01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Sørensen, G., & Møller, J. (2025). Introduction to International Relations and Global Politics (9th ed.). Oxford University Press.
章の要約
第9版は三つの部に分かれた17章で、全体で約500ページである。本書は、以前に Introduction to International Relations、のちに Introduction to International Relations: Theories and Approaches として刊行された教科書の後継であり(たとえば2018年の第7版と2021年の第8版は、いずれもロバート・ジャクソンが共著者だった)、出版社によれば構成が改められている。新しい第1章が旧第1章と第2章に取って代わり、新しい第2部が加わり、そのために第1部の理論の章は短縮された。出版社はまた、各章の終わりで、諸理論が国際的要因と国内的要因をどう結びつけようとしてきたかが論じられると述べている。
第1章:国際関係論とグローバル政治とは何か、なぜ学ぶのか
40ページの冒頭の章。出版社によれば、本書の新しい構成を紹介する。
第1部 第2~6章:リアリズム/リベラリズム/国際社会/国際政治経済――マルクス主義とその競合理論/社会構成主義
古典的および現代的な国際関係論の伝統を扱う五つの章で、各章は約25~32ページ。出版社の説明は、リアリズム、リベラリズム、国際社会、国際政治経済、社会構成主義を挙げ、各章は読者に、それぞれの理論の長所と短所、そして理論間の主要な論争点を検討するよう促すと述べている。
第2部 第7~10章:ポスト構造主義/ポストコロニアリズム/フェミニズムとクィア理論/グリーン理論、環境、気候変動
今回の版で加わった部で、193~300ページを占める。出版社がグローバル政治(GP)の理論としてまとめるアプローチを扱う。第10章は、グリーン理論を環境と気候変動に結びつける。
第3部 第11~15章:争点――政治、経済、権力/争点――開発と低開発/争点――経済のグローバル化とは何か、誰が利益を得るのか/争点――国際テロリズム/争点――世界政治における宗教:文明の衝突か
各11~15ページの短い争点別の章が五つ。出版社によれば、最終部は、理論が主要な地球規模の問題を理解する道具としてどう使えるかを示すものであり、争点の章はグローバル政治の視点を含むよう再構成されている。
第3部 第16~17章:外交政策/大問題――世界秩序か世界の混沌か
より長い最終の二章で、それぞれ30ページと27ページ。第16章は外交政策を扱い、第17章は世界秩序か世界の混沌かという、本書の最後の問いを立てる。
主要概念
第1部:国際関係論の主要な理論とアプローチ(第2~6章)
- リアリズムとリベラリズム:最も長い歴史をもつ二つの伝統で、それぞれ一章が充てられている。
- 国際社会:リベラリズムと政治経済の間に独立した一章を与えられた伝統。
- 国際政治経済:マルクス主義とその競合理論を通して扱われる。
- 社会構成主義:第1部の最後の理論。
第2部:グローバル政治の主要な理論とアプローチ(第7~10章)
- ポスト構造主義とポストコロニアリズム:本書に加わった二つの批判的アプローチ。
- フェミニズムとクィア理論:ジェンダーに焦点を当てた世界政治の見方。
- グリーン理論:理論的にも実践的にも関心事である環境と気候変動。
第3部:理論が現実の世界に出会う(第11~17章)
- 権力、開発、経済のグローバル化:最初の三つの争点の章。
- 国際テロリズムと世界政治における宗教:非国家的・文化的側面を扱う二つの争点の章。
- 外交政策:第16章の主題。
- 世界秩序:第17章の結びの問い。
批判的分析
長所
- 理論が構成原理である。 出版社は本書を、主要な国際関係理論への分かりやすく簡潔な入門書であり、理論が主要な地球規模の争点の分析にどう使えるかに重点を置くものだと説明している。目次の各部はこの狙いに沿っている。
- 今回の版でより広がった理論の範囲。 新しい第2部では、ポスト構造主義、ポストコロニアリズム、フェミニズムとクィア理論、グリーン理論にそれぞれ独立した章が与えられている。アンジェラ・ペンニージ・ディ・フロリステラ(マルタ大学)は、ポストコロニアル、フェミニスト、ポスト構造主義の理論に、伝統的アプローチと同等の比重が置かれていることを歓迎したと引用され、マヤ・グエン(SOAS)は、伝統的視点と現代的視点の包括的でバランスのよい扱いを称賛したと引用されている。
- 批判的に読む習慣が組み込まれている。 出版社は、本書が各理論の長所と短所、そして理論間の論争点を示すことを強調しており、学生は諸理論を選択肢の一覧としてではなく、競合するものとして理解できる。
- 長く続く教科書との連続性。 本書は構成の確立した過去の版の流れをくんでいる。出版社によれば、すべての章が更新され、新しいコラムや図が数多く加えられている。
短所
- 意図的に簡潔。 出版社は本書を簡潔だと述べており、ページ数にもそれが表れている。理論の章は約25~32ページで、第1部の理論の章は今回の版で短縮された。
- 争点の章は短い。 五つの争点の章は各11~15ページで、理論の適用を示すには足りるが、それぞれの主題の中身を紹介する余地はほとんどない。
- 扱う主題が限られる。 目次には、戦争と安全保障そのもの(テロリズムの章を除く)、国際機構や国際法、政治経済の章を超える貿易や金融を扱う章がないため、これらには、より実証的に構成された教科書が必要になる。
- 構成の変更。 章が統合、追加、再構成されたため、以前の版の章番号への言及は、この版に対応しない。
コースにおける位置づけ
本書は、国際関係論のリストの中で理論を中心とした入門書である。レウス=スミットの International Relations: A Very Short Introduction は、本サイトでは、世界の政治的権威がどう編成されているかを軸にした短い入門書として紹介されており、ソーレンセンとモラーを読む前の軽い最初の一冊になる。ベイリス、スミス、オーウェンズの The Globalization of World Politics は、国際システムの歴史、主要な理論、構造と過程、地球規模の争点を扱う編著の入門教科書で、より幅広く争点に富む代替となる。フリーデンらの World Politics は、競合する学派ではなく、単一の枠組み(利益、相互作用、制度)を軸に構成されている。
リストには、二つの章の背後にある原典も含まれる。ウォルツの Theory of International Politics は第2章の背後にある構造的リアリズムの叙述であり、ウェントの Social Theory of International Politics は第6章の背後にある構成主義の基礎的な叙述である。教科書の章を読んだあとに読むほうがよい。
本書の使い方
本書は、国際関係論またはグローバル政治の最初か二番目のコースを受講する学部生、特にシラバスが理論ごとに編成されている場合に向いている。出版社のページに前提条件は挙げられていない。本サイトの記載にあるとおり、近現代史と時事問題の知識があると、第3部の事例を理解しやすい。
実践的な進め方は次のとおり。
- 第1章から始め、構成を理解したうえで、理論の章を本書の順序で、第2~6章、次いで第7~10章と読む。それぞれの理論を、長所と短所の議論を使って、それ以前の理論と比較する。
- 多くのコースで中核となる部分: 第2章、第3章、第6章(リアリズム、リベラリズム、構成主義)。シラバスに含まれるなら、国際社会を扱う第4章と政治経済を扱う第5章も加える。
- 重点に応じて選択: 第2部の章は、批判的・グローバルな視点を扱うコースではまとめて、あるいは関連する単元と合わせて個別に読める。たとえば第10章は気候の単元と組み合わせる。
- 理論を応用する: 第3部の争点の章から一つを選び、二つの理論ならどう論じるかを短く比較して書き、確かめる。第16~17章は、最後のゼミに適している。
