01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Girvin, S. M., & Yang, K. (2019). Modern Condensed Matter Physics. Cambridge University Press.
章の要約
本書は20章と10の付録からなり、約700ページで、序文と参考文献表も付く。出版社は、近年の最も重要な進展をまとめ、研究やより高度な文献の読解に備えさせる、包括的な大学院向け教科書として位置づけている。結晶性固体とその類似物(光格子とフォトニック結晶)の基礎に加え、無秩序系、メゾスコピック系、多体系、量子磁性、ボース–アインシュタイン凝縮、量子もつれ、超伝導量子ビットといった最先端の話題を扱い、トポロジカルな概念に必要な数学的背景も用意している。演習問題、解説ボックス、付録が備わっている。
第1章:Overview of Condensed Matter Physics
技術的な章が始まる前の、約8ページの短い分野概観。
第2–4章:Spatial Structure/Lattices and Symmetries/Neutron Scattering
構造の基礎。空間構造の記述、格子の対称性、構造を調べるプローブとしての中性子散乱。
第5–6章:Dynamics of Lattice Vibrations/Quantum Theory of Harmonic Crystals
格子力学。まず結晶の振動として、次にその量子論的な扱いとして論じる。
第7–9章:Electronic Structure of Crystals/Semiclassical Transport Theory/Semiconductors
前半で最も長い章である結晶の電子構造(約65ページ)に、半古典的輸送と半導体の章が続く。これらで電子に関する固体物理の伝統的な中核が扱われる。
第10–12章:Non-local Transport in Mesoscopic Systems/Anderson Localization/Integer Quantum Hall Effect
現代的な最初のまとまり。メゾスコピックスケールの輸送、無秩序による局在(約50ページの長い章)、整数量子ホール効果。
第13–14章:Topology and Berry Phase/Topological Insulators and Semimetals
トポロジーとベリー位相の数学的概念、続いてそのトポロジカル絶縁体と半金属への応用。付録にはトポロジーの簡単な入門がある。
第15–16章:Interacting Electrons/Fractional Quantum Hall Effect
固体中の電子間相互作用と分数量子ホール効果。それぞれ約55ページと約50ページの長い章である。
第17–18章:Magnetism/Bose-Einstein Condensation and Superfluidity
磁性が約50ページにわたって扱われ、ボース–アインシュタイン凝縮と超流動の短めの章が続く。
第19–20章:Superconductivity: Basic Phenomena and Phenomenological Theories/Microscopic Theory of Superconductivity
本文は超伝導で終わる。まず現象と現象論的理論、次に微視的理論を扱う。付録は、線形応答理論、ポアソンの和公式、トンネル効果と走査トンネル顕微鏡、トポロジー入門、散乱行列、量子もつれ、電気回路の雑音、汎関数微分、低エネルギー有効ハミルトニアン、第二量子化と続く。
主要概念
- 空間構造と格子の対称性:空間構造、格子の対称性、中性子散乱(第2–4章)。
- フォノン:格子振動の古典論と量子論(第5–6章)。
- 半古典的輸送:結晶中の電子のダイナミクス(第8章)。
- メゾスコピック輸送とアンダーソン局在:非局所輸送と無秩序の効果(第10–11章)。
- 量子ホール効果:整数と分数(第12、16章)。
- ベリー位相とトポロジカル絶縁体:バンド構造へのトポロジーの応用(第13–14章)。
- 相互作用する電子:多体効果(第15章)。
- 磁性と超伝導:第17、19、20章。
批判的分析
長所
- 現代的な話題の選択。 出版社は近年の進展を強調している。トポロジカル相、量子ホール物理、メゾスコピック輸送、量子もつれ、超伝導量子ビットが標準的な内容と並んでおり、基礎と現在の研究テーマの両方に及ぶ。
- トポロジーの数学的支援。 出版社によれば、この分野で一般的になったトポロジカルな概念のために適切な数学的背景が提供される。目次にはトポロジーとベリー位相の章があり、付録にはトポロジー入門がある。
- 読者に応じた補助。 演習問題、解説ボックス、付録は初学者にも専門家にも指針とフィードバックを与えるとされ、第二量子化入門などの付録が本文を支える。
- 結晶を越えた範囲。 固体の類似物として光格子とフォトニック結晶を含む。
短所
- 分量。 約700ページ、20章で、大学院の一コース以上の素材があるため、教員も読者も章を選ぶ必要がある。
- 章の長さが不均一。 章の長さは約8ページ(概観)から約65ページ(結晶の電子構造)まであり、局在、相互作用する電子、分数量子ホール効果、磁性の各章はそれぞれ約50ページに及ぶので、進度は一様ではない。
- 多体系の前提。 サイトは第二量子化の初歩を前提としているが、本書にはそれに関する付録がある。まったく触れたことのない読者は、先にその付録を読むとよい。
コースにおける位置づけ
Girvin & Yangは、凝縮系物理のリストにおける大学院レベルの教科書であり、学部の固体物理の後に進む自然な本である。KittelのIntroduction to Solid State Physicsは長く使われてきた学部向けの総合的な教科書で、HofmannのSolid State Physics: An Introduction、Hook & HallのSolid State Physics、SimonのThe Oxford Solid State Basicsはより短い入門コースである。Ibach & LüthのSolid-State Physicsは材料科学と実験の面を強調する。Girvin & Yangは多くの共通の範囲(構造、フォノン、バンド理論、輸送、磁性、超伝導)をより高度な水準で扱い、さらにメゾスコピック物理、トポロジカル相、量子ホール効果を加える。
妥当な道筋は、入門書のいずれかを先に読み、その後Girvin & Yangに進むことである。伝統的な話題だけを学びたい学生はKittelで止めてもよい。
本書の使い方
学部の固体物理、量子力学、統計力学を修めた大学院生向けである(CUPはシニアまたは大学院1年のレベルと説明している)。
実践的な進め方:第2–9章は標準的な固体物理の基礎を復習・拡張するもので、良い学部コースを経た人は速く読める。際立った中核は第10–16章(メゾスコピック輸送、局在、量子ホール効果、トポロジー、相互作用する電子)であり、演習とともに丁寧に読む価値がある。磁性と超伝導の第17–20章は必要に応じて選ぶ。付録は第二量子化、線形応答、トポロジーの短い参考章として使い、解説ボックスは出てきたときに読む。
