01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Hillis, D. M., Heller, H. C., Hacker, S. D., Hall, D. W., Laskowski, M. J., O'Connell, L. A., & Sadava, D. E. (2023). Life: The Science of Biology (12th ed., Digital Update). Macmillan Learning.
章の要約
第12版は57章、九つの部からなる。2023年のデジタル・アップデートでは、Hillis、Heller、Hacker、Hall、Laskowski、Sadava に加えて Lauren O’Connell が著者に挙げられている。第12版そのものは2020年の刊行である。出版社は、能動的な発見、重要概念への鋭い焦点、現代的な事例を通じて、学生が後の科目や職業に向けた土台を築けることを目指す本だと説明している。各部は化学から始まり、細胞、遺伝子、進化と多様性を経て、植物と動物の機能、生態学へと進む。
第I部:生命の科学とその化学的基盤(第1–4章)
「生命を研究する」「小分子と生命の化学」「タンパク質、炭水化物、脂質」「核酸と生命の起源」。この部は核酸と生命の起源を結びつけて終わる。
第II部:細胞(第5–7章)
「細胞:生命の働く単位」「細胞膜」「細胞間コミュニケーションと多細胞性」。
第III部:細胞とエネルギー(第8–10章)
「エネルギー、酵素、代謝」「化学エネルギーを得る経路」「光合成:太陽光からのエネルギー」。
第IV部:遺伝子、ゲノム、遺伝(第11–18章)
八つの章:「細胞周期と細胞分裂」「遺伝、遺伝子、染色体」「DNAと遺伝におけるその役割」「DNAからタンパク質へ:遺伝子発現」「遺伝子変異と分子医療」「遺伝子発現の調節」「ゲノム」「組換えDNAとバイオテクノロジー」。
第V部:進化の過程とパターン(第19–23章)
「進化の過程」「系統の再構築と活用」「遺伝子とゲノムの進化」「種分化」「地球上の生命の歴史」。ゲノムの進化は遺伝学の部ではなくこの部に置かれている。
第VI部:多様性の進化(第24–31章)
八つの章が分類群を概観する。「細菌、古細菌、ウイルス」「真核生物の起源と多様化」「種子をもたない植物:水から陸へ」「種子植物の進化」「菌類の進化と多様性」「動物の起源と体制の進化」「前口動物」「後口動物」。
第VII部:被子植物:形態と機能(第32–37章)
「植物体」「植物における輸送」「植物の栄養」「植物の成長の調節」「被子植物の生殖」「環境ストレスへの植物の応答」。
第VIII部:動物:形態と機能(第38–51章)
十四章:「生理学、恒常性、体温調節」「動物ホルモン」「免疫学:動物の防御系」「動物の生殖」「動物の発生」「ニューロン、グリア、神経系」「感覚系」「哺乳類の神経系」「筋骨格系」「ガス交換」「循環系」「栄養、消化、吸収」「塩と水のバランスと窒素排泄」「動物の行動」。
第IX部:生態学(第52–57章)
「物理的環境と生命の生物地理」「個体群」「種間相互作用」「群集」「生態系」「変化する生物圏」。
主要概念
第I〜III部
- 生命の化学:小分子に始まり、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸へ。
- 膜と細胞間コミュニケーション:細胞がどう境界を持ち、どう信号を伝えるか。多細胞性を含む。
- 代謝:酵素、エネルギーを得る経路、光合成。
第IV部
- 遺伝子発現とその調節:DNAからタンパク質まで。調節には独立した章がある。
- ゲノムと組換えDNA:ゲノムレベルの考え方とバイオテクノロジー。
- 分子医療:章題が遺伝子変異を医療応用と結びつけている。
第V〜VI部
- 系統樹:進化の系統樹の再構築と活用。
- 種分化と生命の歴史:新種がどう生じるか、そして深い時間軸。
- 体制:動物の起源と体制の進化が、二つの動物の章への導入となる。
第VII〜IX部
- 恒常性:動物生理学への入口。
- 植物の成長の調節と応答:シグナルと環境ストレス。
- 個体群から生物圏まで:個体群と種間相互作用から変化する生物圏に至る生態学の尺度。
批判的分析
長所
- 細やかな構成。 九つの部が内容をはっきり表示されたまとまりに分けているため、授業は細胞と遺伝子(第II〜IV部)や生物個体の機能(第VII・VIII部)だけを扱っても、全体の中での位置を見失わない。
- 多様性の前に進化。 第V部が第VI部の生物の概観より前にあるため、分類群を紹介するときに系統樹と種分化が使える。
- 植物と動物を別に扱う。 形態と機能に二つの部が充てられ、一つは被子植物、もう一つは動物である。
- デジタルの配備。 出版社は電子書籍と Achieve プラットフォームを提供し、2023年のデジタル・アップデートで版が更新された。
短所
- 分量。 57章は一つの授業で扱える範囲を超えるため、部を選ぶ必要がある。
- 版と著者の変化。 第11版(2016年)の著者は四人、第12版は六人、デジタル・アップデートは七人で、章立ても異なるため、旧版向けの資料は対応しない。
- 植物の扱いが分かれる。 植物の進化は第VI部、植物の機能は第VII部にあり、植物を通して学ぶ読者は二つの部を行き来する必要がある。
コースにおける位置づけ
このコースの生物学概説の書目の中で、Life は Campbell Biology や Freeman の Biological Science と同種の、専攻レベルの総合教科書である。Campbell は八つの単元で構成され、Freeman は能動的学習と定量的スキルを重視する。OpenStax の Biology 2e は同様の専攻向けの課程をカバーして無料であり、Concepts of Biology は非専攻者や最初の通読に向く短い概説である。
Cell Biology by the Numbers と Lodish の Molecular Cell Biology は、ここのどの章よりも細胞に深く踏み込む。前者は数量を通して、後者は実験を軸にした細胞・分子生物学の教科書である。Life の第II〜IV部を読んだ後に読むとよい。
本書の使い方
専攻向けの入門課程を履修する学生と、総合的な参照用教科書を求める読者に向く。主な準備は高校の化学と生物である。
実用的な読み方:
- 基礎: 第I〜III部(第1〜10章)が化学、細胞、エネルギーを与える。
- 遺伝学と進化の中核: 第IV部、次に第V部。進化を重視する授業では併せて読む。
- 関心に応じて: 多様性は第VI部、生理学は第VII・VIII部、生態学は第IX部。
- 練習: 授業で提供されれば電子書籍と Achieve の教材を使い、章番号に頼る前に授業がどの版を使っているか確認する。
