01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Carraher, C. E., Jr. (2017). Introduction to Polymer Chemistry (4th ed.). CRC Press.
章の要約
第4版は約560ページ、全16章のカラー印刷で、最後に「Structures of Common Polymers(一般的な高分子の構造)」と題された節が続く。出版社は本書を、天然・合成・無機・有機の高分子をバランスよく扱い、学部の基礎科目の上に積み上げる本であり、アメリカ化学会の専門教育委員会(ACS CPT)が認定化学課程に求める高分子の内容を満たすよう設計されていると説明する。出版社によれば、有機化学の比重の高い章が先に、物理的な側面が後に置かれている。挙げられている特徴には演習問題、学習のまとめ、用語集、参考文献案内があり、短いケーススタディが発展の歴史的・社会的な背景を示す。CHOICE誌(2017年9月)のL. W. Fineによる書評は、本書の順序を、まず命名法とモルフォロジー、次に天然高分子と合成高分子へと進み、全体を通じて方法、反応機構、物性試験が扱われると説明している。
第1章:高分子入門
最初の章はこの分野を導入する。Fineの書評は、命名法を最初に扱われる話題の一つに挙げている。
第2–3章:高分子の構造(モルフォロジー)、高分子の分子量
高分子をつくる前にそれを記述するための2章で、構造とモルフォロジー、そして高分子鎖の分子量を扱う。
第4章:天然高分子
天然の巨大分子が合成法より先に置かれている。これは珍しい配置で、同じ原理がすべての高分子群に当てはまることを示すという本書の狙いを反映している。出版社の説明は、本書が扱う対象として生体高分子、バイオベース材料、天然複合材料を挙げている。
第5–8章:逐次重合(重縮合反応)、イオン連鎖重合と錯体配位重合(付加重合)、ラジカル連鎖重合(付加重合)、共重合
合成高分子化学の中核で、逐次成長重合、イオン重合と配位重合による連鎖成長重合、ラジカル連鎖重合、共重合を扱う。この版の順序では、イオン重合と配位重合がラジカル重合より先に来る。
第9–10章:有機金属高分子とメタロイド高分子、無機高分子
主鎖や側鎖に金属、メタロイド、その他の無機元素を含む高分子を扱う2章である。著者はこの分野で広く研究しており、出版社の著者紹介は、彼の研究が75以上の新しい高分子群の合成につながったと記している。
第11章:高分子の反応
既存の高分子に対して行う化学反応。
第12–13章:高分子の試験と分光学的キャラクタリゼーション、レオロジーと物理試験
この分野の分析的・物理的な側面で、高分子のキャラクタリゼーションに用いる分光学的な試験やその他の試験、続いて流動挙動と物理試験を扱う。出版社の説明は、キャラクタリゼーションと分析の技術、エネルギー吸収と熱伝導、物理的・光学的性質を本書の話題に挙げている。
第14–16章:添加剤、高分子の原料と中間体の合成、高分子技術
最後の章群は実務に向かう。高分子に配合される添加剤、高分子の原料となるモノマーと中間体の合成、そして高分子技術である。出版社は扱われる材料として、エラストマー、接着剤、塗料、繊維、プラスチック、ブレンド、コーキング材、複合材料、セラミックスを挙げ、この版では生分解性高分子、バイオベース材料、より安価な原料を含め、環境への懸念を扱っていると付け加えている。
主要概念
第1–4章:高分子を記述する
- モルフォロジー:固体中での高分子鎖の配置で、秩序だった結晶領域から無秩序な非晶領域まである。
- 分子量分布:高分子にはさまざまな長さの鎖が含まれるので、分子量は平均値で表される。
- 天然高分子:生体系にあるような巨大分子で、合成高分子と同じ原理で扱われる。
第5–8章:高分子をつくる
- 逐次成長(縮合)重合:官能基どうしの段階的な反応で鎖が伸びる重合で、しばしば小分子が脱離する。
- 連鎖成長(付加)重合:活性中心へのモノマーの逐次的な付加で鎖が伸びる重合で、活性中心はイオン、配位、ラジカルのいずれかである。
- 共重合:2種類以上のモノマーを一緒に重合させ、それぞれの性質を組み合わせること。
