物理化学:平衡は何を固定するかで変わる
平衡定数が同じでも転化率は同じとは限らない。容器の条件が反応中の分圧を変えるため、まず物質量と分圧を導出しよう。
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このページの目次
対象と編集責任
架空反応による化学熱力学、理想気体活量、平衡安定性。無料のDeVoe、広範なAtkins、分子的説明のMcQuarrieとSimonを比較する。実在物質の測定値や反応速度を与えるモデルではない。
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Thermodynamics and Chemistry
Howard DeVoe
無料の巨視的主教材
- 選ぶ場面
- 微分、対数、物質量収支が使える。
- 別の教材が適する場面
- 量子化学や分光学全体を一冊で求める。
- 読む範囲
- 熱力学ポテンシャル、混合物、反応、多成分平衡。
- 限界と注意点
- 定義は制約を明確にするが、Kへの数値代入以上の作業が要る。
選ぶ前に試す
分圧pA,pBの理想気体活量を書く。
確認すること: pA/p°、pB/p°。QとKに圧力単位を残さない。
物理化学
Peter Atkins; Julio de Paula; James Keeler · 版: 12 · 2022
広い課程用教材
- 選ぶ場面
- 熱力学・分子論・速度論を横断する。
- 別の教材が適する場面
- 平衡だけの集中した参考書が必要。
- 読む範囲
- 第12版Focus 5混合物、6化学平衡、後で13統計熱力学。
- 限界と注意点
- 接続は豊かだが初読範囲を絞る。デジタル資料は対応商品が必要。
選ぶ前に試す
定圧p°のA⇌2BでpB/p°をxで表す。
確認すること: 2x/(1+x)。総物質量が変わるので2xではない。
分子熱力学
Donald A. McQuarrie、John D. Simon · 1999
分子熱力学
- 選ぶ場面
- エネルギー準位や分子の数え上げで理解したい。
- 別の教材が適する場面
- 元の大きなPhysical Chemistry全範囲が必要。
- 読む範囲
- 分子準位の基礎、熱力学関数、化学平衡。
- 限界と注意点
- 分子的説明には数学が必要。この本は熱力学中心。
選ぶ前に試す
V=n0RT/p°を固定して分圧を書く。
確認すること: pA/p°=1−x、pB/p°=2x。全圧は固定されない。
準備を確認する
反応進行度と転化率を区別できるか
x=ξ/n0は無次元。n0=1 molでも、次元を持つξに1を足してはならない。
分圧を導けるか
p_i=n_iRT/V、または全圧固定ならy_iPを用いる。
何を最小にするか
定温定圧はGibbs、定温定容はHelmholtz。同温度の平衡化学ポテンシャルは同じKを与える。
六つのステップで学ぶ
完了したステップ: 0 / 6
自己記録用のチェックであり、評価ではありません。チェック情報は当サイトに送信されません。
-
条件を表にする
読む範囲: 系と状態量。
取り組む課題: 固定量、未知数x、範囲を書く。
確認すること: 0<x<1、二容器の制約は異なる。
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物質量を収支
読む範囲: 混合物と反応。
取り組む課題: nA,nB,総量を単位付きで導く。
確認すること: 総量はn0(1+x)。
-
活量を作る
読む範囲: 理想気体混合物。
取り組む課題: 二条件のQを別々に導く。
確認すること: 圧力はすべてp°で割る。
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定圧を解く
読む範囲: 化学平衡。
取り組む課題: Q=4を解き不適切な根を除く。
確認すること: x=1/√2。
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制約を変える
読む範囲: ポテンシャルと追試。
取り組む課題: 定容解と最終全圧を求める。
確認すること: x=(√5−1)/2、P=(1+x)p°。
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安定性を検査
読む範囲: 化学ポテンシャル。
取り組む課題: Qの単調性と対応する最小原理を書く。
確認すること: RT ln(Q/K)の符号変化であり、速度予測ではない。
解答付きの例題
定圧下の平衡転化率
架空の理想気体反応A⇌2B、一定温度で無次元Kp=4。純Aをn0=1 molから始め全圧P=p°を保つ。平衡転化率xを求めよ。
前提
理想混合物、この反応のみ、一定T、相変化なし、平衡到達可能。0<x<1、p°>0、x=ξ/n0。実測値ではない。
- nA=n0(1−x)、nB=2n0x、n=n0(1+x)。pA/p°=(1−x)/(1+x)、pB/p°=2x/(1+x)。
- Q=4x²/(1−x²)=4よりx²=1−x²。許される根はx=1/√2。
- Qは区間で0から無限大へ単調増加。ΔrG=RT ln(Q/Kp)より定温定圧のGは根の前で減少、後で増加。
解答と解釈
x≈0.7071、nA≈0.2929 mol、nB≈1.4142 mol。
結果を検証する
無次元分圧は約0.1716と0.8284で和1、Q=4。単調性からモデル内で唯一の大域最小。
前提を変えて考える
剛体容器へ変える
初期量、T、Kpを保ち、固定容積V=n0RT/p°に変える。転化率と対応する最小原理を求めよ。
- pA/p°=1−x、pB/p°=2x、Q=4x²/(1−x)。全圧は増加する。
- x²=1−xの物理根は(√5−1)/2≈0.6180。負の根は除外。全圧は約1.6180p°。
- Qは単調増加。定温定容ではHelmholtzエネルギーの進行度微分がRT ln(Q/Kp)となり唯一の最小を与える。定温定圧のG最小をそのまま転用しない。
解答と解釈
定容ではx≈0.6180。Kは同じでも分圧の経路と制約付きポテンシャルが違う。
結果を検証する
x²=1−xでQ=4を厳密確認。速度論がないため到達時間は求まらない。
よくある誤り
Kに単位を残す
標準状態で無次元化する。
総物質量を固定
Aから2Bへ変わると総量は変化する。
制約を忘れた最小原理
何を固定するか必ず指定する。
次に進む前に
- 容器条件から活量を導く。
- 二つの平衡解を検証する。
- 速度と混同せず安定性を説明する。
出典と版の確認
出典確認日:
- DeVoe: thermodynamic potentials and chemical equilibrium
ポテンシャル、混合物、反応平衡を分けて扱う無料教材。
- OUP: exact twelfth-edition paperback and contents
第12版の目次は混合物、平衡、統計熱力学を別Focusに置く。
- University Science Books: molecular thermodynamics
大きな物理化学書全体ではなく、分子的基礎を持つ熱力学書。
提案する学習活動であり、公式の課題や全巻通読の主張ではありません。