiteとXueの Fluid Mechanics はより充実した代替で、第9版も11章だが配分が異なり、ポテンシャル流れと数値流体力学の章、圧縮性流れの章が加わり、微分関係式の章が次元解析の前に置かれている。より短い応用志向の科目にはYoungらの本を、より詳しい導出と広い範囲を求める科目にはWhiteとXueの本を選ぶとよい。

ほかに2冊、出発点の異なる読者に向く本がある。Nakayamaの Introduction to Fluid Mechanics は、実際の流れの写真や図で主題を導入し、管路と水路の流れ、境界層、抗力と揚力も扱い、圧縮性流れと計算法の入門もある。Laugaの Fluid Mechanics: A Very Short Introduction は式をほとんど使わず、概念的な予習になる。コースの先では、Kundu、Cohen、Dowling、Capecelatroの Fluid Mechanics が支配方程式から出発する大学院レベルの解説であり、Andersonの Fundamentals of Aerodynamics は翼型、翼、圧縮性流れへと進む。

本書の使い方

本書は、1学期の流体力学の科目を取り、分野の核心とその応用を求める工学系の学生に向いている。カタログは予備知識を示していない。微積分を用いる物理の科目が通常の背景である。

  • 核心: 第1〜5章を順に。性質、静力学、ベルヌーイの式、運動学、検査体積解析である。後の章はこれらの道具を使う。
  • 応用: 管路の流れと没水物体を扱う第8章と第9章が通常の次の段階である。次元解析と相似の第7章は、本の中でこれらの前に置かれている。
  • 任意、または時間があれば: 第6章の微分解析と、第10章・第11章の開水路の流れとターボ機械は、シラバスに応じて。

宿題の前に各章の要約と学習ガイドに目を通し、可能なら自由回答式や実験型の問題にも挑戦するとよい。