第9–11章:無機高分子と高分子の反応
- 有機金属高分子と無機高分子:鎖や側鎖に金属やその他の無機元素を含む巨大分子。
- 高分子の反応:既存の高分子の化学修飾。
第12–16章:物性と実務
- レオロジー:高分子がどのように流れ、変形するかを研究する学問。
- 添加剤:加工性や物性を変えるために高分子に配合される物質。
- モノマー合成:高分子の出発物質をつくる工業的な経路。
批判的分析
長所
- 合成中心で化学的に詳しい。 重合機構に4章、さらに高分子の反応とモノマーの合成に章があり、本書に強い化学的な中核を与えている。CHOICEの書評者は、方法と反応機構の記述を「常に興味深い」と評した。
- 扱う高分子の範囲が際立って広い。 天然高分子、有機金属高分子、無機高分子にそれぞれ独立した章があり、これを備えた入門的な高分子の教科書は少ない。
- 学習の支援。 出版社は、改訂された演習問題、学習のまとめ、用語集、参考文献案内、ケーススタディを本書の特徴として挙げている。
- 好意的な書評。 この版に対するCHOICEの書評は、学部の低学年以上、教員、専門家にとって「Essential(必須)」と評価し、実際的な応用、話題の多様さ、内容の新しさを称賛した。
短所
- 物理的な高分子科学が圧縮されている。 キャラクタリゼーション、レオロジー、物理試験は終盤の2章に収められている。目次には高分子溶液、粘弾性、高分子固体の力学的挙動を独立に扱う章がなく、材料寄りの授業ではこれらが必要になる。
- 有機化学が前提。 有機化学の比重の高い章が先に置かれているので、有機化学の授業を受けていない読者には、序盤の反応機構の章が難しく感じられるだろう。
- 範囲の広さ。 天然・合成・無機・有機金属の高分子と技術を約560ページで扱うため、簡単な扱いにとどまる話題もあり、教員は取捨選択する必要がある。
コースにおける位置づけ
このコースのリストの中で、Carraherは高分子化学の教科書である。Harry Allcockの Introduction to Materials Chemistry は材料全般を幅広く定性的に概観する本で、多くの材料分類の一つとして高分子に2章を割いている。材料全体の見取り図を求める学生にはそちらがよい出発点であり、Carraherは高分子合成をより深く扱う本となる。Robert YoungとPeter Lovellの Introduction to Polymers は、合成、キャラクタリゼーション、モルフォロジー、固体としての高分子の物理的・力学的性質を軸に構成されており、Carraherの化学的な重点を補う。物理的な側面について自然な併読書または次の一冊になる。
Anthony Westの Solid State Chemistry and its Applications とPeter Müllerの Crystal Structure Refinement は無機固体と結晶構造決定を扱う本で、Carraherとは周辺部分(無機高分子とセラミックス)でしか重ならず、高分子の授業には必要ない。
本書の使い方
出版社は本書を基礎的な化学の授業を終えた学部生向けとしており、CHOICEは学部低学年から専門家までに推薦している。反応機構の章が早く出てくるので、現実的な準備としては一般化学と有機化学の最初の授業が必要である。
1学期の高分子化学の授業のための実践的な計画:
- 中核: 第1–3章(入門、構造とモルフォロジー、分子量)、続いて重合を扱う第5–8章。多くの授業はこれらの章を中心に組み立てられる。
- キャラクタリゼーションと物性: 第12–13章。授業が材料寄りであればYoungとLovellと組み合わせる。
- 関心に応じて: 生体材料・天然材料には第4章、無機高分子と有機金属高分子には第9–10章、高分子の反応には第11章、添加剤、モノマー合成、工業的な実務には第14–16章。
演習問題に取り組む前に学習のまとめと用語集で復習し、出版社が強調する歴史的・社会的な背景を知るためにケーススタディを読むとよい。題名が示すとおり、最後の「Structures of Common Polymers」の節は、各章に出てくる高分子の構造を調べるための場所である。
